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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2022/06/20 15:00

人材育成

コミュニケーション

エンハンシング効果とは【モチベーション/組織づくり】

読了まで約3分

社員の士気が低い状態がつづくと、業績の悪化や離職率の上昇など、さまざまな課題が生まれます。
社員のやる気やモチベーションの向上に役立つのが、「エンハンシング効果(Enhancing effect)」です。
内発的動機づけ、外発的動機づけの2つの「動機づけ」をうまく活用し、社員1人ひとりが率先して行動する活発な組織風土を生み出しましょう。

この記事では、エンハンシング効果の基本的な考え方や、社員への働きかけのポイントについて解説していきます。

エンハンシング効果とは?内発的動機づけでやる気を生み出す

エンハンシング効果とは、適切な「動機づけ」を行うことによって、やる気やモチベーションを生み出す効果のことです。
もとは心理学の用語ですが、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。
リーダーがエンハンシング効果をうまく活用することで、部下のやる気を引き出し、マネジメントの効率が高まります。

エンハンシング効果を生み出すポイントは、2つの動機づけの使い分けです。
心理学上、動機づけは内発的動機づけ、外発的動機づけの2つに分けられます。

内発的動機づけ:対象となる行動への興味関心や、快感・充実感・達成感など、行動への欲求そのものがきっかけとなる動機づけ
外発的動機づけ:行動の結果として得られる称賛・報酬や、望ましくない罰則を避けるなど、外部からの働きかけによる動機づけ

エンハンシング効果は、外発的動機づけによって、内発的動機づけを高めることで生み出されます。
金銭的報酬のような外発的動機づけは、やる気やモチベーションを一時的に高める効果しかありません。
しかし、外発的動機づけがきっかけとなって、内発的動機づけが生まれるケースがあります。
たとえば、昇給やボーナスを目当てにプロジェクトに取り組んでいるうち、プロジェクトの魅力ややりがいに気づき、行動への内的な欲求が生まれるといったケースです。
外発的動機づけをうまく活用し、内発的動機づけを高めれば、社員が自ら率先して動くようになります。
組織活性化のため、エンハンシング効果を活用しましょう。

「動機づけ」を間違えるとアンダーマイニング効果が生まれる

不適切な動機づけを行うと、エンハンシング効果とは真逆の「アンダーマイニング効果(Undermining effect)」が生まれる可能性があります。
アンダーマイニング効果とは、すでに内発的動機づけが済んだ社員に対し、新たに外発的動機づけを行うことで、かえってやる気やモチベーションが失われる現象のことです。
なぜ、動機づけの順番を間違えるとやる気やモチベーションが低下するのでしょうか。
内発的動機づけが高まっている社員は、行動そのものへの意欲が高く、内なる欲求を持っています。
そうした社員に対し、たとえば金銭的報酬を与えると、行動の目的が内なる欲求から金銭的報酬にすり替わります。
内発的動機づけが失われ、金銭的報酬のような外発的動機づけがないと行動しなくなり、以前のようなやる気やモチベーションが失われてしまいます。
従業員への動機づけを行う際は、アンダーマイニング現象を引き起こさないよう注意しましょう。

 

エンハンシング効果を高める4つのポイント

どうすればアンダーマイニング現象ではなく、エンハンシング効果を引き起こせるのでしょうか。
エンハンシング効果を生み出す4つのコツを紹介します。

「褒める」ことで、自己効力感(コンピテンシー)を刺激する

エンハンシング効果を引き出すには、まず外発的動機づけを行い、内発的動機づけが生まれるよう誘導することが大切だと述べました。
もっとも効果的な外発的動機づけが、言葉で「褒める」ことです。
内発的動機づけの核となるのが、自己効力感(コンピテンシー)です。
コンピテンシーとは、自分の努力が結果につながると感じ、行動へ前向きな確信がある状態を指します。
コンピテンシーが高い社員は、外的要因がなくても自ら率先して行動します。
部下を言葉で褒め(=外発的動機づけ)、「自分はやればできるんだ」と思わせることで、コンピテンシーを高めることが可能です。まずは、部下を褒めることを意識しましょう。

結果ではなくプロセスを「褒める」

コロンビア大学の心理学実験によって、やる気やモチベーションを高めるには、
結果よりもプロセスを「褒める」のが大切であることがわかっています。
結果ばかり褒めると、結果を出せないことへの恐れが生じ、かえって行動にネガティブな感情を抱く可能性があるからです。
部下へ働きかけるときは、仕事への姿勢や頑張りを重点的に褒めましょう。
たとえ結果が出なかった場合でも、努力や頑張りが認められたことが動機づけになり、高いモチベーションが生まれます。

間接的に褒める

あえて本人に直接伝えず、共通の知人や同僚に「彼、最近すごく成長してるんだよね」などと間接的に褒めることも効果的です。
本人に直接伝えると、多少ヨイショしている感が出てしまいます。
誰かを経由して間接的に伝えることで、本当に自分が評価されているんだと伝わります。
これは商品の公式ページの謳い文句よりも、第三者の口コミの方が信用できるのと同じ理屈で、心理学では「ウィンザー効果」と呼ばれています。

他の人の前で褒める

学校や職場において、他の人が見ている前で怒られ、酷く落ち込んだという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
それとは逆で、他の人が見ている前で褒めることによって、自尊心を満たしてモチベーション向上につなげることができます。
褒められているところを多くの社員に見られていれば、より一層嬉しさが引き立ちます。
会社の中で、優秀な社員が表彰されるイベントなどを行うことで、褒められた社員はますますエンハンシング効果が高まるでしょう。

 

 エンハンシング効果に関する実験の事例

・コロンビア大学の実験
1990年代、コロンビア大学で子どもたち約400人を対象にした知能テストを行いました。
テスト終了後、実際の成績を隠し、子どもたちへ個別に「100点満点中80点だった」と告げました。
その際子どもたちを3つのグループに分け、グループごとにコメントを変えました。

グループ1:「本当に頭がいいんだね」
グループ2:「努力の甲斐があったね」
グループ3:何もコメントしない
コメントを伝えた後、2つの課題のうちから1つを選んでもらいました。

課題1:難易度が高いが、やりがいのある課題
課題2:簡単に解け、学びの少ない課題

実験の結果、能力を褒められたグループ1は、約65%が「簡単な課題」を選びました。
何もコメントされなかったグループ3は、約45%が「簡単な課題」を選びました。
そして、努力を褒められたグループ2では「簡単な課題」を選んだのはわずか約10%。
約90%が「難しい課題」を選んだのです。

自分の結果や知能を褒められると、「賢く見られたい」という気持ちが生じて失敗を恐れるようになったり、「能力があるから自分は頑張らなくてもできるはずだ」と考えたりするようになるのだそうです。
この実験の結果から、努力(過程)を褒めた方が、より難しい課題にすすんで取り組むことがわかりました。

・エリザベス・B・ハーロックの実験

1925年、発達心理学者のエリザベス・B・ハーロックが報告した賞罰実験があります。
小学生を3つのグループにわけて、それぞれ算数のテストを5回行います。
テスト終了後、答案を返却するときの態度を、それぞれのグループで変化させました。

A:結果にかかわらず、できていた部分を褒める
B:結果にかかわらず、できていない部分を叱る
C:結果にかかわらず、何も言わない

結果は次の通りでした。

A:71%の生徒の成績が向上した
B:2日目は20%の生徒の成績が向上したが、次第に成績が低下した
C:2日目は5%の生徒の成績が向上したが、その後は変化がなかった

この実験の結果から、叱って伸ばすよりも、褒めて伸ばす方が効果があるということが実証されました。

 

エンハンシング効果を活用し、モチベーションあふれる組織づくりを

エンハンシング効果を活用することで、やる気あふれる組織風土が生まれます。
社員への働きかけを行うときは、アンダーマイニング現象を引き起こさないよう注意しましょう。
すでに内発的動機づけのある社員に対し、金銭的報酬をはじめとした外発的動機づけを行うと、かえってやる気やモチベーションが削がれてしまいます。
組織活性化のため、エンハンシング効果を正しく活用しましょう。

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