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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/05/10 17:30

資金繰り

フリーキャッシュフローとは?意味や作成の義務・計算方法を解説

読了まで約4分

フリーキャッシュフロー(FCF)とは、会社が事業を展開して得た利益の中で、自由に使えるキャッシュのことです。
フリーキャッシュフローの他に、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローなどがあります。

本記事では、フリーキャッシュフローについて意味や作成の義務、計算方法や見方のポイントなどをわかりやすく解説します。

フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフローとは、会社の利益のうち、その会社が自由に使えるお金のことです。

企業が事業活動を通じて得た資金のうち、自由に使える額を意味します。自由に使えるフリーキャッシュフローがわからないと、借入金の返済や株主への配当金も分配できません。

フリーキャッシュフローが多いほど経営が安定した優良企業ということになりますから、株価も上がり銀行からの融資も受けやすくなります。

キャッシュフローは営業活動によるキャッシュフロー・投資活動によるキャッシュフロー・財務活動によるキャッシュフローの3つで構成されています。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローとは、会社の営業活動で得たキャッシュフローです。商品の販売・仕入や経費・人件費の支払いなどの営業活動から生じるお金の流入量を指します。

投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローとは、会社を維持するために必要なキャッシュフローです。土地・建物・機械設備といった固定資産の取得・売却などの投資活動から生じるお金の流入量を指します。

財務キャッシュフロー

財務キャッシュフローとは、借入や返済など金融機関からの融資、増資や減資など株主に対する配当金支払いなどを指します。 

 

キャッシュフロー作成の義務

上場企業はキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられています。
中小企業は義務付けられていませんが、だからといってキャッシュフロー計算書が必要ないということはありません。

むしろ、中小企業こそキャッシュフロー計算書を作るべきかもしれません。

というのは、中小企業は上場企業ほどの資金力がないので、少し事業が頓挫しただけで一気に経営が悪化することもあるからです。

中小企業にとってキャッシュフロー計算書を作成することは、自社の状況を把握するために必要なだけでなく、取引先の経営状況を知るためにも重要です。
そのため、自社でキャッシュフロー計算書を作成するとともに、取引先にも作成してもらえれば理想的です。

  

フリーキャッシュフローの計算方法

フリーキャッシュフローの計算方法は以下の通りです。

営業活動によるキャッシュフロー - 投資活動によるキャッシュフロー

これ以外にもフリーキャッシュフローの算出方法は様々ありますが、一般的な方法は、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引く方法です。

例えば、営業キャッシュフローが100万円、投資キャッシュフローが△30万円の場合、100+△30でフリーキャッシュフローは70万円になります。
つまり、この会社が自由に使うことができる資金は70万円ある、ということです。

 

キャッシュフロー計算書でわかること

キャッシュフロー計算書は、営業・投資・財務の3つの分野にわたって作成されます。

しかも、今期中のキャッシュの増減額を把握できる上に、期末時点でどの程度のキャッシュがあるか予想することができます。
このように、キャッシュフロー計算書を作成すると損益計算書では見えない細部にわたって会社の収支情報を得ることができるのです。

経営者にとって、キャッシュフロー計算書を見るのは辛いことかもしれません。

それは、否応なく会社の現実を突きつけられるからです。
しかし、これから目を背けるような経営者が運営する会社は、数年後フリーキャッシュフローがプラスになる可能性はあまり期待できません。

 

フリーキャッシュフローの考え方

フリーキャッシュフローがプラスかマイナスかは、会社の状況を見る重要なポイントになります。大きくプラスとなっている場合、資金に余裕があるといえます。

一般的に、フリーキャッシュフローはプラスである方が好ましいですが、マイナスだったからといって、必ずしもその会社が経営困難に陥っているわけではありません。

プラスの場合

・新規事業や既存事業拡大のための投資

フリーキャッシュフローがプラスであれば、新規事業の創出や既存事業拡大への投資が可能です。
フリーキャッシュフローを原資に、事業を大きくして利益を上げることを目指します。そこでフリーキャッシュフローが順調に増えれば、また新たな新規事業の創出や投資をすることができ、良い循環を生み出します。

・ 株主への分配

フリーキャッシュフローが増えれば、その分株主への還元ができ、株主との関係性を強化させることが可能です。
株主との関係性を強化することは安定した経営に欠かせないため、効果的な活用方法といえるでしょう。

・借入金返済

金融機関からの借入金返済にもフリーキャッシュフローは活用できます。
借入金が減ることで自己資本比率が高まるため、安定した経営に繋がります。また、返済によって利息負担を軽減することが可能です。

マイナスの場合

フリーキャッシュフローがマイナスの状態が続けば、金融機関から借入を増やしたり、資産売却をするなどして資金の調達をしなければなりません。
また借入額が増えれば自己資本比率が下がり、安定した経営を続けることが難しくなります。

・積極的投資

今後の成長を見込んで、設備を大量に購入した場合や、新規事業のためにオフィスを増築した場合などは、キャッシュフローがマイナスでもそれほど心配する必要はありません。
投資したのにまだ資金が回収できていないのですから、そうなるのが当たり前です。

この場合は経営が暗礁に乗り上げてマイナスになったのとは違って、将来の事業拡大のために投資した結果ですから、将来フリーキャッシュフローがプラスに転じる可能性が高いのです。このため、企業のフリーキャッシュフローを見る場合は、数年にわたってチェックする必要があります。

また、フリーキャッシュフローの計算結果だけを見るのではなく、その会社が大きな設備投資をしていないかを見て、総合的に判断することも大切です。

特に設備投資もしていないのにフリーキャッシュフローがマイナスになっていれば、本当に経営難に陥っている可能性が高くなります。

 

キャッシュフローを増やして経営を安定させる

フリーキャッシュフローとは、会社が得た利益の中で、自由に使える現金のことを指します。

フリーキャッシュフローが多いほど会社の経営が安定している優良企業ということになります。資金に余裕ができ、新たな融資も受けやすくなり、借入を早期に返済できるなどプラスの面が多くなります。

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執筆者情報

執筆者の写真

小山 昇 / 株式会社武蔵野 代表取締役社長

1948年、山梨県に生まれ、東京経済大学卒業。
1977年、株式会社ベリーを設立し社長に就任。
1989年、現職に就任。
1990年、株式会社ダスキンの顧問に就任。
1992年、顧問を退任し現在に至る。

全国の経営者でつくる「経営研究会」主催。
株式会社武蔵野は2000年日本経営品質賞、2010年国内初日本経営品質賞2度目の受賞。

現在パートナー会員750社以上の会員企業をアドバイス。
日本経営品質賞受賞の軌跡、中小企業のIT戦略、実践経営塾、実践幹部塾と、全国で年間1900回以上のセミナーを行っており、訪問社数も年間約120社を超える。

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