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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

2022/06/22 15:51

ランチェスター戦略とは?弱者が強者にビジネスで勝つポイントをわかりやすく解説

ランチェスター戦略は販売競争を生き残るために用いられているマーケティング理論です。
しかし「名前は聞いたことがあるが、いまいち内容がわからない」という企業経営者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ランチェスター戦略の概要や法則、活用方法、マーケットシェア率、ランチェスター戦略を成功に導くポイントをわかりやすく解説していきます。

 

ランチェスター戦略とは?

ランチェスター戦略とは、どのような概念なのでしょうか。
ランチェスター戦略の具体的な内容に入る前に、ランチェスター戦略の目的と誕生した背景について詳しく解説します。

ランチェスター戦略の目的

ランチェスター戦略は日本発祥のビジネス理論です。
企業間の販売競争で生き残る方法として「強者と弱者それぞれの立場で勝利するにはどうすればよいのか?」の分析を目的としています。

業界リーダーの大企業だけではなく、ヒト・モノ・カネ・情報のような経営リソースに乏しい中小企業にこそ、ランチェスター戦略は大きなメリットがあります。
弱者の戦略を積極的に駆使した結果、業界リーダーのポジションを獲得した企業も存在しており、現代の日本でも幅広く活用されている理論といえるでしょう。

つまりランチェスター戦略とは、強者の戦略に限らず、弱者でも利用できるマーケティング戦略の1つなのです。

ランチェスター戦略が生まれた背景

そもそもランチェスター戦略(ランチェスターの法則)はマーケティング理論ではありません。
イギリスの航空大学のエンジニアであるフレデリック・ランチェスターが第1次世界大戦時に提唱した数理モデルです。

数理モデルの内容を簡単に説明すると「勝利を決定づける要因には兵力数と武器の性能があり、武器の質が同等であれば兵力の差によって勝ちが決まる」というものです。
その後、第2次世界大戦中にコロンビア大学の数学教授であるバーナード・クープマンによって軍事戦略に発展し、やがて日本でマーケティング理論として広がりました。
現在もランチェスター戦略を応用した経営理論が数多く存在しています。

 

ランチェスター戦略には2つの法則がある

ランチェスター戦略には第一の法則である「弱者の戦略」と第二の法則である「強者の戦略」が存在します。
それぞれの内容について解説します。

ランチェスター第一法則【弱者の戦略】

ランチェスター第一法則は接近戦や局地戦であり、限定的なエリアで剣、斧、弓矢など原始的な武器を使用する戦闘を想定しています。
つまり、一騎打ちで狭い範囲、至近距離による戦いとして以下の計算式が成り立ちます。

戦闘力=武器効率×兵力数

武器効率の質が変わらなければ兵力数で上回る側が勝利し、兵力数が変わらなければ武器効率の質で上回る側が勝利する、という法則です。

たとえば以下2つのグループがあるとしましょう。

  • Aグループ=兵力数4人、武器効率2
  • Bグループ=兵力数3人、武器効率3

この場合、Aグループの戦闘力は「兵力数4人×武器効率2=8」。
一方、Bグループの戦闘力は「兵力数3人×武器効率3=9」です。

このように、AグループよりもBグループの兵力が劣っているにもかかわらず、武器効率に優れたBグループのほうが戦闘力は上回る結果となります。

ランチェスター第二法則【強者の戦略】

ランチェスター第二法則は広大なフィールドを想定した戦いであり、小銃やマシンガンのような近代兵器を使用する戦闘を想定しています。
つまり、集団対集団で広範囲、遠隔戦による戦いとして、以下の計算式が成り立ちます。

戦闘力=武器効率×兵力数の2乗

第一法則との違いである「兵力数の2乗」に注目して、先ほどと同じ以下の例で比較してみましょう。

  • Aグループ=兵力数4人、武器効率2
  • Bグループ=兵力数3人、武器効率3

第二法則の場合、Aグループの戦闘力は「兵力数4人の2乗×武器効率2=32」。
一方、Bグループの戦闘力は「兵力数3人の2乗×武器効率3=27」です。

第一法則では武器効率に優れたBグループの戦闘力のほうが上でしたが、第二法則においては、兵力数に勝るAグループのほうが戦闘力は高くなります。
接近戦や局地戦と異なり、広範囲の遠隔戦では兵力数がより重視されるということです。

 

ランチェスター戦略の活用方法

ランチェスター戦略の第一法則と第二法則について解説しましたが、ビジネス上、どのように活用すればよいのでしょうか。
ここでは、それぞれの活用法について説明します。

ランチェスター第一法則の活用

ビジネスにおける第一法則の武器には商品やブランド力があり、ビジネス上の一騎打ち、局地戦、接近戦には次のような意味があります。

  • 一騎打ち=競合企業を1社に絞ったり、極めて少数のライバルしかいない市場や顧客にターゲットを絞ること。
  • 局地戦=限定したビジネス領域や地域を狙って自社の経営リソースを注ぎ込むこと。
  • 接近戦=競合企業と直接的に戦わず、顧客との距離を縮めて接触頻度などの回数を増やし、顧客に自社の印象を植え付けること。

このように第一法則では社員数や売り場面積によるライバル企業との戦いを避け、商品やブランド力によって企業価値の向上を図ることが大切です。

ランチェスター第二法則の活用

ビジネスにおける第二法則の兵力には社員数、売り場面積、豊富な資金力などがあり、ビジネス上の確率戦、遠隔戦、広域戦には次のような意味があります。

  • 確率戦=競合ひしめくマーケットや併売率の高い顧客を狙ったり、商品数の増加や新製品のリリース期間を早めるなど、弱者に付け入る余地を与えないこと。
  • 遠隔戦=豊富な資金をもとに広告宣伝を行い、顧客とのファーストコンタクト以前に自社認知度をアップして指名買いにつなげること。
  • 広域戦=意図的に大きな市場でビジネスを展開し、品揃えや資本力などによって他の企業を圧倒すること。

このように第二法則では一騎打ちや局地戦、接近戦を打ち消し、圧倒的な資金力によって同質化競争に持ち込むミート戦略が基本になります。

 

ランチェスター戦略の強者と弱者を決定づけるマーケットシェア率

ランチェスター戦略が定義する弱者と強者を決めるのはマーケットシェア率です。
業界1位の企業のみが強者であり、それ以外の企業は弱者となります。
ここでは、マーケットシェア理論とシェア率の目安について解説します。

マーケットシェア理論とは

マーケットシェア理論とは、業界内の占有率を示す指標として、ビジネスで使用されている言葉です。
主に特定したマーケットの総売上高に対し、個別企業の売上高の割合をもとに決められます。
マーケットシェア率が高い企業は市場におけるポジションが強く、ビジネス活動を有利に進められるという特徴があります。

なお、ランチェスター戦略における強者とは、市場占有率1位の企業のみを指し、2位以下の企業は全て弱者です。
ただし市場ごとの指標なので、Aという市場では弱者でも、より細分化したBという市場では強者という可能性があります。
たとえば、幼児向けおもちゃ業界全体のシェア率では弱者でも、積み木に限定すれば強者になるケースも考えられるということです。

市場で1位を取るために必要なシェア率の目安

特定の市場でトップに立つために必要なシェア率の目安には「上限目標値」「安定目標値」「下限目標値」の3つがあります。
上限目標値のシェア率は73.9%です。

1社が7割以上を占有している状況なので、2位以下の企業とは大きな開きがあります。
大規模なマーケットで上限目標値を達成している企業はごくわずかです。

安定目標値は41.7%です。
占有率自体は4割程度と過半数を超えていないものの、安定目標値を達成した企業は独走状態を実現しやすいといわれています。

下限目標値は26.1%です。2位の企業と僅差のケースが多く、安定性に欠けるものの、まずは目指したい数値です。

 

ビジネスでランチェスター戦略を成功に導くポイント

ビジネスにおいてランチェスター戦略を成功に導くには「ニッチな市場で1位になる」「足下の敵を攻撃する」「顧客やエリアを限定して攻める」の3つがポイントになります。

ニッチな市場で1位になる

メジャーな市場で大企業に勝つのは難しいため、1位を狙うならニッチな市場にターゲットを絞るほうが成功しやすいでしょう。
小さな1位をコツコツ積み重ねることで実績が生まれ「○○商品の売上ランキング1位」などの客観的な証明を得られれば、対外的にアピールすることも可能です。
市場認知度のアップはシェア率の向上につながるため、新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客に対しても新製品を告知しやすいでしょう。
ランチェスター戦略ではニッチな市場で1位の実績を作り、その後に別市場を狙ってビジネスを展開する、という流れが大切です。

足下(そっか)の敵を攻撃する

足下の敵攻撃とは、自社よりもマーケットシェア率が高い企業ではなく、すぐ下の企業を狙うほうが効率よくシェアの拡大につながるという考え方です。
自社よりも占有率が高い企業は製品力、ブランド力、顧客認知度に優れたケースが多く、ビジネス的に勝てるかどうかはわかりません。
自社のリソースを割いても消耗戦に陥り、結果的にシェアを奪われる可能性もあります。
一方、足下の敵は戦いやすいため、ライバル企業から自社に顧客が流れ、効果的にシェアを拡大しやすいというメリットがあります。

顧客やエリアを絞り集中的に攻める

弱者が強者に勝つには、顧客や地域といった攻めるポイントを分散せず、1つに絞って集中的に取り組むことが重要です。
複数の市場を同時に奪おうとしても、経営リソースが分散して効率的に戦うことはできません。
前述したように第一法則の戦略では、一騎打ち、局地戦、接近戦がポイントになるからです。

一方、限定した市場を狙うことで経営リソースを集中できるため、効果的にシェアを広げられる可能性が高くなるでしょう。
ただし「1つの市場に焦点を絞り続けるのは難しい」という見解もあるため、ファーストステップとして顧客や地域を絞りながら、徐々に市場範囲を広げていくことがポイントといえます。

 

ランチェスター戦略を効果的に取り入れるなら経営計画書の作成も重要

ランチェスター戦略は第一法則(弱者の戦略)と第二法則(強者の戦略)にわかれます。
第一法則は商品やブランド力によって市場を絞る戦略。第二法則は社員数や豊富な資金力などによるミート戦略です。

マーケットシェア率には3つの目標がありますが、まずは下限目標値の26.1%を目指すとよいでしょう。
実際にランチェスター戦略を成功に導くには、ニッチな市場で占有率1位を目指し、顧客やエリアを限定して足下の敵を攻めることが大切です。

ランチェスター戦略を効果的に導入する場合、自社に合った経営計画書の作成が重要です。
経営計画書の作成や環境整備、人材育成などの経営哲学を学びたい方は、株式会社武蔵野の『経営計画書』を参考にしてください。

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