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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/03/04 09:51

働き方

ソーシャルグッドの意味とは?メリットや企業事例も紹介

読了まで約3分

SDGsが世界的な広がりを見せる中、「ソーシャルグッド」という言葉が注目を集めています。ソーシャルグッドは、単なる社会貢献活動ではなく、企業にとっても新たな利益創出の可能性をもたらすものです。

今回は、ソーシャルグッドの基礎知識と企業にもたらすメリットや企業事例、取り組みにおける注意点などを解説します。

ソーシャルグッドとは

ソーシャルグッド(Social Good)とは、自然環境や地域のコミュニティに良い影響を与える活動や製品、サービスなどの総称を指す言葉です。例えば、植林などの緑化活動や地域におけるボランティア活動、フェアトレードによってつくられた製品、そのような製品を選んで買うエシカル消費などが該当します。

これらの取り組みに対して「ソーシャルグッドな○○」のように表現されます。市民活動だけでなく、企業のCSR活動やSDGsに向けた取り組み、プロモーションなど、ビジネスの場でも使われている言葉です。

ただし、何を「ソーシャルグッド」と捉えるかにはさまざまな解釈があり、明確な定義はない点に留意が必要です。地域文化や宗教によっても「グッド」の価値観が異なるため、多様な捉え方が存在しています。

 

ソーシャルグッドとSDGs|注目された背景

ソーシャルグッドという言葉自体は昔から存在しますが、社会的な注目を集めたのは2010年に初めて開催された「ソーシャルグッド・サミット」以降のことです。このイベントは、UNDP(国連開発計画)、マッシャブル(アメリカのソーシャルメディアサイト)、国連財団などが主体となって開始したもので、2012年には日本でも開催されています。

さらに、2016年にはSDGsが始まったことで、ソーシャルグッドがさらに認知度を高めるようになりました。SDGsは、国連総会で2015年9月に合意された、2030年までに達成を目指すべき世界共通の目標です。SDGsによって環境問題や社会問題に対する世間の意識が高まり、ソーシャルグッドの言葉が普及したと考えられます。

 

ソーシャルグッドとCSV・CSRの関係性

CSVとは「Creating Shared Value」の略語で、「共通価値の創造」と訳されます。企業が事業活動を通して社会的課題の解決に取り組み、利益創出と社会活動の両立を目指す考え方です。

企業による社会活動としては、「CSR:Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の言葉が古くから使われてきました。CSRは企業が本業とは切り分けて行う社会奉仕活動という意味合いが強い点が特徴です。

CSVとはビジネスとして社会問題に取り組み、企業利益を拡大させることを目指す点が異なり、昨今ではCSRからCSVに重点を移す企業が増えています。

ソーシャルグッドとCSV・CSRとは、最終的に社会問題の解決を目指す点が共通しています。つまり、企業にとってはソーシャルグッドな商品を生み出すことがCSVやCSRにつながるといえるでしょう。

 

企業がソーシャルグッドに取り組むメリット

ソーシャルグッドな事業や商品を展開するなど、ソーシャルグッドを意識した経営に取り組む企業が増えていますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ソーシャルグッドに対する取り組みが企業にもたらすメリットを紹介します。

企業イメージ・ブランディングの向上

最も大きなメリットとして、企業イメージやブランド力の向上があげられます。昨今はSDGsの広がりから世間的にも社会問題に対する意識が高まっており、消費者から「社会貢献に積極的な企業」というイメージを持ってもらえれば、経営にもプラスの影響がもたらされるでしょう。

また、企業イメージの向上によってブランド力が強まると、自社のファンが増え、業績の向上が期待できます。社会問題や環境問題に興味のある層を取り込むことで、売り上げ拡大にも寄与するでしょう。

社会問題解決への貢献

ソーシャルグッドな製品やサービスを展開すると、社会問題の解決や緩和につながります。また、自社の利益追求に加えて、自社の資源や技術を社会問題の解決に活かそうとする姿勢を持つことで、組織の問題解決力や成長力が高まるでしょう。

より暮らしやすい社会を実現すると共に、自社の企業力向上につながり、長期的な視点での経営が可能になります。

従業員の満足度・帰属意識の向上

「自分の仕事が社会貢献になっている」という意識を感じることで、従業員満足度の向上も後押しします。

さらに、従業員が自社の事業や仕事内容に誇りを感じ、前向きに業務に臨めるようになると、会社全体の生産性アップも期待できるでしょう。生産性が高まれば、業務効率や利益向上にもつながります。

しかし、ソーシャルグッドへの共感を従業員に強要しては、このようなメリットは生まれません。日頃から従業員の価値観や興味のある事柄を企業側が把握しておき、重なる部分の領域でソーシャルグッドに取り組むことが大切です。

ステークホルダーからの評価・投資機会の増大

ソーシャルグッドの視点は、投資の領域にも広がっています。

昨今では、「環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)」の3つの観点から持続的な成長が期待できる企業へ優先して投資を行う「ESG投資」が注目されています。ソーシャルグッドに取り組む企業姿勢を見せることで、ESG投資を重視する投資家や金融機関による投資機会の増大が期待できるでしょう。

また、金融機関は人的資本などの無形資産に着目するケースも増えています。企業が持続可能な成長を続ける上で、物理的資本のみならず、無形資産に目を向けていく過渡期となっています。

他にも、ソーシャルグッドな企業を厳選して投資を行うベンチャーキャピタルも登場しており、ソーシャルグッドへの取り組みと投資は密接な関係であると考えられます。

人材獲得・採用広報への効果

人材採用の分野でも、ソーシャルグッドやSDGs、サステナビリティといったキーワードを軸に募集を行う企業が増えています。

特に、Z世代を中心とした若い世代ほど、社会問題や環境保護への関心が高いといわれています。就職活動において「社会貢献やSGDsに積極的な企業を優先している」という求職者は少なくありません。

「ソーシャルグッドな製品を展開している」という企業イメージが定着していれば、採用活動においてもプラスの効果が期待できるでしょう。

新しいビジネスモデルの開発

ソーシャルグッドへの取り組みが新たな視点を生み出し、新しいビジネスや事業につながった事例も見られます。「自社の技術を社会問題の解決に活かせないか」「どのような商品があれば社会がより良くなるか」といった視点での事業創出が、これまでアプローチしたことのない市場での消費者獲得につながる可能性があります。

また、新たな分野での事業開拓は、新しい取引先との接点創出になります。ソーシャルグッドやSDGsに取り組む企業同士でのパートナーシップが獲得でき、さらに事業創出が促進されるでしょう。

 

ソーシャルグッドの取り組み事例

日用品や生活雑貨の製造・販売を手掛ける企業では、社内に「ソーシャルグッド事業部」を創出し、社員の意識改革を進めています。

同社は、創業当時からソーシャルグッドを意識した製品開発を目指してきました。しかし、国内マーケットの縮小から、地域に貢献して資金循環を生み出さなければ持続的な成長は難しいと感じ、ソーシャルグッド事業部を立ち上げたそうです。

事業部では、地域と連携しながら特産品を扱う市場や食堂を経営し、地域貢献を行っています。最終的には「ソーシャルグッド事業部」という名前をなくし、全社員がソーシャルグッドの考えを持っている状態を目指しているそうです。

 

ソーシャルグッドの注意点

最後に、企業がソーシャルグッドに取り組む際の注意点をまとめます。

効果測定の指標・方法を明確にする

ソーシャルグッドを目指して新たな事業展開や地域活動を行った場合、本当に地域貢献につながったのか、経営にどのような影響をもたらしたのかなど、効果測定が必要です。効果を正確に把握しないと、経営にマイナスの影響を及ぼす可能性も考えられます。

最初に活動のゴールや期待値、測定指標を設定し、効果測定を経て戦略を改善するというステップを繰り返すサイクルを意識して取り組むと良いでしょう。

炎上やトレードオフへの注意

ソーシャルグッドな取り組みを行ったものの、その行為が別の問題を引き起こしてしまうことを「トレードオフ」といいます。例えば「節電をしようと会社のエアコンを切った結果、熱中症になる従業員が発生した」「地域の小学校と連携して稚魚の放流イベントを実施したところ、生態系の破壊につながるという指摘が相次いだ」などの事例があります。

特に、昨今はSNSを通してこのような炎上が拡散されやすく、評判を大きく落とす可能性もあります。新しい取り組みを行う際には、トレードオフに着目してその影響に配慮する姿勢が必要です。

 

ソーシャルグッドを企業経営に取り入れてみよう

ソーシャルグッドへの取り組みは、単に地域社会への貢献になるだけでなく、企業イメージの向上や採用市場における優位性の獲得など、企業にとってもさまざまなプラスの影響をもたらします。新たな事業創出やパートナーシップの開拓などにもつながり、業績の向上が期待できますので、経営戦略や事業戦略にソーシャルグッドの観点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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