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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/01/11 14:24

経営

人材育成

目標設定シートで目標達成を目指すには?作成する目的や書き方・記載例などを紹介

読了まで約4分

目標設定シートは、社員の目標を適切に管理し、スムーズに目標を達成するために活用されるものです。
しかし、目標設定シートを作ったものの「思ったように活用されていない」「かえって管理職の手間が増えてしまっている」という企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、目標設定シートの基本的な書き方や記載例を解説するとともに、運用のコツや目標設定のポイントを紹介します。

目標設定シートとは

目標設定シートとは、様々なテンプレートを活用して日々の業務における目標管理をスムーズに行うためのものです。

目標管理の仕組みは、アメリカの経営学者ピーター・F・ドラッガーによって体系化されたことが始まりです。
日本企業で組織マネジメントの一つとして目標管理制度が注目されるようになったのは、1990年代後半頃とされています。
現在では、社員の生産性向上を目的とした施策の一環として、多数の日本企業でも目標設定シートが導入されるようになりました。

目標設定シートを活用することで、社員が目標達成までの道のりを的確に把握し、必要な行動を自ら決定できるようになります。
例えば、目標の難易度が高い場合、周囲の協力を仰ぐなど、プロセスに工夫が必要です。
目標設定シートを作成することで達成までの指針を定め、社員が目標に向かって適切な努力ができるようになります。

また、管理者が社員の目標達成状況を把握し、適切なサポートを行う目的でも使用されます。
目標設定シートによって目標達成に向けてのプロセスや社員の努力を共有でき、企業の求める方向性とすり合わせながら、必要なアドバイスを行えるようになります。

 

目標設定シートを作成することで得られるメリット

目標設定シートを作成することの主なメリットは以下の点です。

  • 目標の進捗状況や達成度などを可視化できる
  • 管理者が社員の目標達成状況を把握できる
  • 管理者が社員に対し適切な指導を行える

目標設定シートを活用すると、目標の進捗状況や優先度、達成度合いなどが可視化されます。
目標を達成するために何が足りないのか、どのように改善すればいいのか明確になるため、社員のモチベーション維持や自主的な改善活動が期待できるのです。

また、管理者が社員の目標達成状況を把握し、適切なサポートを行う目的でも使用されます。
目標設定シートによって目標達成に向けてのプロセスや社員の努力が共有でき、企業の求める方向性とすり合わせながら、必要なアドバイスを行えるようになります。

さらに、シートのフォーマットが統一されていれば、部門全体の目標管理もスムーズになるでしょう。
管理者の業務効率化だけでなく、一人ひとりに適したアドバイスを考えやすくなるため、指導内容の向上も期待できます。

 

目標設定シートの書き方

目標設定シートの書き方は、基本的に以下の手順で行ないます。

  1. 具体的な目標を設定する
  2. 目標達成までのプロセスを定める
  3. 評価基準を設ける
  4. 達成結果やプロセスを振り返る
  5. フィードバックする

それぞれの内容を詳しく解説します。

1.具体的な目標を設定する

まずは、シートに記載する目標を具体的に設定します。
目標は複数あっても問題ありませんが、多すぎると管理が大変になり、どの目標も中途半端になってしまいます。
最後まで本当に達成できるか実現性を考え、多くても3つ程度に絞るといいでしょう。

また、目標はできるだけ数値化することがおすすめです。
「クライアントに満足してもらう」といった目標だと達成できたかどうか判断しづらいため「売上を○%増加する」など、明確な目標を目指しましょう。

2.目標達成までのプロセスを定める

目標が明確になったら、達成までのプロセスを設定します。
目標をどのような工程で達成するのか、細かいステップに分けて工程を記入しておくと、途中で達成度合いをチェックしやすくなります。

このとき、各ステップの期日を設定しておくことも大切です。
達成までの期間は半年~1年程度で設定し、各ステップをいつまでに達成すればいいのか逆算して記入します。

3.評価基準を設ける

4~5段階の評価基準を設定しておくと、達成度がより視覚的に把握できます。

例えば「前年比で売上30%増」という目標を立てた場合には、次のような評価基準が考えられます。

  • 増加率が40%以上:A
  • 増加率が30%以上:B
  • 増加率が20%以上:C
  • 増加率が10%以上:D
  • 増加率が10%未満:E

このように、ランク形式で基準を設けておくと、モチベーションアップの効果も期待できます。

4.達成結果やプロセスを振り返る

目標達成までの目安期間が経過したら、必ず計画の振り返りを行いましょう。
上記で設定した評価基準をもとに、目標設定シートへ達成度を記入していきます。

この際、結果に対する評価だけでなく、プロセスを振り返ることが重要です。
目標が未達のまま終わった場合、プロセスを振り返らなければ具体的な改善点が明らかになりません。
どうして達成できなかったのか、達成のために何が必要なのかを考え、次の計画に活かしましょう。

5.フィードバックする

シートの最後には、上司からのフィードバックを記載する欄を設けておきます。
社員が自身の行動を客観的に振り返れるだけでなく、チームの中でどのような働きをしてほしいのか、どのような人材に育ってほしいのかなど、会社の期待を社員とすり合わせることができます。

数値だけにとらわれず、部署の管理者として社員の普段の行動からわかる的確なアドバイスを心がけましょう。

 

【業種別】目標設定シートの記入例

目標設定シートは業種によっても内容が大きく異なります。
そこで、職種別に目標設定シートの記入例を解説します。

営業職

営業職は、契約獲得数や売上増加率、契約継続率など目標を数値化しやすい職種です。
企業や部署の方針に合わせて、数値化された目標を立てましょう。

また、対象が管理職の場合、チーム全体や部下を含めた売上目標やマネジメントスキル向上といった目標を立てるのもおすすめです。

【記入例】

  • 今年中に新規契約を50件獲得する
  • 前年度比で個人売上を30%アップする
  • 四半期末までに契約継続率50%→70%を目指す
  • 見込み顧客へのテレアポを1ヶ月100件達成する
  • Webサービスのアクティブユーザー数3000人増加を目指す

事務職

事務職は目標の数値化が難しい職種のため、業務プロセスの効率化やPCスキルの向上、業務に関連する資格取得などを目標として設定するのがおすすめです。
管理職であれば、営業職種のサポートや会社全体のコスト削減などを目標にするのもいいでしょう。

【記入例】

  • PDCAサイクルを確立し、毎月の残業時間を10%削減する
  • 前年度に比べて、作業ミスの発生件数を○件削減する
  • 1年後までにMOSマスター資格を取得する
  • 業務で使用している備品の見直しを図り、消耗費の前年比○%削減を目指す

人事・労務

人事や労務も、事務職と同様に目標の数値化が難しい職種です。
業務効率化や早期離職率の低下、コスト削減など、会社全体の課題の中から数値化しやすい項目を選ぶといいでしょう。

管理職は、経営層の掲げる戦略や方針を深く理解し、現場に浸透させることがミッションになります。
メンバーの育成や採用、部署の生産性向上など、マネジメント面の目標を検討してみましょう。

【記入例】

  • 社内アンケートを実施し、今期の社員満足度を15%向上させる
  • 各部署の面談結果を人事部が把握する体制を作り、早期離職率を10%低下させる
  • 採用サイト経由の応募率を○%増やし、採用コストの▲%減を目指す
  • 勤怠管理システムの刷新により、残業代の未払いをゼロにする

秘書

秘書は、サポートする上司や部門の生産性向上、自身の業務効率化がミッションなので、その面から目標を考えてみるといいでしょう。
自分の行っている業務の棚卸しを行い、それぞれの業務において「どうしたらもっと伸ばせるか?」を考えるのがおすすめです。
ほかにも、業務関連の資格取得やビジネスマナーの向上といった目標も考えられます。

【記入例】

  • スケジュールの見直し回数を1日2回に増やし、設定ミスをゼロにする
  • メール返信を確認から30分以内に行う
  • 資料作成をテンプレート化し、作成にかける時間を2時間→1時間に削減する
  • 1年後までにTOEIC800点以上を取得する

 

目標設定を高めるSMARTの法則とは

よりスムーズに目標設定をしたい場合は、定量的かつ現実的な目標を設定するためのフレームワークである「SMARTの法則」を活用するのがおすすめです。
SMARTとは、次の5つの頭文字をとった言葉であり、これらの指標をもとに目標を設定します。

  • Specific:誰が見てもわかる、具体的な言葉で表現で書く
  • Measurable:測定が明瞭になるよう、目標を定量化する
  • Achievable:現実的に達成可能な目標がどうか確認する
  • Related:会社や部署の目標に関連しているか確認する
  • Time-bound:達成までの期限を設定する

SMARTの法則を活用すると、例えば「売上を増加させる」「作業を効率化」といった曖昧な目標設定がなくなります。
どのような基準で、どのような手段を使って、いつまでに達成するのか明確な目標設定ができるようになり、チーム全体のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。

 

目標設定シートを効果的に運用するコツ

最後に、目標設定シートを効果的に運用するコツを紹介します。

目標達成までの現状を把握する

目標を設定したら、達成した結果を振り返るだけでなく、進捗状況を常に確認しながら、細かく方向修正を行うことが大切です。
目標に向かう手段が間違っていては達成までに多くの時間を要してしまい、期待した結果が得られない可能性も高くなってしまいます。

1~2週間に1回程度は進捗確認を行い、プロセスの改善を行うと、より効果的に目標設定シートを運用できます。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルとは、「Plan:計画」「Do:実行」「Check:評価」「Action:改善」のサイクルを繰り返し、実行プロセスのこまめな改善を図る手法です。
目標設定シートにおいてもPDCAサイクルを確立すると、目標達成までのプロセスが効率化され、よりスピーディな達成を目指せます。

目標設定シートは、作成して終わりではなくPDCAサイクルを繰り返して、より精度の高い計画を目指しましょう。

 

自社に合った目標設定シートを作成しよう

目標設定シートは、社員が自分自身で効率的に目標を設定できるだけでなく、管理者が部署全体の目標を管理する上でも重要です。
経営戦略や事業計画に即した目標を設定でき、組織のパフォーマンス向上が期待できます。

運用のポイントは、作成して終わりではなく、PDCAサイクルを回し続けて、常に改善を図ることです。
管理者は定期的な面談で進捗状況を把握し、より効果的なプロセスで目標に向かえるようアドバイスするといいでしょう。

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