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株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/07/01 12:00

経営

パルスサーベイとは?意味や実施するメリットをわかりやすく解説

読了まで約4分

従業員と信頼関係(エンゲージメント)を構築するには、まず従業員が抱えている不安や悩みを知らなければなりません。
そこで役に立つのが「パルスサーベイ」です。

パルスサーベイとは、従業員を対象としたアンケート調査の一種です。
「現在の体調は良好か」「職場の人間関係は良好か」といった簡単な設問を通じて、従業員満足度をチェックできます。
パルスサーベイは調査コストがほとんどかからず、自社だけで実施できるのも特徴です。

この記事では、パルスサーベイの基本知識や、パルスサーベイを実施するメリットについて解説します。

パルスサーベイとは?

パルスサーベイ(Pulse Survey)とは、従業員を対象としたアンケート調査(=従業員サーベイ)の一種で、従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)をチェックできる調査手法です。

パルスサーベイの特徴は、脈拍(Pulse)のように、毎週・毎月といった短いスパンで、繰り返しアンケート調査を実施し、絶え間なく変化していく社員や現場の状況を調査できる点にあります。
現在の従業員の状態をリアルタイムに定点観測でき、メンタルヘルス対策や従業員エンゲージメントの強化といった施策をスピーディーに実行できます。

「センサス」との違いは?リアルタイムな分析ならパルスサーベイを

従業員満足度を調査するため、これまで「センサス(Census)」という手法も使われてきました。
パルスサーベイとセンサスの違いは次のとおりです。

年に1回の大規模調査であるセンサスと違い、パルスサーベイは週に1回または月に1回と短いスパンで実施するのが特徴です。
設問数もパルスサーベイの方が少なく、5〜10問程度であることがほとんどです。

センサスは、集計から分析までに時間がかかり、問題発見に時間がかかることがデメリットです。
従業員の状態を多面的に分析できるのがセンサス、リアルタイムに分析できるのがパルスサーベイと覚えておきましょう。

 

パルスサーベイが役立つ3つのビジネスシーン

パルスサーベイは主に以下の3つのビジネスシーンで使われています。

  • 新しく雇った人材のオンボーディング
  • 既存社員の定期的なストレスチェック
  • 新たな人事施策の効果を検証する

パルスサーベイを実施すれば、従業員の状態の変化を週次・月次の短いスパンで調べ、定点観測することが可能です。
そのため、新卒社員や中途社員が問題なく適応できているかを確認するオンボーディング(人材定着)や、既存社員のメンタルヘルスチェックに活用されています。
また、新たな人事施策を取り入れたタイミングでパルスサーベイを実施すれば、すみやかな効果検証が可能です。

 

パルスサーベイを行う3つのメリット

パルスサーベイを取り入れることで、次の3つのメリットが得られます。

顧客満足度をリアルタイムで把握できる

パルスサーベイは従業員満足度をリアルタイムにチェックできます。

「長時間労働が常態化していないか」「従業員は現在の業務や職責に満足しているか」「職場の人間関係の問題が起きていないか」など、従業員の不満や悩みをすばやく把握し、職場環境改善につなげることが可能です。

従業員自身が自分を振り返る機会が増え、自己分析や自己改善に役立てられることもメリットです。モチベーションの向上にもつながるでしょう。

エンゲージメント構築に活かせる

従業員エンゲージメントの構築には、まず従業員の不満や悩みを知る必要があります。

米国のコンサルティング会社が実施した調査によると、従業員エンゲージメントと業績指標には高い相関関係があり、エンゲージメントスコアが高い企業ほど、生産性・売上・利益率・顧客評価のスコアも高いことがわかっています。[注1]

従業員エンゲージメントの構築に取り組みたい企業は、パルスサーベイによって従業員満足度を定点観測し、人事施策に反映させていくことが大切です。

[注1] 経済産業省:平成30年度 産業経済研究委託事業(企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)

他の調査方法と比べて調査費用が低い

パルスサーベイは他の調査手法と比べて、調査コストが低いのもメリットです。
センサスのような大規模調査を実施する場合、リサーチ会社に依頼するのが一般的です。
調査コストは数十万円〜数百万円に及び、企業によっては大きな経済的負担を強いられます。

しかし、パルスサーベイは設問数5〜15問程度と比較的小規模な調査であり、自社だけで簡単に実施できます。
人事領域でのITツールの開発が進んだこともあり、パルスサーベイの実施をサポートするソフトウェアやクラウドアプリケーションなども登場しています。

従業員満足度の調査を行いたいが、あまりコストはかけたくないという場合、パルスサーベイが最適です。

 

パルスサーベイ実施の流れ

実際にパルスサーベイを実施する際の流れをステップに分けてご紹介します。

1.調査の目的を明確にする

まず初めに、なぜパルスサーベイを実施するのか、動機と目的を明確にします。

どういった場面で活用したいのか、自社の弱みや改善点は何か、現状の課題を洗い出し深掘りしましょう。
従業員満足度を効率的に改善するために、まずは目的を明確にする事が重要です。

2.質問項目の設定

目的を明確にしたら、目的に合わせて質問内容を決定します。

例えば、生産性を向上したい場合には「今の仕事内容に満足か」「チャレンジしたい職種があるか」といった質問が設定できます。

メンタルヘルス対策をしたい場合には、「仕事にやりがいを感じているか」「しっかり睡眠は取れているか」といった質問が設定できます。

実現したい目的に関連して、必要な質問のみを厳選するようにしましょう。

3.調査の実施

質問項目が決まったら、実際に調査を実施します。

実施前には、パルスサーベイを行うことを従業員に告知しましょう。
業務の合間に受けてもらうよう、回答期間や回答方法、所要時間など、回答者が迷わないような丁寧な周知が大切です。

4.調査結果の分析と対策

調査実施後には、集計作業と分析を行います。ここではスピード感をもって進めましょう。

調査結果をもとに、良かった点は継続・強化、悪かった点は対策と再発防止に努め、組織改善の取り組みや個別のフォローなど、対策を施しましょう。

回答率が低い場合には、適切な運用が難しくなるため、回答率を下げないような工夫が必要です。

 

パルスサーベイを実施し、従業員エンゲージメントの構築を

従業員との信頼関係(エンゲージメント)を構築するうえで、従業員の状態をリアルタイムに把握できるパルスサーベイは非常に役に立ちます。

重要なのは、パルスサーベイの結果を受けて、どのように職場環境を改善していくかという点にあります。
パルスサーベイを通じて従業員の不安や悩みを分析し、人事施策に反映させていくことが大切です。

株式会社武蔵野では「経営計画書」や「環境整備」を通して社員教育を行うことで、従業員満足度の向上に努めています。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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