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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/10/20 15:00

経営

企業の経営戦略に役立つフレームワーク10選!それぞれの強みや弱みとは?

読了まで約3分

経営戦略は企業活動の方針を示すものですが、競合企業に打ち勝つにはフレームワークによる分析が大切です。
そこでこの記事では、企業の経営戦略に役立つフレームワークを紹介します。
注意点についても合わせて解説するので参考にして下さい。

この記事を読むことで、フレームワークの種類や特徴を理解し、自社の経営戦略にふさわしいフレームワークを理解できるでしょう。

経営戦略の立案・策定に必要なフレームワークとは?

自社にあった経営戦略の立案、策定を行うには、フレームワークを活用することが有効です。
まずは、フレームワークの概要と活用のメリットについて解説します。

フレームワークの概要

経営戦略を策定するには内部環境と外部環境を分析する必要がありますが、その分析に役立つのがフレームワークという枠組みです。
枠組みの中に客観的な情報を入れることで、自社の経営課題や方向性を分析し検討できるため、経営戦略をロジカルに組み立てるベースになります。

フレームワークは企業規模や事業内容を問わず有益ですが、後述する3C分析、SWOT分析、ファイブフォース分析、VRIO分析など様々なフレームワークが存在するため、目的に合わせて選択しましょう。

フレームワークをビジネスに活用するメリット

フレームワークをビジネスに活用することで、思考時間が短縮し、考えるべき順番がわかり、適切なアウトプットができるというメリットがあります。
そもそも自社に対する認識は人によって差があります。

経営戦略を考える際、内部環境のイメージに一定の指標がなければ、全体的なまとまりを欠くかもしれません。
分析結果にばらつきがあれば、適切なアウトプットにも支障が生じます。
フレームワークを利用して客観的に分析することで、複数人に共通の認識が生まれ、統一性がある経営戦略の策定につながります。

 

企業の経営戦略に役立つ代表的フレームワーク10選

企業の経営戦略に役立つ代表的な10のフレームワークを紹介します。

3C分析

3C分析とは、対象を自社、顧客、競合に分けて内部環境と外部環境を分析するフレームワークです。
対象となるのは営業とマーケティング部門で、「実際に市場で競争優位を勝ち取るため」の事前分析ツールとなります。

自社分析によって自社の強みと弱みを洗い出し、顧客分析によってターゲット層の価値観を把握し、競合分析によってライバル企業の市場シェア率などがわかります。

3C分析はシンプルで使いやすいという強みがある一方、変化のスピードが早い業界では定期的に内容を見直さなければなりません。
次のSWOT分析と合わせて使用することで、流動的な要素も含めて分析しやすくなります。

3C分析についてはこちらの記事をご参照ください。
3C分析とは?意味や必要性・やり方・事業戦略に活用するコツを解説

SWOT分析

SWOT分析とは、内部環境として自社の強みと弱み、外部環境として自社を取り巻く機会と脅威の4つを分析するフレームワークを指します。
ボトルネックになりやすい外部環境分析を慎重に行った後、外部環境の結果を踏まえて内部環境を分析することが大切です。

SWOT分析によって自社内外の状況を把握できるだけでなく、分析結果が社内の共通認識につながるという強みがあります。
一方、外部環境分析に時間がかかる場合、実際の状況とかけ離れた結果になるケースもあるため注意が必要です。

SWOT分析についてはこちらの記事をご参照ください。
SWOT分析とは?意味や方法・活用目的などを紹介

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは、新規参入業者、代替品、買い手、売り手、競合他社の5つの要素を分析するフレームワークです。
外部環境における自社の優位性を理解できます。

ファイブフォース分析によって競合企業とのパワーバランス、売り手と買い手の関係性、市場参入や撤退のタイミングを把握できるという強みがあります。
一方、分析項目が多いため時間がかかり、競合が多い業界では情報収集を徹底する必要があるという点は弱みといえます。

3C分析と同じように、変化のスピードが早い業界では、短期間で状況が変化するリスクもあるでしょう。

VRIO分析

VRIO分析とは、経済価値、希少性、模倣可能性、組織の4つの内部環境を分析して自社の強みを客観的に把握するフレームワークです。
他のフレームワークでは希望的観測によって自社の強みを誤信する懸念がありますが、VRIO分析は真の強み発見につながるうえに、組織体制の見直しが可能です。

一方、大幅な技術革新が起これば模倣可能性は変化しますし、「何を対象物にするか」によって経済価値の判断が困難になる点はデメリットといえます。

VRIO分析についてはこちらの記事をご参照ください。
VRIO分析とは?メリットや問題点・やり方や事例をわかりやすく解説

4P分析

4P分析とは、製品、価格、流通、販促の4つの項目を分析することで、マーケティング戦略に活用できるフレームワークです。
4P分析によって自社の強みと弱みを把握することで、マーケティングの優位性を高める効果が期待できるでしょう。
ただし分析結果が主観的になりやすい点には注意が必要です。

たとえば自社製品のブランド力を過信しすぎたり、価格に競争力があると誤信したりすると、顧客ニーズから離れた結果となり、その後のマーケティング活動に支障が生じるケースも考えられます。

そのため、4P分析を上手に活用するには、自社による主観的な視点だけでなく、顧客による客観的な視点も重視することが大切です。

PEST分析

PEST分析(ペスト分析)は政治、経済、社会、技術の進化という4つのマクロ環境を分析するフレームワークです。
「外部環境が自社にどのような影響を与えるか」という視点から将来予測や参入領域を考えることができます。

ただし、業種や業界によっては外部要因が膨大なため、どこまで踏み込んで分析するかによって使いやすさが変わり、自社の努力では解決できない要因も多いため、場合によっては分析結果が参考にならない可能性があります。
PEST分析の項目が多岐に渡る場合は、他のシンプルなフレームワークと組み合わせて使うと良いでしょう。

PEST分析についてはこちらの記事をご参照ください。
PEST分析とは?やり方や注意点・環境分析できるフレームワークを解説

STP分析

STP分析はフィリップ・コトラーが提唱したフレームワークで、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つを分析します。
セグメンテーションによって市場を細分化し、ターゲティングで参入市場を決定、ポジショニングは自社の立ち位置の明確化につながります。

STP分析を行うことで顧客ニーズの整理、自社プロモーション戦略の明確化、他社との差別化につながる一方、多角的な視点で市場規模を考慮しなければ効果的に活用できない点には注意が必要です。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、 Do(実行)、 Check(評価)、 Act(改善)の4つを回して効果測定する手法です。

主にビジネスシーンで使われますが、経営戦略のブラッシュアップにも役立ちます。
ただしPDCAサイクルは新しいアイディアを生み出すというよりも、「既存のものをさらに良くする」という要素が強いため、ゼロから経営戦略を策定する際は使いづらいでしょう。

PDCAサイクルを回しても効果が薄い場合、元々の経営戦略を見直す必要があるかもしれません。

PDCAサイクルについてはこちらの記事をご参照ください。
PDCAサイクルをうまく回すコツは?4つのステップやメリット・デメリットを解説

基本競争戦略

基本競争戦略はマイケル・ポーター教授によるフレームワーク理論です。

企業が生き残るためのポジショニングとして、コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つが提唱されています。
どの戦略を重視するかで強みと弱みは異なります。

たとえばコストリーダーシップ戦略は資金力に余裕がある企業にとって強みになりますが、資金に余裕がない企業には難しいでしょう。
差別化戦略は独自製品を手掛ける企業にとって強みとなりますが、模倣可能性が高い商品を扱う企業には難しい可能性があります。

このように企業のポジショニングから経営戦略を考えるのが基本競争戦略です。

7S

7Sとは、企業には3つのハードな経営資源と4つのソフトな経営資源があると捉え、それら7つの資源をもとに個々の企業に最適な事業戦略を考えるフレームワークです。
マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱し、「7S分析」「マッキンゼーの7S」とも呼ばれています。

いくら社員の教育を行っても、それを支えるシステムや組織構造、戦略がなってなければ組織のパフォーマンスは上がりません。
組織が7つの要素を元に分析を行い、課題を明らかにすることで、組織の問題に気付くことができます。

7Sについてはこちらの記事をご参照ください。
組織マネジメントの7Sとは?構成する要素やスキルなどをご紹介

 

フレームワーク活用の注意点

経営戦略にフレームワークを役立てるには、適切な使い方をする必要があります。
間違った使い方をしてしまうと効果が得られないだけでなく、誤った分析結果が出てしまう可能性があるため注意が必要です。

そこで、フレームワークを活用する際の注意点を解説します。

フレームワークはあくまでも分析手段である

フレームワークは種類が多く奥が深いため、人によってはフレームワーク自体を極めたいと思うかもしれません。

しかし最終的な目標は経営戦略の策定であるため、手段と目標を取り違えないように注意しましょう。
フレームワークの活用はあくまでも分析手段として活用する必要があります。

また、経営戦略を策定する方法はフレームワークに限りません。
たとえば、会議でブレインストーミングを行ってアイディアをまとめる方法もあるでしょう。
フレームワークによる分析手法が全てではないため、依存しすぎない程度の活用が大切です。

自社の目的や事業内容等に合ったものを選ぶ

フレームワークの種類は多いですが、その中から自社の目的や事業内容に合ったものを選ぶ必要があります。
なぜなら、どのフレームワークを活用するかによって分析結果が異なるからです。

たとえば、内部環境よりも外部環境を重視するならファイブフォース分析やPEST分析が良いでしょう。
自社の強みを発見するなら4P分析やアンゾフのマトリクスといった選択が考えられます。
場合によっては複数のフレームワークを組み合わせることも必要です。

 

自社に合ったフレームワークを選んで経営戦略の達成を

フレームワークによる内部環境と外部環境の分析は経営戦略の策定に効果的です。
ただし、フレームワークの種類は多岐に渡ります。
大切なのは、自社に合ったものを適切に使用するという意識です。

さらにフレームワークを深く理解したい場合は、しっかりとしたノウハウを得ることを検討しましょう。

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  • 経営戦略の策定に必要なものは?

    自社に合った経営戦略の立案・策定を行うには、フレームワークを活用することが有効です。様々なフレームワークを目的に合わせて選択しましょう。
    詳しくはこちらをご覧ください。

  • フレームワーク活用の注意点とは?

    間違った使い方をしてしまうと、効果が得られないだけでなく、誤った分析結果が出てしまう可能性があります。フレームワークはあくまでも分析手段であり、自社の目的や事業内容に合ったものを選びましょう。
    詳しくはこちらをご覧ください。

執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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