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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/05/31 15:00

経営

SWOT分析とは?分析例・意味や方法・活用目的などを紹介

読了まで約5分

SWOT(スウォット)分析はマーケティング戦略を立てる場面で活用することが多いですが、企業の経営環境を分析する目的で活用する場面も増えてきました。
企業の強み・弱みを正しく分析して経営に活かすためには、内部環境だけでなく競合他社や顧客といった外部環境にも目を向けることが大切です。

本記事ではSWOT分析の意味や目的、具体的な活用方法についてわかりやすく解説します。
外部環境・内部環境を整理する方法も紹介するので、SWOT分析を行う際には参考にしてみてください。

SWOT分析とは

SWOTの読み方は「スウォット」と読みます。

SWOT分析とは、内部環境・外部環境それぞれのプラス面やマイナス面を多面的に分析した上で、課題の解決につなげていくフレームワークの一つです。
マーケティング領域で活用されることが多いですが、市場に目を向ける共通点があるため経営分析にも活用できます。

ちなみに「SWOT」とは、4つの要素の頭文字をつなげた言葉です。

・Strength(強み)
・Weakness(弱み)
・Opportunity(機会)
・Threat(脅威)

社内・社外それぞれの目線でSWOT分析を行うことで、経営上のリスクを洗い出した上で企業の成長につなげられます。
経営者の方は、ぜひこの点を意識しておいてください。

 

SWOT分析の目的

経営者がSWOT分析を行う目的は、ニーズが多様化する市場で生き残るために提供する商品・サービスの差別化を図るためです。

新しい技術を開発した場合を例にすると、自社の製造部門の強み・弱みをSWOT分析で把握した上で、新技術をどのような形で商品化できるかを検討します。
同時に、新商品を販売するチャンスと競争激化のリスクも分析して、商品化に向けて経営戦略を立てていきます。

つまり、SWOT分析は経営戦略とマーケティング戦略どちらにも活用できるのです。
また、経営戦略を推進した結果を振り返るためにSWOT分析を行う場合もあります。

 

Strength(強み)の見つけ方

SWOT分析を進める中で、弱みは簡単に見つかる一方で強みが見つからないという経営者もいるのではないでしょうか。
自社の強みを見つけるためには、競合他社と比較したり従業員の意見を聞いたりするなど、多くの情報を集めることが大切です。
この章では、Strength(強み)を見つけるための3つのポイントを説明します。

競合と比較する

自社ならではの強みを活かして差別化戦略を推進するためには、外部環境である競合他社の商品・サービスを実際に利用した上で優れた点・劣る点を比較してみることが効果的です。
1回の比較で強みが見つからなかったとしても、繰り返し比較することで自社の愛着が強まり、商品・サービスのメリットを発見できるようになります。

口コミや取引先へのインタビューを通じて、他社の管理体制やサービスに関する考え方などの情報収集も可能です。

顧客視点で考える

従業員という立場を離れて「自分が顧客だったら、家族や知人に自社の商品・サービスを勧められるか」という視点で考えてみることも、強みを発見するためには大切な取り組みです。
プロである従業員の立場では当然と考えるサービスでも、一般消費者の視点では満足度が高いということも珍しくありません。

多くの視点で強みを見つけるために顧客にアンケート調査を実施したり、SNSで情報発信して反響を確認したりするのもよいでしょう。

社員の声を聞く

現場で働く従業員にも自社の商品・サービスの強みを率直に聞いてみましょう。
製造・販売・営業といった部門によって強みの考え方は異なり、顧客との接点も豊富であることから意外な情報を得られるかもしれません。
必要な場面で気軽に意見交換ができるよう日頃から現場と積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。

社員だけでなく、顧問税理士など企業に出入りする専門家の知見からアドバイスを求めることも強みを発見する方法の一つです。

 

Weakness(弱み)の見つけ方

経営者は自社への問題意識が高い余り、強みよりも弱みを多く見つけがちです。
弱みと脅威を混同する場面もみられるため、内部環境と外部環境を切り分けて考えるようにしましょう。
強みと同様に多くの意見を集めた上で、本当にWeakness(弱み)なのかを分析する姿勢も大切です。

競合比較や顧客視点で考える

競合他社の商品・サービスを利用して自社にはない強みを探し出してみましょう。
他社の強みは自社にとっての弱みであり、経営課題として改善に取り組むべき事項になります。

自社が決めた基準で提供しているサービスでも、他社と比べると見劣りするという気づきもあるでしょう。
異業種から転職した社員が、自社の商品・サービスの提供体制に疑問を持っている可能性もあります。
強みを探す時と同様に、多様な視点で弱みに関する情報を集めるようにしましょう。

外部環境の脅威と分けて考える

弱みを見つける際は、外部環境である脅威と分けて考えることが重要です。
弱みは内部環境であり、経営戦略の変更や従業員個人の努力で克服できる可能性があります。
一方、脅威は外部環境であり、自社や従業員の努力では変えられない場合が多いのが実情です。

仮に、社会情勢の変化や法律の改定で商品・サービスの提供に制約を受けたとしても、自社に原因はないわけです。
弱みを強みに変えられる可能性も視野に入れて分析してみてもよいでしょう。

 

Opportunity(機会)・Threat(脅威)の見つけ方

Opportunity(機会)とThreat(脅威)はどちらも外部要因です。
自社の経営を有利に進められるか、それとも何らかの影響が及ぶのかを、マクロ・ミクロ両方の視点で慎重に分析していく必要があります。
機会と脅威を見つけるためのポイントを紹介します。

マクロ視点で考える

政治・経済をはじめ社会情勢や技術といった自社の力でのコントロールが難しい世の中の変化については、マクロの視点で幅広く情報を分析していく必要があります。
自社のビジネスにとって有利な変更であれば新たな機会が生まれますが、不利な変更の場合は経営に影響が及ぶので要注意です。

万が一、法改正の情報を入手できないままビジネスを展開し続けると、コンプライアンス面の問題を引き起こす恐れもあります。
自社の経営環境を十分に理解した上で、必要な情報と不必要な情報を見極めながら機会・脅威を区分していく姿勢が重要です。

ミクロ視点で考える

マクロ視点に加えて、消費者の動向や市場ニーズの変化といった自社にとって関連が深い環境をミクロ視点で分析する必要もあります。
一見脅威に見えても、ミクロ視点で考えることで機会に変えられる場合があるからです。

例えば、高級食パンのブームは既存のパン屋にとっては脅威となる一方、高付加価値化をめざす機会が増えたという見方もできます。
言い換えると、経営戦略やマーケティング手法を変えることで世の中の変化に対応できる場合もあるわけです。
顧客や取引先・競合他社の変化を見逃さないよう、ミクロの視点を持ち続けるようにしましょう。

 

SWOT分析の方法

SWOT分析を効果的に進めるためには、経営の中で実現したい目標を明確化しておくことが大切です。
外部環境と内部環境を組み合わせて分析する「クロスSWOT分析」も行えば、企業の現状への理解も深まるでしょう。
SWOT分析の流れについて、具体的に説明します。

目標を決める

SWOT分析を始める前に、内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)に分けて達成したい目標を決めます。
目標を決めずにSWOT分析を始めると分析する課題がはっきりせず、明確な経営戦略を立てるのが困難になるからです。

目標を立てる際は分析したい商品・サービスを特定した上で、内部環境・外部環境それぞれに当てはまる課題を書き出していきます。
その上で、円滑に経営を進めるために重要な項目をピックアップし分析する期間も設定するようにしましょう。

外部環境の整理・分析例

経済の動向や社会情勢・法改正といった情報収集の結果を踏まえて、外部環境として設定した目標を機会と脅威に分類します。
外部環境を整理した結果が内部環境の分析に影響を及ぼす可能性があるので、マクロ・ミクロ両方の視点で多くの情報を収集することが大切です。

競合他社に関する情報や顧客・社員の声もできる限り収集するようにしましょう。
自社に近いミクロの視点で情報を分析するためには3C分析が、マクロの視点で地域社会などの情報を広く分析するためにはPEST分析がそれぞれ有効です。

3C分析

3C分析とは、市場や自社の環境に着目してマーケティングに関する情報を収集した上で目標を具体化するフレームワークです。
先に顧客(Customer)のニーズや市場の動向を分析してから、競合相手(Competitor)の業績や取り組みに関する情報も分析します。

最後に自社(Corporation)の課題を踏まえた目標設定を行います。
経営目標だけでなく、営業所・部署ごとの目標設定にも活用可能です。
市場の動向は社会情勢・経済動向と密接にかかわるので、PEST分析を忘れないようにしましょう。

3C分析について詳しくはこちらの記事を参照ください。
3C分析とは?意味や必要性・やり方・事業戦略に活用するコツを解説

PEST分析

PEST分析とは、3C分析・SWOT分析の精度を高めるために景気・社会情勢の変動や法改正といった外部の環境分析を行うフレームワークです。
PEST分析では、以下の4項目に着目して経営課題の仮説やマーケティング戦略につなげていきます。

・政治(Politics)
・経済(Economy)
・社会(Society)
・技術(Technology)

社会情勢の変化によって生じた経営リスク(脅威)をチャンス(機会)に転換できるかどうかの検討も含まれているのも特徴です。

PEST分析について詳しくはこちらの記事を参照ください。
PEST分析とは?やり方や注意点・環境分析できるフレームワークを解説

内部環境の整理

外部環境の整理ができたら、内部環境として定めた目標を強み・弱みに整理します。
企業や社員の意思でコントロール可能な要素なので商品・サービスの品質や価格などに関するあらゆる情報を収集しましょう。

内部環境を決める際の注意点としては、主観的に決めないことです。
外部環境や競合他社の状況を加味し、できるだけ数値やデータを根拠とした論点で考えましょう。

強み・弱みが競合他社と共通していないかどうかのチェックを忘れないよう注意してください。

なお、内部環境を分析する際は、商品・価格・流通・販売戦略の観点から分析する「4P分析」というフレームワークが有効です。

クロスSWOT分析で戦略を立てる

外部環境と内部環境の整理ができたらクロスSWOT分析を行って、経営戦略を具体化させましょう。
クロスSWOT分析とは強み・弱み・機会・脅威を組み合わせて分析する方法で、以下の4つの組み合わせがあります。

これらのクロス分析をうまく活用することで、自社にとってのチャンスを最大限生かし、またリスクを最小限に抑える戦略を立てることができます。


これらのクロス分析をうまく活用することで、自社にとってのチャンスを最大限生かし、またリスクを最小限に抑える戦略を立てることができます。

 

SWOT分析の企業事例

ここからは、企業のSWOT分析の事例をご紹介します。

①株式会社ニトリ
家具メーカーである株式会社ニトリのSWOT分析の具体例を挙げてみましょう。

②マクドナルド
飲食店からはマクドナルドのSWOT分析の具体例を挙げてみます。

③トヨタ自動車
自動車メーカーである「トヨタ自動車」のSWOT分析の具体例を挙げてみます。

 

SWOT分析を使った自己分析の例

一般的にビジネスで用いられるSWOT分析ですが、就活などで必要とされる自己分析にも有用なツールです。
それぞれの例をご紹介します。

強み(Strength)
・自身の専門知識やスキル
・優れたコミュニケーション能力
・リーダーシップスキル

弱み(Weaknesses)
・不足しているスキルや知識
・時間管理や組織能力の課題
・自己自身の自信や自己評価の低さ

機会(Opportunities)
・新しい技術や業界の成長分野
・教育や研修プログラムの受講
・新しいプロジェクトや挑戦的な任務への関与

脅威(Threats)
・競争激化や市場変動
・仕事やプライベートのバランスの課題
・自己モチベーションの低下やストレスの影響

このようにSWOT分析を通じて、企業だけでなく自分自身の強み・弱み・外部の機会・脅威を明確に把握することができ、企業の採用面接などの自己PRにも役立ちます。

 

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ここまでSWOT分析について、目的や分析を行う方法、気を付けるポイントなどをお伝えしてきました。

SWOT分析では、自社の強み・弱みはもちろん商品・サービスを提供する機会や脅威を把握できます。
分析結果を経営戦略に落とし込んで差別化戦略を推進するためには、競合他社と比較したり顧客・従業員から意見を聞いたりするなど多様な視点をもって準備を進めていくことが重要です。

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