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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/01/09 11:22

人材育成

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人材ポートフォリオとは?重要視される理由や作成目的・手順を解説

読了まで約4分

社内の人材タイプやスキルなどを分類し、可視化させた人材ポートフォリオは、経営課題を解決する方法の一つとして大きな注目を集めています。
人材ポートフォリオを作成して理想と現実のギャップを把握すれば、適切な雇用や配置転換がしやすくなるでしょう。

本記事では、人材ポートフォリオの概要、重視される理由、作成の目的などを整理して人材ポートフォリオの作り方や活用事例をお伝えします。
人材開発、人事配置を見直したいと考えている経営者の方はぜひ参考にしてください。

人材ポートフォリオの意味

人材ポートフォリオとは、自社にいる人材をそれぞれが持つスキルやキャリア志向などからタイプ別に分け、可視化したものです。
人材ポートフォリオを作成して各部署・チームにどのような人材が何名いるのかを把握し、人的資本の構成を明らかにすれば企業経営に役立てることが可能です。

従来、ポートフォリオとはデザイナーやプログラマーのようなクリエイティブ人材がご自身の実績をまとめたものを指す言葉として使われていました。
また、金融商品を運用する際の保有資産の構成比を指す言葉としても流通しています。

本記事で取り上げている人材ポートフォリオとは、経営戦略に基づいて配置された人的資本の構成内容を意味しています。

 

人材ポートフォリオが重要視された背景

近年、企業活動において人材ポートフォリオが重要視されるようになったのはなぜでしょうか?
本記事では、人材版伊藤レポートの「人的資本経営」の発表や、人的資本系系の情報開示義務、少子高齢化による労働人口減少の3つの視点で解説します。

「人材版伊藤レポート」人的資本経営が注目されたため

人材版伊藤レポートとは、2020年9月に経済産業省が発表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」の通称です。
人材版伊藤レポートは、人的資本経営への取り組みや、人材戦略にかかわる経営層や投資家の役割の検討などを盛り込んだ研究報告書となっています。

人材版伊藤レポートでは、コロナ禍で進んだリモートワーク・ハイブリッドワークなどの新しい働き方や、社会のDX化、脱炭素化を議題に上げつつ、社会情勢の大きな変化の過程で企業経営の在り方も変化すべきと唱えています。
具体的には、人材を「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の経営資源の一つとして捉えるのではなく、ヒトを「人的資本」として捉え、投資対象とすべきという主張です。

企業の人的資本をいかに高めていくか、人的資本情報を社会にどう開示していくべきか議論が始まったことから、人材ポートフォリオにも注目が集まることになったのです。

人的資本の情報開示が義務化されたため

人的資本の情報開示が義務化されたことも、人材ポートフォリオに注目が集まった背景の一つです。

2018年12月、国際標準化機構(ISO)は、「人的資本に関する情報開示の国際的なガイドライン(ISO30414)」を発表し、2020年8月には米国証券取引委員会が上場企業を対象に人的資本の開示を義務化しました。

従来、投資家が企業投資を行う際は財務情報を重視していましたが、ESGの重要性が高まる中で、人的資本の情報公開をする運びとなりました。
なお、ESGとは環境(environment)、社会(social)、ガバナンス(governance)の頭文字をとった用語で、Socialの中に人的資本が含まれます。
財務諸表では判断できない、非財務情報をもとに、企業の中長期的な価値をはかっていく動きが活性化していることが、人材ポートフォリオの注目につながっているといえます。

少子高齢化・労働人口の減少

急速に進む少子高齢化による労働人口の減少は、日本のあらゆる業種で慢性的な人材不足を生み出しています。
この傾向は今後さらに加速すると予測されており、労働人口の減少が企業経営に与える影響は深刻化していくでしょう。

労働人口の減少を簡単に食い止められない以上、企業は今いる人材、すなわち人的資本の活用に力を入れなくてはなりません。
いかに既存社員の力を引き出すのか、今いる人材にどのような可能性があるのかを確認する上で、人材ポートフォリオの把握は必要不可欠です。

人材ポートフォリオを通して、既存社員のスキルやキャリア志向を見える化し、企業に不足している人材を把握しながら、少子高齢化の現代を生き抜いていかなければならないのです。

 

人材ポートフォリオを作成する目的

人材ポートフォリオはただ作成すれば効果を得られるわけではありません。
代表的な人材ポートフォリオ作成の目的を3つ取り上げ、解説します。自社で人材ポートフォリオの作成に取り組む際の参考にしていただければ幸いです。

自社の人材を可視化する

人材ポートフォリオの作成の目的は、自社の人材を可視化することです。
具体的には、正規雇用と非正規雇用者の割合、職務内容、スキルや保有スキルなどの能力、人となりや性格、キャリア志向や成長意欲といった項目を整理していきます。

全部署、全社員の人材ポートフォリオを作成し、データ化することで分析がしやすくなり、漠然としていた自社の強み・弱みや特徴も見える化することが可能です。

適材適所の人材配置

適材適所の人材配置を実現させるのも人材ポートフォリオを作成する目的の一つです。
社員一人ひとりのスキルやキャリア志向を把握して、適性を生かして人材配置を行えば、最小の人員で最大の効果を生み出せる可能性も高まります。

あらゆる業種で人材不足が慢性化しつつある現在において、適材適所の人材配置は企業価値の最大化を実現するうえで欠かせないポイントです。

また、適材適所の人材配置は企業側だけではなく、社員にとっても大きな意味があります。
自身のスキルやキャリア志向に合わせた配置が実現すれば、モチベーションがアップし、業務に対する意欲も高まるでしょう。
結果として生産性向上や離職率の低下など企業のさらなるメリットにもつながります。

社員のキャリア支援・リスキリング

社員のキャリア支援やリスキリングを行うために、人材ポートフォリオを作成するケースも考えられます。
働き方改革やコロナをきっかけに、より一層、多様な働き方が社会で求められています。
価値観が多様化する中で、キャリアパスも一変通りではなくなり、個々にあわせたキャリアアップのフォローやリスキリングが重要度を増しています。

社員にあわせたキャリア支援を行うためには、どの社員がどんな志向を持っているのか、どんな気持ちでどういったキャリアパスを描き、どのようなスキルを身につけていきたいかなど、具体的にデータ化しなくてはなりません。
そのためにも、人材ポートフォリオを作成する必要があると考えられます。

 

人材ポートフォリオの作り方

多くのメリットを持つ人材ポートフォリオですが、具体的な作り方を理解していないと作成しても役に立たないものとなってしまうでしょう。
ここでは人材ポートフォリオを作成する際の流れについて解説します。

活用の目的を定める

作成した人材ポートフォリオをどのように活用するのか、はじめに目的を明確化します。
前述したように、人材ポートフォリオの作成目的は企業によって異なるため、何のために作成するか、必ず言語化をしましょう。
適材適所の人材配置を行うためなのか、社員のキャリア支援のためなのか、目的によって進むべきステップは変わります。

自社に必要な人材要件を定義・分類・分析する

人材要件とは、職務、職種、人物像など自社が求める人材のタイプを表すものです。
人物のマインドや期待する行動のほか、何かに特化したスペシャリストが必要なのか、何でもこなせるゼネラリストが必要なのかなど複数の項目を整理しながら定義しましょう。

そして、定義した人材要件を大きく4つ程度のグループに分類します。
たとえばキャリア志向やスキルによる分類方法は次のとおりです。

  1. クリエイティブ人材(個人志向で創造性が高い)
  2. マネジメント人材(組織志向で創造性が高い)
  3. スペシャリスト人材(個人志向で専門的な分野において創造性が高い)
  4. オペレーション人材(組織志向で定型業務に長けている)

人材要件に照らし合わせて過不足を確認する

分類したグループに自社の社員を当てはめていき、現状把握を行います。
どのような人材が足りないのか、余剰が発生しているのかなど偏りがあるかどうかを確認しましょう。

現状の過不足を確認することで、適材適所の人材配置ができているのかもわかります。
場合によってはモチベーションの低い社員の特定や、生産性が上がらない原因の把握も可能です。

余剰・不足人材に対する打ち手を検討する

作成した人材ポートフォリオを基に、人材の不足、余剰が起こっている部分について打ち手を検討します。
具体的には、可視化された社員のスキルやキャリア志向に基づいて人材配置の見直しを行いましょう。人材配置を再考したうえで人材の過不足がある場合は、新たな雇用計画の立案やキャリア支援の実施を検討します。

 

人材ポートフォリオの活用事例

経済産業省では、人材ポートフォリオの活用事例を公開しています。今回は事例を2社ピックアップして概要を紹介します。

  • KDDI株式会社の事例

KDDI株式会社では、作成した人材ポートフォリオを新たな人材の採用や育成に活用しています。
将来的な事業ニーズを踏まえ、多様な人材の採用・育成を行うことで、事業戦略に沿った適材適所の人材配置を実現しました。

  • 東京海上ホールディングス株式会社

複数の株式会社を傘下に持つホールディングス会社として、優秀な人材の獲得やグローバル経営を実践できる人材育成を目的として、人材ポートフォリオを活用しています。
戦略的な人事制度を実現するため、人材ポートフォリオを最適化し、経営人材の育成に活かしています。

参照:経済産業省

 

人材ポートフォリオを作成して経営課題を可視化しよう

人材ポートフォリオとは、自社にいる人材をそれぞれが持つスキルやキャリア志向などからタイプ別に分け、可視化したものです。
人的資本経営が重要視されるようになった今、自社社員のスキルを最大限に発揮させ、成長をしていくためにも必要な施策の一つとなっています。

また、人材ポートフォリオの作成は、自社人材の課題、ひいては自社の経営課題の可視化にも欠かせません。
ただ、これらの課題を解決するには自社だけで行うには多くの手間と時間を要するため、外部の専門家に頼る方法も検討してみると良いでしょう。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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