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株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/10/25 14:05

経営

新しいビジネスモデルを成功させるには?事例とアイデア・ポイントを詳しく解説

読了まで約3分

企業が継続的に成長を続けていくには既存事業を守ることも重要ですが、同時に新たなビジネスモデルを成功させることも欠かせないポイントです。
市場の動向やお客様の変化に対応するには、常に柔軟な体制づくりをしていくことが求められます。
新しいビジネスモデルの構築は、10年先20年先に向けた成長の実現にも大きく貢献するでしょう。

本記事では、改めてビジネスモデルの概要を理解したうえで、新しいビジネスモデル構築の考え方や事例、アイデアについて解説します。
ぜひ参考にしてください。

そもそもビジネスモデルとは

ビジネスモデルとは、企業や個人が利益を生み出す仕組みを指します。
具体的にはお客様に商品やサービスを提供し、その対価として金銭を受領して収益を上げるものです。

ひと口にビジネスモデルといってもその種類は多様で、広告収入モデル、代理店モデル、単発販売モデル、サブスクリプションモデルなどが挙げられます。
同じような製品・サービスでもビジネスモデルにより差別化が可能です。

たとえば、高額な業務システムを単発販売モデルからサブスクリプションモデルにすることで、これまではリーチできなかった顧客にもアプローチできる可能性が高まります。

自社の状況やお客様のニーズに合わせたビジネスモデルの創出が継続的な成長につながっていくといえるでしょう。

 

新しいビジネスモデルを構築する4つの考え方

新しいビジネスモデルを構築する際には、次に挙げる4つの考え方が求められます。

1.Who(顧客は誰か)
2.What(顧客にどんな価値を提供するのか)
3.How(どのようにして提供するのか)
4.Why(なぜ利益に結びつくのか)

ここではそれぞれの概要について解説します。

1. Who(顧客は誰か)

4要素の1つ目は、顧客(ターゲット)は誰かです。
これまでの自社製品・サービスを購入・利用している既存顧客をターゲットとするのか、それとも潜在顧客をターゲットにするのかを明確にしましょう。
また、既存・潜在に関わらず、顧客が属する母集団を軸に想定しても構いません。

ターゲットを明確にすれば、提供すべき価値や提供する方法も可視化され、新たなビジネスモデルの構築もしやすくなります。

2. What(顧客にどんな価値を提供するのか)

ターゲットを明確にしたら、次は顧客に対しどのような価値を提供するのかを決定します。
この場合の価値とは顧客が製品・サービスを購入・利用する理由です。競合他社にはない、自社だけの強みを生かし新たなニーズを生み出すことが求められます。

既存顧客をターゲットとした場合の例として挙げられるのは予防歯科です。
従来、虫歯にならないと来ない顧客に対し、虫歯を予防するために通院するという新たな理由を創出し、利用回数の増加を実現しています。

新規顧客をターゲットとした場合の例として挙げられるのはコンビニジムです。
高い入会金や月謝、トレーニングウェアの購入などを排除し、低価格かつ普段着で気軽に利用できるようにすることで新たな顧客獲得につなげています。

3. How(どのようにして提供するのか)

顧客に対し価値をどのような形で提供するのか、その仕組みや手段を決定します。
たとえば、新鮮な食材を使ったデザートを提供するのであれば、店頭販売がよいでしょう。
そこにいかないと購入できないというのは大きな価値になります。

逆に特定の地域でしか購入できなかったものをオンライン販売により日本のどこからでも購入できるようにするのも新たな価値の提供手段として効果的です。

また、提供方法が異なれば、集客や広告手法もそれに合わせて最適化する必要があります。
全国販売で認知獲得が必要な場合はマス広告を利用するとよいでしょう。
特定の地域だけで販売するのであれば、折り込みチラシやSNSなどの活用が考えられます。

4. Why(なぜ利益に結びつくのか)

新たなビジネスモデルを構築するうえで、利益を得る方法の創出は重要な要素だといえます。
どのようなビジネスモデルであれ、利益を得られなければ企業として継続していくことはできません。
そのため、どのような形で利益を生み出すのかについて徹底して考える必要があります。

ポイントとなるのは、継続的に利益を得られる仕組みの構築です。
短期的に利益を得られても先細りになってしまうようではビジネスとして成立しないため、長期的な視点で検討を重ねることが求められます。

たとえば、安く仕入れて高く販売することで利益を得る、製品自体は安価で販売しメンテナンス料で継続的に利益を得るなど、どのポイントで利益を得るかを明確にしましょう。

 

新しいビジネスモデルの事例とアイデア

新しいビジネスモデルで成果を上げている事例を見てみましょう。
どれも革新的なアイデアにより、新たな価値の提供を実現しています。

広告費ゼロのインサイドセールス

従来のビジネスモデルでは、製品・サービスを販売する際、認知を高める手段として広告を活用するのが一般的でした。
しかし、近年では広告費をかけない新たなビジネスモデルが登場しています。

たとえば、ある自動車メーカーではF1参戦で認知度向上を目指しており、それ以外には一切、広告宣伝を行っていません。
その戦略が大きな価値を生み出し、ほかの自動車メーカーに比べ高い利益率を実現しています。

また、あるEV(電気自動車)のメーカーでは、広告宣伝はもちろん、セールスマンやディーラー店舗もありません。
各エリアにインサイドセールスアドバイザーを配置し、購入希望者がオンライン上で車両の見積もりから注文を行う際の問い合わせに対応するだけです。

インサイドセールスアドバイザーは値引き交渉をせず、定価販売を貫くことで高い利益率を実現しています。

コロナ禍で急速に会員数を増加したオンライン学習サービス

あるオンライン学習サービスでは、小中高生を対象に月額1,980円の定額料金で、映像による授業やダウンロード可能な問題集の提供で急速に会員数を伸ばしました。

コロナ禍で塾に通えなくなったことも会員数増加の要因と考えられます。
しかし、それ以上に対面の塾に比べて安価で利用でき、全国の学習塾や予備校の講師と提携した4万本以上の授業コンテンツを用意したことが人気の理由です。

新型コロナ感染拡大時に多くの学校が休校になった時に、学校向けの団体契約制度を設けたことも会員数増加の大きな要因といえるでしょう。
学校向けの管理機能、教師と生徒のコミュニケーション機能を充実させたことで新たな需要を獲得しています。

ロボット化されたネットスーパーの物流設備

従来のネットスーパー事業は、広告宣伝費や人件費を抑え、ピッキングや宅配に投資することで利益を生み出してきましたが、その利益率は決して高くはありません。

そこでピッキングにかける投資を極力抑え、利益率向上を目指したのがロボットを活用した次世代ネットスーパー事業です。

ネットスーパー運営システムを世界の大手スーパーチェーンに提供する企業では、ロボットが物流施設(フルフィルメントセンター)を自走し、最大5分間で50件の注文対応を可能にしています。

また、同社は自社のネットスーパー事業において、商品配送の車両とドライバーを自社で保有して最短翌日配送を実現。
時間帯による変動料金制により、配達時間の偏りを防ぎ発送業務の効率化を達成しています。

顧客心理に基づいた価格導入モデル

業種にかかわらず、原材料や人件費の高騰は利益率を下げる要因ですが、単純に値上げをすれば客離れが起こり、さらなる利益の減少を招くおそれがあります。

そこで、アメリカのあるスタートアップ企業では、レストランにおいて価格設定による需要の変化をデータ分析し、最も収益が高くなる価格最適化のアルゴリズムを開発しました。

このアルゴリズムを導入した宅配レストランでは、需要が高い時間帯は価格を下げ、需要が少ない時間帯に価格を上げることで38%の売上向上を実現しました。
顧客心理に基づいた価格設定という新たなビジネスモデルにより、投資家からも大きな注目を集めています。

 

新しいビジネスモデルを成功させるポイント

新しいビジネスモデルを成功させるにはいくつかのポイントがあります。
そのなかでも欠かせない2つのポイントを解説します。

参入するタイミングを考える

製品・サービスには「開発期・導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」という4つのライフサイクルがあります。
これから新たなビジネスモデルを持って参入する際は、「成長期」にタイミングを合わせるのが最適です。

製品・サービスが市場で認知を得たら一気に普及するタイミングとなるため、新規参入でも売上をつくれる可能性が高まります。

ただし、開発期・導入期では認知が十分でないため、新規参入は困難です。
また、成熟期から衰退期のタイミングでは、仮に売れたとしても短期で需要がなくなってしまう可能性が高いため、継続的に利益を上げるのは難しいでしょう。
「成長期」を基本的な参入タイミングとしつつ、自社製品・サービスに適したタイミングを詳細に検討することが重要です。

既存のビジネスモデルを新しいビジネスモデルに反映する

新しいビジネスモデルを成功させるには、既存のビジネスモデルを新しいビジネスモデルに反映させるのがおすすめです。
その理由としては次の2点が挙げられます。

・既存ビジネスの知見や経験を活かせる
既存ビジネスで得た知見や経験を新規ビジネスに活かせるため、スムーズな参入が可能です。
すでに顧客からの信頼も得ているため、初期段階から利益を上げられる可能性も高まります。

・新規参入コストを抑えられる
既存のビジネスモデルを新しいビジネスモデルに反映させれば、新たな設備の購入やシステムの導入も抑えられるため、新規参入コストの削減が可能です。

 

新しいビジネスモデルを成功させるには経営計画書の活用がおすすめ!

企業が継続的に成長を続けていくには、既存ビジネスを育てつつ、時代や顧客の変化に合わせ柔軟に新しいビジネスモデルを創出していくことが重要です。
誰に何をどのように提供し、何で利益を得るのか、この4要素を明確にし、自社に合ったビジネスモデルを生み出しましょう。

新しいビジネスモデルを成功させるポイントは長期的な視点で継続的に利益を生み出す仕組みづくりです。
これを実現させるために欠かせないのが経営計画書です。

経営計画書の作成により、企業が3年後5年後に「どのように歩んでいるのか、顧客に対してどんな価値を提供する会社になっていたいのか」を明確にできるため、どのようなビジネスモデルが必要なのかも自ずと見えてくるでしょう。

株式会社武蔵野では、経営計画書の無料お試しを実施しています。
ぜひご利用ください。

執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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