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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/01/09 12:36

経営

資金繰り

収益性とは?分析指標や計算式・高めるためのポイントなどわかりやすく解説

読了まで約4分

企業にとって売上は重要な指標の一つです。ただし、どれだけ売上が高かったとしても収益が高くなければ利益は出ません。
そして利益がなければ、新たな商品開発や販路拡大のための投資が難しくなり、更なる収益の低下はもちろん、売上さえも低くなってしまうでしょう。

本記事ではどれだけの利益を得たかを見るための収益性について、売上高や資本を基にした収益性の計算方法、そして収益性を高めるポイントなどについてお伝えします。
事業の収益性に課題を抱えている企業の経営者や代表者の方はぜひ、参考にしてください。

収益性とは

企業にとって収益性とはどのようなものなのでしょうか。
ここでは、収益性の意味や概要、収益性分析を行う際に必要な2つの観点について解説します。

収益性の意味

収益性とは企業が利益を獲得する能力を指します。
投下した資本に対しどれだけの利益を得たかを見るものです。
企業は株主からの投資や金融機関からの借り入れなどで資金を集め、それを資本として商品開発のための設備投資や販路拡大のための営業活動に投じて売上をつくり出します。

そして収益から事業にかかる費用を差し引いた額が利益となりますが、収益性を高めるにはより少ない資本で大きな利益を出さなければなりません。
この少ない資本から収益をつくり出す力もしくは売上から大きな利益をつくり出す力こそが利益を獲得する能力、いわゆる収益性です。

収益性を見るには、売上高を基にする観点、そして資本を基にする観点の2つがあります。

収益性を分析する2つの観点

企業が利益を獲得する能力として収益性があるかどうかを見るには、2つの観点から分析を行う必要があります。
売上から大きな利益をつくり出す能力を見るには売上高を観点とした分析、そして少ない資本から大きな利益をつくり出す能力を見るには資本を観点とした分析です。

また、自社にどれだけの利益を獲得する能力があるかを明確にする場合は、売上高と資本の両方の分析を行わなければなりません。
次の項でそれぞれの具体的な収益性分析の指標・計算式を解説します。

 

売上高を基にした収益性分析の指標・計算式

売上高を基にした収益性分析は、損益計算書を使って計算できます。
損益計算書とは、企業の一会計期間での経営成績を示すものです。
収益と費用を対比し、その差額としてどれだけの利益が出ているのかを見るために使われます。

損益計算書で把握できる収益性分析の指標は「粗利益率」「利益率」「売上高経常利益率」「売上高当期純利益」の4つです。
この4つを算出することで、本業での利益率や営業活動の成果、企業が稼ぐための総合力、そして総合的な収益力を把握できます。

売上高総利益率(粗利率)

売上高総利益率とは粗利率とも呼ばれる指標で、商品やサービスなど企業の主となる営業活動によって得た売上(収入)の利益率を見るものです。
粗利率が高い企業は本業で稼ぐ能力が高いと判断できます。算出方法は次のとおりです。

売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100

ただし、小売業や製造業、飲食サービス業のような業種は競合が多いうえ、販売単価が低く原材料費や人件費などコストが高いのが一般的です。
そのため、粗利率だけでは稼ぐ能力を判断できない場合もあるため、業種によって適切な比率を見る必要があります。

売上高営業利益率(利益率)

売上高営業利益率とは、売上高に対して営業利益が占める割合を示すもので、一般的に利益率と呼ばれる指標です。
なお営業利益とは、売上総利益から人件費や広告費、光熱費などの販売費及び一般管理費を差し引いた金額を指します。
算出方法は次のとおりです。

売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

本業で稼ぐ能力があるかを見る粗利率に対し、利益率は人件費や広告費などが適切に活用されているか、営業活動が利益に反映されているかを見るものです。
ただし、粗利率同様、店舗型で家賃や光熱費がかかる業種や社員を多く必要とする業種などでは、一般的に利益率も低くなります。

売上高経常利益率

売上高経常利益率とは、売上高に対して経常利益が占める割合を示す指標です。
経常利益とは、前述した営業利益に受取利息や受取配当金など営業以外で得た収益を加えた額になります。
算出方法は次のとおりです。

売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

売上経常利益率では、営業利益に営業外利益も加わるため、どれだけの金融資産があるかが加味され、企業が総合的に稼ぐ力を持っているかどうかがわかります。

売上高当期純利益率

売上高当期純利益とは、売上高に対して当期純利益が占める割合を示すものです。
当期純利益とは、税引き前の当期純利益から法人税や住民税、事業税などを差し引いた額になります。
算出方法は次のとおりです。

売上高当期純利益率(%)=当期純利益÷売上高×100

売上高当期純利益は1年間の決算時で最終的に企業に残った利益を指します。
金融資産が多い企業では本業がマイナスであっても売上高当期純利益がプラスになるケースも少なくありません。

逆に利益率が高くても営業外収益でマイナスになってしまう場合もあります。
そうした意味で売上高当期純利益率は企業の総合的な収益性を判断するための指標といえます。

 

資本を基にした収益性分析の指標・計算式

ここまで収益性を見る2つの観点のうち、売上高を基にした場合の指標と算出方法を見てきました。
次に資本を基にした収益性分析の指標と算出方法を解説します。

ROE(自己資本利益率)

ROEとは、Return On Equityの略称で自己資本利益率と訳され、企業の自己資本に対して当期純利益が占める割合を示す指標です。
なお自己資本とは株主から集めた資金と株主の持ち分として蓄積されている利益の合計額で、会社が返済する必要がない資本(お金)になります。
算出方法は次のとおりです。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

ROEでは効率的に自己資本を活用して収益を上げられたかを把握でき、基本的に経営者と株主が別人である上場企業での収益性を見るのに適した指標になります。

ROA(総資本利益率

ROAとは、Return On Assetsの略称で総資本利益率と訳され、総資産に占める当期純利益の割合を示す指標です。
ROEが返済する必要のない自己資本のみで見る指標であるのに対し、ROAは借入金(他人資本)も含め、すべての資本に対する収益性を見る指標になります。
算出方法は次のとおりです。

ROA(%)=当期純利益÷総資本×100

ROAは企業が集めたすべての資本を使って得られる収益性を見るための指標となります。主に中小企業の収益性を見るのに適した指標です。

総資本回転率

総資本回転率とは、総資産が効率的に売上を生み出しているかどうかを見るための指標です。
具体的には投資・販売・回収を1サイクルとして、1年間に何回のサイクルを回せたかを見ます。なお総資本回転率の算出方法は次のとおりです。

総資本回転率(回転数)=売上高÷総資産

例えば、売上高1000万円で総資本500万円というA社の総資本回転率は以下のとおりです。
1000万円÷500万円=2回転

一方、売上高1000万円で総資産200万円のB社の総資本回転率は以下です。
1000万円÷200万円=5回転

以上のことから、売上高は同じでも回転率が大きいB社の方がA社よりも少ない資本を有効的に活用できていると言えます。

自己資本回転率

自己資本回転率とは、自己資本が効率的に売上を生み出しているかどうかを見るための指標です。
総資本回転率と同様に、投資・販売・回収を1サイクルとして算出します。算出方法は次のとおりです。

自己資本回転率(回)=売上高÷自己資本

自己資本回転率も数字が高いほど効率的に自己資本の運用ができているといえるでしょう。
ただし自己資本には借入金が含まれないため、例えば、多額の借入金を使って投資を行えば必然的に自己資本回転率が高くなる可能性があります。
そのため、自己資本回転率の数字だけで判断してしまわないよう注意が必要です。

 

企業の収益性を高める3つのポイント

企業の収益性を高めるにはさまざまな施策が求められますが、そのなかでも重要なポイントは次の3点です。

  • 算出したデータの比較・分析を行う
  • 売上向上のための取り組みを強化する
  • 変動費の見直し・改善を行う

ここでは、それぞれについて解説します。

1.算出したデータの比較・分析を行う

収益性を高めるには、これまで紹介した計算式で指標を数値化することが重要ですが、現状認識をするだけで終わってしまっては意味がありません。
必要なのは数値化されたデータの比較・分析を徹底し、収益性を高めるための仮説を立案して実行に移すことです。

具体的な比較・分析の例として、同業種の平均値と自社の数値を比較するとよいでしょう。
ただしその際は必ず同じ指標で比較する必要があります。
現在、財務諸表を作成するルールも日本では4種類あり、企業によって異なるケースも少なくありません。

一般的には日本会計基準が用いられますが、海外取引が多い企業では、米国会計基準や国際会計基準(IFRS)、J-IFRS(日本会計基準と国際会計基準の中間)を用いている可能性もあります。
会計基準が異なると適切な比較ができないため注意が必要です。

その他、自社の前年同期比や時系列で指標から算出した数値の推移を見るのもおすすめです。
指標の数値が下がっていれば対応策を検討する、上がっていれば再現性を高めるための施策を検討します。

2.売上向上のための取り組みを強化する

収益性を高めるために必要なのは売上高の向上です。
売上高の向上を実現するには営業力の強化が欠かせません。具体的には自社の営業プロセスの見直しが必要です。

現状の営業活動プロセスを可視化させ、課題点を抽出したうえで解決策を検討します。
顧客情報や営業手法の情報が共有されていない、適切なシステムの導入がされていないなど具体的な課題を見つけて解決することで営業力は大幅に強化されるでしょう。

3.変動費の見直し・改善を行う

売上高の向上と同時に取り組む必要があるのが変動費の見直しと改善です。
変動費を削減できれば利益率が向上するため、結果として収益性の向上にもつながります。変動費を見直す主なポイントは次のとおりです。

  • 仕入価格の見直し
  • 適正な在庫管理

仕入価格の見直しで原材料費を抑えられれば変動費の削減が可能です。
まずは現在の取引先と交渉を行い、場合によっては仕入先の切り替えも検討します。
製造業や小売業では在庫管理ができていないことで無駄な変動費がかかってしまうケースも少なくありません。
在庫管理ルールの策定や管理システムの導入により適正在庫を実現することが変動費削減につながります。

 

収益性分析を適切に行い自社の経営戦略につなげよう

収益性とは企業が利益を獲得する能力であり、投下した資本に対しどれだけの利益を得たかを見るものです。
少ない投資で大きな利益を上げるもしくは売上から大きな利益を上げることができる企業は利益を獲得する能力が高く、収益性の高い企業といえます。

収益性を高めるポイントは、売上高や資本を基にした収益性分析の指標から算出したデータの比較をする、売上を高めるための施策を実施する、変動費の見直しを行うなどです。

ただし、これらをスムーズに実行するには、そもそも企業の数値目標を明確にしておかなければなりません。
そこで重要となるのが企業の数字や方針、スケジュールをまとめた経営計画書です。
「経営計画書」を正しく活用することで会社の課題を改善し、会社の成長につなげられます。

良い商品やサービスを展開しているのに利益が出ない、と言った経営者の悩みを解消する重要なツールです。
経営計画書に数値目標を記載することで収益性を高めるためのモチベーションアップにもつなげられます。

株式会社武蔵野では、「経営計画書」の無料お試し資料をプレゼントしています。
適切な収益性分析を実現させるためにもぜひご活用ください。

執筆者情報

執筆者の写真

小山 昇 / 株式会社武蔵野 代表取締役社長

1948年、山梨県に生まれ、東京経済大学卒業。
1977年、株式会社ベリーを設立し社長に就任。
1989年、現職に就任。
1990年、株式会社ダスキンの顧問に就任。
1992年、顧問を退任し現在に至る。

全国の経営者でつくる「経営研究会」主催。
株式会社武蔵野は2000年日本経営品質賞、2010年国内初日本経営品質賞2度目の受賞。

現在パートナー会員750社以上の会員企業を指導。
日本経営品質賞受賞の軌跡、中小企業のIT戦略、実践経営塾、実践幹部塾と、全国で年間1900回以上のセミナーを行っており、訪問社数も年間約120社を超える。

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