更新日:2023/10/06 13:48
採用
内定者フォローとは?基本的な流れや施策・開催ポイントなど詳しく紹介
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少子高齢化の影響もあり、多くの企業で人手不足が慢性化しつつある中、優秀な人材を確保するには多大な手間とコストを要します。
しかし、内定社が入社を前に辞退をすれば、それまでにかけた手間やコストはすべて無駄になってしまうため、企業側がいかにフォローを行うかが内定辞退を防ぐ重要なポイントです。
本記事では、内定者のモチベーションを下げず、入社につなげるためのフォローについて、基本的な流れや施策のポイントをお伝えします。
人材採用に課題を抱えている経営者の方はぜひ参考にしてください。
目次
内定者フォローとは
そもそも内定者フォローとはどのような目的で行うものなのでしょうか。
ここでは、内定者フォローを行う目的とその重要性について解説します。
内定者フォローの目的
内定者フォローとは、企業が内定に対し、内定を辞退せずに入社してもらえるようにフォローを行うことを指すものです。
内定者フォローは、主に採用人事に係わる担当者の主導により、内定者が抱える不安を解消し、企業とのエンゲージメントを高めた状態で入社してもらうことを目的としています。
また、内定者フォローの目的は、入社に関する内定者の不安を解消するだけでなく、入社後の準備や早期退職防止も含まれます。
内定から入社後に渡り、内定者が安心して働けるようにサポートすることが内定者フォローの目的といえます。
内定者フォローの重要性
企業が内定者フォローを重視すべき理由はいくつか考えられますが、その中でも欠かせないものとして2つの理由が挙げられます。
1つ目の理由は、新卒採用の市場が売り手市場となっていることです。
株式会社リクルートが2023年4月に発表した「ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」によると、2024年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.71倍です。
この数字は2023年卒の1.58倍から0.13ポイントの上昇でとなっています。
この結果からも現在は売り手側、つまり学生が有利な売り手市場だといえるでしょう。
単純に学生1人に対し1.8社が内定を出していることになるため、内定を出したとしてもそのまま放置している状態では、他の企業に奪われてしまう可能性が高まります。(※)
※参照:株式会社リクルート「第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」
2つ目の理由は、最終的な入社判断をするのが求職者側にあることです。
企業ができるのは入社内定までであり、内定を受け入れるかどうかは求職者側に委ねられます。
内定が必ずしも入社に直結するわけではないため、内定者に入社意欲を高めてもらうためにも、企業が積極的に内定者にアプローチを行い、フォローをする必要があるのです。
内定者フォローの内容と流れ
内定者フォローの内容は企業によって異なります。
ここでは、一般的に行われている内定者フォローの内容と流れについて解説します。
1.内々定を通知する
内々定とはほぼ内定確定の状況を示すものであり、最終面接を終えて合格を決めた段階を指します。
内々定の通知は最終面接後1週間以内に行うのが一般的です。
最終面接から日を空け過ぎると他の企業への入社を決めてしまうおそれがあるため、早めに行いましょう。
最終面接時にいつまでに連絡をすると伝えておけば、内定者の不安解消につながります。
通知方法はメールや電話で行うケースが多いですが、合格を伝えるだけでなく合格の理由や自社に来てほしい理由なども伝えることがポイントです。
2.内定者に面談を行う
内々定を通知した後は、対面やオンラインで内定者に面談を行います。
内定者への面談は、入社に対する不安や疑問を聞いたり、自社の特徴や入社後のメリットなどを改めて内定者に伝えたりできる重要な機会です。
面談の内容は、合格を祝福した上で、入社までのスケジュールや選考のフィードバック、入社意思の確認などを行います。
内々定承諾書には、法的な強制力があるわけではなく、署名しても辞退される可能性は残ります。
ただし、署名によって自社に入社することを実感してもらえる効果があるため、強制ではないことを説明した上で署名してもらうとよいでしょう。
3.内定者懇親会を開催する
内定者向けのイベントとしてさまざまな方法がありますが、一般的に行われているのが内定者懇談会です。
主に内定者同士や既存社員とのコミュニケーションを図る目的で行われます。
内定者同士でのつながりができれば、共に頑張っていこうというモチベーションを高められるでしょう。
また、既存社員とのコミュニケーションにより、社風や企業文化を理解できるため入社に対する不安解消にもつながります。
開催場所はホテルやレストランで行うケースが多いですが、企業の雰囲気を伝えるために社内で行うのもよいでしょう。
4.内定式を開催する
内定式では、内々定者を集めて正式な内定を通知します。
開催時期は、卒業・修了年度10月1日以降に開催するのが一般的です。
正式に内定を告知することで内定辞退の防止や入社に対するモチベーションアップ、内定者同士や社員間での関係性強化が主な目的となります。
具体的な内容としては、内定書の交付、社長や役員からの訓示、社内施設の見学などです。なお、コロナ禍ではWebセミナーで内定式を実施した企業もあります。
5.事前研修を実施する
事前研修では、入社後の不安を解消するだけでなく、社会人になるための心構えや業務に直結する研修などによる実践的な能力を養うことも目的としています。
研修内容は、ビジネスマナーや業務に関する知識の習得、セキュリティ教育などです。企業によって内容や回数は異なります。
また、eラーニングによる資格取得やWeb勉強会など、地方住まいで会社まで来るのが難しい内定者に対しては、インターネットを活用した研修も可能です。
企業が行っている内定者フォローの施策
前項では多くの企業が行っている一般的な内定者フォローの内容を紹介しましたが、それ以外にもさまざまな内定者フォローの施策があります。
自社で内定者フォローを行う際の参考にしてください。
メルマガ・SNSによる社内報
内定者フォローのポイントとして、継続的に接触を行うことが挙げられます。
直接対面の機会はそれほど多く設定できませんが、メルマガやSNSなどインターネットを活用すれば、継続的な接触が可能です。
メルマガの内容としておすすめなのは社内報です。
社内報により、社内の雰囲気を効果的に伝えられます。
また、SNSを活用すれば双方向でのやり取りができるため、内定者の現状を知る上でも欠かせない取り組みといえるでしょう。
先輩社員との座談会
先輩社員との座談会も内定者フォローとして高い効果が期待できる施策です。
横のつながりがある懇親会のほうがリラックスして自由に話せると思われるかもしれません。
しかし、先輩社員との座談会で入社後の不安や入社後にやってみたいことなど、テーマを決めて話すことで、より深いコミュニケーションが生まれ、先輩社員との関係性強化が期待できます。
ポイントは座談会に参加する既存社員の選択です。
例えば、内定者に自分の働いている姿をリアルに想像してもらうために、内定者と年齢が近い若手社員を選ぶとよいでしょう。
年齢が近い先輩社員とコミュニケーションを図ることで、入社後の意欲や期待を持てるようになります。
社内イベント
内定者の本音を理解し、入社意欲を高めてもらうために社内イベントを開催するのも一つの方法です。
運動会やクリスマスパーティー、バーベキューなどさまざまな社員が参加できるイベントを開催することでコミュニケーションを深められます。
社内イベントはオンラインでも開催が可能です。
オンラインでの社内イベントでもチームを組んで行う対戦ゲームやクイズ大会など、工夫次第で楽しめます。
入社前で地方に住んでいる内定者が簡単に参加できる方法です。その他のオンラインによる施策については次項で紹介します。
オンラインによるコミュニケーション
オンラインによるコミュニケーションは、居住地に関係なく誰でも参加できるだけでなく、対面に比べて緊張せずに聞きたいことが聞ける点です。
また、Web会議やミーティングを行う機会は今後さらに増えていくと予測されるため、オンラインでのやり取りに慣れることができるのもメリットといえるでしょう。
ただし、対面のイベントとは違いオンラインでは、あらかじめテーマを決めておかなければ収集がつかないケースがあります。
例えば、内定者による新商品アイデア発表会や既存商品の販促計画をテーマにした内容を盛り込めば、自社商品への理解を深められるだけでなく、発想力の育成にもつながるでしょう。
合宿研修
合宿研修は、研修を数日間にわたって行う方法です。
研修講師を務める社員や同じ内定者と共に長い時間を過ごすことで仲間意識が強化されます。
長い時間を確保できるため、企業に対する理解を深める研修や、社会人としてのビジネスマナーの習得などに関するより深い内容をカリキュラムに入れられます。
ただし、合宿では移動費や宿泊費などのコストや、必要な人員の確保などを視野に検討することが大切です。
その他、内定者にかかる負担も考慮する必要があります。
内定者フォローを成功させるには
内定者フォローを成功させるためには主に3つのポイントがあります。
1つ目は、定期的な連絡や情報発信を怠らないことです。
内定が決まったものの、企業側からの連絡がないと不安が高まり、定期的に連絡をくれる他社に目移りしてしまう可能性があります。
内定者フォローでもっとも重要なのは内定者の不安解消です。細かい情報発信を心がけてください。
2つ目は、内定者同士や社員との関係性強化を意識することです。
人事担当者と内定者がマンツーマンでやり取りすることも時には必要です。
ただ、入社のモチベーションアップを実現させるのであれば、内定者同士や社員と内定者による関係性強化も欠かせません。
社内イベントや懇親会などの予定を詰め過ぎるのでなく、自由にコミュニケーションを取れる時間も設定し、内定者同士や社員との関係性構築・強化を心がけましょう。
3つ目は、可能な限り社内情報をオープンにすることです。
顧客情報のような機密情報以外であれば、可能な限り社内情報をオープンにすることも重要です。
社員があたりさわりのないことしか話さないようでは、内定者も心を開こうとは思いません。
また、企業側と自分の間に距離を感じて疎外感を持ってしまう可能性もあるでしょう。
内定者は自分たちの仲間という意識を持って接すれば、本音を引き出しやすくなり関係性の構築につながります。
内定者フォローを行い自社に必要な人材の獲得・育成を目指そう
内定者フォローとは、企業が内定を通知した学生に対し、内定を辞退せずに入社してもらえるようにフォローを行うことを指します。
内定者の会社に対する不安を解消し、この企業で働きたいと思ってもらえることが目的です。
また、内定者フォローでは、入社前からビジネスマナーを習得し、仕事に対する意識を高め、社会で働ける人材の育成につなげるといった側面もあります。
内定者フォローは計画的に行うことが重要であり、経営計画の一つとして取り組むことが重要です。
経営計画を作成し、その中に内定者フォローの計画も組み込むことで企業としての成長が実現します。
武蔵野の経営計画書は、企業理念や経営目標、行動指針などが詰まった企業のルールブックです。
社員一人ひとりが常に携帯することで、企業理念や経営方針を浸透させる重要なツールとなっています。
人材育成や教育として内定者フォローにも役立てられます。
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