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武蔵野コラム

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自己効力感とは?社員の自己効力感を高めモチベーションあふれる組織づくりを

この記事は約3分で読めます。

生産性や業務効率に大きく影響するのが、「やればできる」という前向きな信念である「自己効力感」です。
「職場の雰囲気が暗い」「部下の仕事にやる気が感じられない」といった問題が発生している場合、社員の自己効力感が低下している可能性があります。

この記事では、自己効力感の重要性や、自己効力感が高まるメカニズム、部下の自己効力感を引き出す方法について解説していきます。

自己効力感とは?組織への貢献度に直結する「やればできる」の信念

日本能率協会によると、自己効力感とは「自分の設定した目標に対して、自分の知識やスキルを用いて到達できる能力があると信じられること」を意味します。
自己効力感は、英語で「Self-efficacy」と表現されます。

ひとことで言い換えれば、「やればできる」という前向きな信念を持って仕事に打ち込んでいる状態が、自己効力感のある状態です。
自己効力感は個人のパフォーマンスだけでなく、会社全体の業績への貢献度にも直結するため、自己効力感の高い従業員を増やすことが大切です。

自己効力感の提唱者

自己効力感は、スタンフォード大学教授のアルバート・バンデューラ博士によって提唱されたもので、社会的認知理論の中の心理学用語の一つです。
博士がさまざまな恐怖症を克服した人たちにインタビューを行ったところ、ある共通点を見つけ出しました。

それは恐怖症という克服が難しい病を「自分は克服できる」「自分は今の現状を変えることができる」と信じるようになれたというものでした。
このインタビューがきっかけで、自己効力感を保持する人は、困難にぶつかっても挑戦することができる傾向にあることが分かりました。

 

自己効力感と自己肯定感の違いとは?

自己効力感と似た言葉に、「自己肯定感」があります。

自己肯定感とは、自己を尊重し、ありのままの自分の価値を感じ、自身の存在を肯定できる力のことです。
自己肯定感が高い状態では、ありのままの自分を受け入れることができるため、失敗した場合にも「失敗しても大丈夫。次頑張ろう。」と考えることができます。

自己効力感とは「自分ならできる、と信じられる力」であり、自己肯定感とは「できてもできなくても、ありのままの自分に価値がある」と受け入れている状態を指します。

どちらも仕事のパフォーマンスや人生の満足度を上げるうえで重要な概念ですが、考え方が少し異なります。

 

自己効力感を高めるメリット

自己効力感を高めるメリットにはどんなものがあるでしょうか。ご紹介します。

・チャレンジ精神を育める

自己効力感を高めることで、何事にも恐れず積極的にチャレンジできるようになるでしょう。そのため、常に周囲から学ぼうとする姿勢を持ち、学んだことを実行に移すまでのスピードも速くなります。

・過度に落ち込まない

失敗したときも、「次はどうすれば成功するか」と前向きに考えることができます。

また、できない理由を探すのではなく、出来る方法を考えることに時間を費やすことができ、ポジティブな発言ができます。

・モチベーションの維持

自己効力感を高めることで、高いモチベーションを維持することができます。
モチベーションが維持できれば、より長期的な目標にも諦めずに挑戦でき、困難に直面しても諦めず自分自身を鼓舞することができます。

 

自己効力感が低い状態は組織力の低下につながる

一方で、自己効力感の低い従業員が多い企業は、どんどん組織力が低下します。
自己効力感の低さが業務やコミュニケーションの失敗を招き、挑戦を恐れる逃げ癖を作り、さらに自己効力感が低下するという負のループに陥るからです。

自己効力感の低い社員が多いと、個人の成長だけでなく、組織全体の成長も阻害します。
やる気やモチベーションのなさが周囲に悪影響を及ぼす一方で、「代理体験」や「生理的情緒的高揚」を通じて、他者の自己効力感を高めることはありません。
自己効力感を持てない社員を放置していると、職務怠慢や業務効率の低下、体調不良の社員の増加、離職率の上昇など、やがては組織全体がバラバラになりかねません。

「職場環境が悪い」「社員の元気がない」といった問題が発生している場合、「自己効力感」が問題解決のための重要な鍵になる可能性があります。

 

自己効力感を高める4つの要素

心理学の研究によると、自己効力感は次の4つの要素に分けることができます。

 ・達成体験
成功体験を積み重ねることで、自分の知識やスキルに自信を持つ。

・代理体験
他社の成功体験に触れ、自分もできるかもしれないと自信を持つ。

・言語的励まし
周囲の人から激励の言葉をかけられ、一時的にやる気を出す。

・生理的情緒的高揚
職場のポジティブな雰囲気に刺激され、一時的にやる気を出す。

達成体験・代理体験・言語的励まし・生理的情緒的高揚の4つの要素に注意しつつ、従業員の自信とやる気を引き出す施策を行っていく必要があります。

 

社員の自己効力感を高める3つの方法

社員の自己効力感を高め、組織を活性化させるには何をすればよいのでしょうか。
ここでは、社員の自己効力感を高める3つのマネジメント術を紹介します。

目標管理によって「達成体験」を生み出す

自己効力感を高めるのに有効なのが、部下に目標を達成する喜びを味わってもらい、「達成体験」を生み出す方法です。
そのためには、簡単には手が届かないような「ストレッチゴール」を設定するのが有効です。
「努力の結果、達成できた」という体験の積み重ねが、「やればできる」という自己効力感の醸成につながります。

何度も目標を達成できないと、失敗体験が積み重なって逆に負のサイクルに陥ってしまうため、上長は目標達成に向けたサポートを行いましょう。

身近な人の成功を見せ、「代理経験」を生み出す

他人の成功を見聞きすることでも、「自分にもやれるかもしれない」という代理経験が生み出され、自己効力感の向上につながります。
代理経験は、親近感を持っている相手に対して強く働きます。部下の代理経験を引き出すときは、
部下に親しい立場の人物をモデルケースに取り上げ、追体験してもらいましょう。

直接言葉で褒める「言語的説得」も効果的

部下の長所やいいところを直接言葉で褒める「言語的説得」も、自己効力感を高めるのに効果的です。
ただ目標管理を行うだけでは、部下のやる気やモチベーションは高まりません。

目標管理と合わせて、他人の成功体験を追体験させる「代理経験」や、
ポジティブな声かけを行う「言語的説得」を駆使することが、部下の自己効力感を高めるポイントです。

部下のやる気が感じられない、職場の雰囲気が暗い、といった場合は「自己効力感」の向上に取り組みましょう。

 

従業員の自己効力感を高め、モチベーションあふれる組織づくりを

従業員が生き生きと働ける組織づくりのためには、「自己効力感」がポイントです。
自己効力感が低い社員が多いと、業務効率の低下や離職率の増加につながり、組織力がどんどん低下します。

目標管理によって成功体験を積み重ねる「達成体験」、他者の成功体験を追体験させる「代理経験」、ポジティブな言葉をかける「言語的説得」の3つを駆使し、従業員の自己効力感を高めましょう。

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