中小企業の業績を最短距離で伸ばすなら株式会社武蔵野の経営コンサルティング

株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/01/30 13:00

経営

人材育成

管理職の定義とは?求められる能力や役職の種類も解説

読了まで約4分

管理職とは、組織を率いて事業目標や売上に責任を持ち部下を管理する存在です。
そのほかにも、現場の統括や労務管理、人材の育成など、企業運営における重要な役割を複数担っています。

適性のある優秀な管理職を配置することは、組織づくりにおいて必要不可欠です。
優秀な管理職とは、どのような特性を持った人材なのでしょうか。

本記事では、管理職の定義や種類、どこから管理職なのか、それぞれが持っている役割とは何か、必要なスキルについて解説します。

管理職の定義とは?

管理職とは企業の中で一定の権限を持ち、部署やチームの指揮統括を行ったり、売上の管理を行ったりする役職を持った社員です。

日本企業での一般的な役職というと「本部長」「部長」「次長」「課長」「係長」などがあります。
最近では「ゼネラルマネージャー」「チーフオフィサー」など、英語の役職名を用いる企業も増えてきました。

役署名における職務内容や権限の範囲は、企業によって様々です。
一定の権限を会社から付与されて、人員や予算を管理し、事業目標の達成に責任を持っている存在ととらえるといいでしょう。

役員との違い

役員とは、会社経営の責任を負う役職を持った社員です。
会社法上で定義される役員は「取締役」「会計参与」「監査役」の3つで、経営方針や事業目標の策定、会計の監査などを行います。

一方の管理職は、役員が決定した経営方針や事業目標に従い、その実現のために現場や予算を動かす存在です。

一般職との違い

部下がいる管理職の場合は、部下の管理が重要な仕事の一つといえます。
仕事の内容や進捗を把握・指示することはもちろん、チームのモチベーション管理も担います。

それに対し、管理職の指示に従って、日常業務を遂行するのが一般職社員の役割です。

ある程度、自己裁量で動ける管理職と違い、一般職は基本的に上司の指示や許可を仰ぐ必要があります。

また一般的に、管理職には残業や休日出勤に対する割増賃金の支払いがありません。

多くの企業では「管理職=管理監督者」として経営者と一体的な立場にあるとみなされ、労働基準法の規定が適用されないためです。

しかし、深夜労働に対する割増賃金については支払いの対象となっているため、深夜手当は一般社員と同じように支払われます。また管理職と管理監督者は違うため、管理職であっても管理監督者に該当しない場合は、時間外労働時間の割増賃金の支払対象となる点にも注意が必要です。

一方、一般職の社員が時間外労働をする際は手当が発生し、労働時間の上限も規定されています。

参考:厚生労働省『労働基準法における 管理監督者の範囲の適正化 のために

 

管理職(役職)の種類と役割

前述でも少し触れましたが、役職名をつけるのに特段規定は存在しないため、同じ役職名であっても職務内容や権限の範囲は企業によって様々です。
自由度が高いため、ここで紹介している以外にも、独自の役職名を付けている企業も存在します。

ここでは、あくまでも多くの企業が使用している一般的な役職名と役割について紹介します。

経営者の役割や仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
経営者とは?経営者の役割や仕事内容・なり方や求められる素質を解説

本部長

本部長は、各事業部門の最高責任者として事業の成功や売上目標の達成に責任を持つ立場です。

例えば、企業が5つの事業を展開している場合、5人の事業部長が存在します。
事業を統括する存在なので「事業部長」と呼ばれることもあります。

役員ではありませんが、経営方針を理解し、経営層と同じ視点や温度感を持って現場を監督することが求められます。

部長

部長は、各部門を代表し、部署を統括して事業目標に責任を持つ立場です。
事業部門では「営業部」「マーケティング部」、管理部門なら「経理部」「人事部」といった部署が存在すると思いますが、部長はその代表者ということです。

英語では「ゼネラルマネージャー」という役職が部長と近いポジションになります。
本部長と同様に、役員ではないものの経営者と同様の視点を持って事業を推進し、組織を統括することが求められます。

次長

次長とは、部長を補佐するポジションです。
部長の業務をサポートしつつ、部下を管理する役割も担っています。

もし部長が急に退任や退職するような事態が起こった場合、次長が代理して部長のポジションに就くことが多くなっています。

課長

課長は、部署の中に存在する「課」を代表する存在です。

課の業務が円滑に進むよう全体を統括し、目標を達成させることが役割となります。
また、一つ下の役職である「係長」を取りまとめることも役割のひとつです。

英語では「マネージャー」のポジションが課長に近いでしょう。

係長

係長は、課長の下で「係」を取りまとめる役割です。
数人で構成されるチームを統括する「チームリーダー」のようなイメージが近いかもしれません。

プレイヤーとして高い成果をあげてきた社員が、最初に就く管理職でもあります。
肩書としては管理職であるものの、労基法上の「管理監督者」として役職手当を支給するのは課長以上とする企業が多くなっています。

主任

主任は、プレイヤーとして一定のスキルを持ち、成果を収めた社員が就く役職で、現場のまとめ役として活動します。
「チーフ」や「シニアスタッフ」と呼ばれることもあります。

現場のメンバーを取りまとめる役割は担っているものの、管理職ではないとするのが一般的です。
将来的に管理職に就く社員の第一歩として、チーム統括やメンバーのサポートが任されます。

店長

会社の役職ではありませんが、管理職のひとつとして店長の仕事を紹介しましょう。

店長は、飲食店や小売店などの店舗で責任者となる存在で、販売計画をもとに仕入れや店員の採用・育成を行い、売上目標の達成をけん引します。
職務範囲や権限は、店舗の運営方針や直営かフランチャイズかによっても異なります。

 

管理職の5つの役割

組織を統括し、目標達成に向けて社員を導く管理職ですが、具体的にはどんな役割が求められるのでしょうか。
管理職の代表的な役割を解説します。

目標設定

まずは目標設定をします。
組織として何をすべきか、部下やメンバーが一丸となって取り組むことのできる適切な目標を設定する必要があります。

目標は、組織に与えられた使命やミッションをもとに、実現可能な範囲で設定しなければなりません。
あまりにも実現が難しい目標や、簡単に達成できる目標では、部下のモチベーションが低下してしまいます。
また、使命やミッションを無視した目標設定は、達成できても企業から評価されないため、目標としては相応しくありません。

管理職は部下やメンバーが高いモチベーションを維持しながら取り組めて、企業活動に貢献するような目標を設定することが求められます。

業務の管理

一つ目に、チーム全体の業務を管理をする役割があげられます。
自身が所属する部署やチームの目標達成に向けて、タスクの割り振りや進捗管理、人員配置、予算管理などを行います。

加えて、チームの現状を分析して、業務プロセスの改善や新しいツールの選定・導入などを行うことも重要です。
チームの状況を常に把握し、成果を明確にし、より効率的に目標を達成できるよう、環境を整備することもミッションのひとつとなります。

業務の改善

業務改善も、管理職が担うべき重要な仕事です。
現状抱えている課題を解決することは一般社員には困難な部分も多く、管理職だからこそできる仕事といえるでしょう。
今取り組むべき課題に気づき、解決方法を論理的に考えたり、他部署と調整したりすることが求められます。

労働時間の管理

チーム内の労働環境を整備し、働きやすさを向上させることも大切です。
部下が安心して業務に臨めるよう労働時間の管理や衛生面の管理、福利厚生が適切に利用できているか気を配ることなどが具体的な業務です。

特に、働き方改革が推進されている昨今において、労働時間の管理は最重要の責務です。
労働基準法で規定されている労働時間の上限や休憩時間、36協定における残業時間の規定を正確に把握し、適正な労務管理を行わなくてはいけません。

人材育成・管理

部署で求められる人材要件を確立し、部下を教育して必要なスキルや能力を身に付けさせることも役割です。

ただ研修やセミナーを受けさせるのではなく、部下の特性や希望するキャリアを把握し、それぞれに合った指導を行う必要があります。
日頃から企業の方向性や経営方針といった会社の考えを部下に伝え、部下が向上心を持って物事にあたれるように、モチベーションアップを図ることも欠かせません。

そのため、普段から相談に乗るなどコミュニケーションをとり、個性や希望を把握しておくことも大切です。

また、チームメンバーの管理も、管理職の重要な仕事の一つです。
部下が長時間労働を行っていないかの確認や、有給休暇の取得を促したりすることが求められます。

組織づくり

採用要件を満たした優秀な人材を集めれば、高い成果が出せる組織になるわけではありません。
大きな成果を出すには、チームが一体となって同じ目標に向かう組織力が重要です。

管理職は、チームメンバーが協力し合う土壌を作り、組織力を高めることも求められています。
組織力を高めるためには、経営目標を共有し、方向性を揃えることが重要です。

メンバーと管理職が関わり合いを持つ場を積極的に作り、企業理念や経営目標を定期的に共有すると効果的です。

経営層の理念を浸透させる

経営層と現場で働く社員の間に立つことも管理職の役目です。
経営目標や事業目標といった大きな目標を達成するためには、現場が一体となって目標に向かう姿勢が必要です。

しかし、社員からすると経営層は遠い存在に感じられ、経営目標を自分事として考えていない社員も多くいます。
経営層が掲げる理念やビジョンを噛み砕いてわかりやすく説明し、自分たちの仕事が社会的にどのような意義を持っているのか理解させると現場の士気も一層高まるでしょう。

 

管理職に求められるスキル

現場を率いてリーダーシップを発揮しなければいけない管理職には、「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つが必要とされています。
それぞれがどのようなスキルなのか、詳しく解説していきます。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、円滑な人間関係を構築する力です。

部下や経営層からの信頼を得て、スムーズなコミュニケーションを取り、協力関係を築く能力ともいえます。
コミュニケーションを取るだけではなく、リーダーシップを取り成果を上げることや部下のモチベーションを高めることも必要です。

また、管理職は他部署の管理職やクライアントの経営者など様々な人物とコミュニケーションをとり、人間関係を構築しなければいけません。

昨今の労働市場ではダイバーシティが重視されていることから、人材の多様性も増しています。
多種多様な価値観や属性を持った人々と関係を築く必要に迫られることから、管理職には特にヒューマンスキルが重要なのです。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、業務遂行に必要な技能や知識のことをいいます。

営業職なら自社商品の知識や販売テクニック、経理職なら簿記の専門知識や会計ソフトの操作スキルなどです。
また、マネジメント能力や人事評価能力などは、管理職なら共通で身に付けておきたいテクニカルスキルといえます。

テクニカルスキルは、現場に近い管理職ほど重要性が高まるスキルです。

係長や主任などのポジションでは特に求められており、部長などの上位職種ほどヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルが重視されます。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキルは「概念化能力」とも呼ばれるスキルで、たくさんの経験や知識をもとに、物事を論理的・合理的に考えて、本質を見抜く力のことをいいます。コンセプチュアルスキルを持っていると問題の原因特定や課題発見、業務の効率化などに活かすことができるのです。

組織や個人の特性を見極めてポテンシャルを引き出し、生産性を向上させることが得意となるため、経営層や人事担当者などの職種で特に重視される能力です。

 

管理職に向いていない人

ここでは管理職に向いていない人の特徴について解説しましょう。

管理職は、組織をまとめてチームを発展させるマネジメント能力が必要です。
そのため、チームを引っ張り成功へと導くマネジメント能力がない人は、管理職に向いていません。

人に指示を出すことが苦手な人や、スピードでの意思決定ができない人も、管理職への抜擢は避けるべきでしょう。

また、指導スキルがない上司の元では、部下のモチベーションが上がらず成長が期待できません。
部下とコミュニケーションを取り、部下が育つまでじっくりと指導し、育成させるスキルが必要です。人に教えることが苦手な人、不得意な人は管理職に向いていません。

パワハラやセクハラなどハラスメント行為が見られる方は、管理職にしてはいけません。後に問題になるようなことがあれば、企業としてのイメージダウンは免れません。

 

管理職を育成し組織改革を進めよう

本記事では、管理職の役割やスキルについてご紹介させていただきました。
経営層と現場の間に立ち、チームを率いて業務を推進する管理職は、会社の業績にも影響を与える重要なポジションです。

チームを管理・統括するだけでなく、部下の育成や労務管理など、組織運営に関わる様々な役割を担っています。

また、チームと円滑な人間関係を築くコミュニケーション能力だけでなく、業務に必要な深い知識や問題解決能力なども求められます。
適性を見極めて、最適な人員配置を行うようにしましょう。

株式会社武蔵野では、「経営計画書」と呼ばれる会社の数字・方針・スケジュールをまとめた手帳型のルールブックを社員教育の道具として活用しています。
会社(=社長)の価値観を浸透させていくための道具として活用していくことで、社長の理念や経営方針が社内に浸透していきます。

「幹部に関する方針」では、役職の種類毎に基準や役割を明記しており、迷った時の指針となっています。

社員教育に力を入れ、強い組織を作ってきた株式会社武蔵野の根幹にある経営計画書を、無料でお試ししてみませんか?

ご興味のある方は、ぜひこちらからダウンロードしてください。

執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

武蔵野のサービスに
ご興味が出てきた方

CONTACT