更新日:2021/09/29 07:30
武蔵野社員の奮闘記
お客様の付き添いで温泉ざんまい!【介護/働き方】
ライフケア事業部府中ステーション マネージャー 竹内英喜
ホームインステッド(現ライフケア)事業で、原則的に店長は現場に入らないことになっています。
店長の役割は、営業とスタッフのマネジメントです。
現場に入るとそれらの業務がおろそかになり、支店全体に悪影響が出かねないからです。
しかし、現実にはどうしても店長が現場に入らざるを得ない場面もあります。
私も、あるお客様に関しては自分でサービスを提供していました。
店長が現場に入らないといけないお客様とは、どんな方だったのか。
女性ではなく男性に介護をしてもらいたいというお客様です。
介護業界は圧倒的に女性が多い業界です。
今私が見ている府中ステーションもヘルパーさんの9割以上が女性です。
これは働き手だけでなく、お客様のご要望によるところが大きい。
利用者さんは「女性のほうが細かいとこまで気がつく」と言って女性ヘルパーを望まれる傾向があります。
そうした声に応えていれば、自然に女性ヘルパー中心になります。
ただ、なかには「男性ヘルパーがいい」というお客様もいます。
「他の女性に世話してほしくない」
「夫の体が大きくて力が強いので、男性ヘルパーさんのほうが安心」など理由はさまざまですが、男性ヘルパーのニーズもあるのです。
私が立川ステーションで担当した認知症のお客様も、男性ヘルパーをご要望でした。
もちろん他に男性ヘルパーがいればお願いするのですが、当時の立川ステーションにいた男性は私だけ。
必然的に私が担当することになったのです。
そのお客様とは比較的長いお付き合いになりましたが、なかでも印象深かったのは旅行のお付き添いでしょうか。
そのお客様は山形に別荘をお持ちで、シーズンになると毎年、山形までご夫婦で数日かけてご旅行されていました。
別荘についた後は、夫婦水入らずでお過ごしになられます。
しかし、道中は奥様だけだと負担が大きい。
そこで私が付き添いをしてサポートしたのです。
なぜこのお仕事が印象に残っているのか。
それは私も一緒に豪華な旅館に泊まることができたからです。
お客様は、私にも一部屋取ってくださいました。
お客様と一緒に大浴場に行って入浴のお手伝いした後は、もう自由時間。
部屋でくつろいでもいいし、また温泉にいってもかまいません。
この時間が、まさに至福の時間でした。
前回お話したように、店長は24時間365日でお客様対応をします。
いつ電話がかかってくるのかわからないので自宅に帰っても気は抜けず、絶えず緊張に晒されています。
この旅行中も例外ではなく、電話は肌身離さず持っていました。
ただ、温泉効果なのか、いつもと違って心身ともにリラックスできました。
ホームインステッドに異動してからそこまでくつろげたのは初めてのこと。
正直言って、もう東京に戻りたくないくらいでした(笑)
もっとも、このお客様と付き添いで私が旅行に行けたのは1回だけでした。
あるとき、小山から「マネージャーが現場に入るな。店長の仕事に集中しろ」とキツく叱られました。
それをきっかけに男性ヘルパーさんの採用を意識するようになり、しばらくのちに男性ヘルパーさん1人、男性の事務スタッフ1人を採用できました。
他に男性がいれば、もはや私が現場に入る必然性はありません。
私にとってはご褒美だったそのお仕事も、それで終わってしまったのでした。
サービスの現場に直接入らなくなったものの、お客様との接点がなくなったわけではありません。
利用者のご家族とはお電話などでよくお話ししますし、重要な場面では私がスタッフのサポートで現場に行くこともあります。
今でも多いのは、サービス提供中にお客様がお亡くなりになったときでしょうか。
ある晩、終末期のお客様の夜の見守りサービスを行っていたスタッフから
「お客様が息を引き取りそうだ」と連絡がありました。
すぐかけつけましたが、到着して10分くらいしてお亡くなりになりました。
すでに覚悟ができていたご家族は、
「ダスキンさんのおかげで、ちゃんとお見送りができた」と私たちの労をねぎらってくださいました。
お客様がお亡くなりになる場面に立ち会うと、やはり悲しい気持ちになります。
ただ、ご家族からこのように感謝されることも多く、そのときは「無事にお務めを果たせた」「この仕事をやっていてよかった」と感じます。
ホームインステッドの店長は大変な仕事です。
それでも続けることができたのは、お客様の人生に深くかかわり、微力ながらもお役に立てたという実感を得られるからです。
そのことを肌で体験した立川ステーション時代でした。
次回は“上司の策略にハマって結婚”です。
次回もお楽しみに!
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