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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

2023/01/11 14:25

コンピテンシー評価とは?意味や導入する方法・メリットやデメリットを解説

成果主義の人事評価が広まるとともに「コンピテンシー評価」を取り入れる企業が増えています。
コンピテンシー評価を導入すると、公平・公正な人事評価が実現できるだけでなく、組織全体のパフォーマンス向上が期待されます。
ただし、導入には手間と時間がかかるため、必要性をしっかり検討しなくてはいけません。

この記事では、コンピテンシー評価の定義や種類、具体的な導入手順や注意点などを解説します。

 

コンピテンシーの意味

コンピテンシー(competency)とは、組織で特に高い業績を上げている人材の行動特性を指します。
1970年代にハーバード大学の行動科学研究者であるD.C.マクレランド教授によって提唱されました。
高い成果を納める人には学歴や年齢以外に共通した傾向があるとして、その特性を行動観察やアセスメント、インタビューを通して調査し、項目化する手法です。

この共通項目を人事評価の基準として活用するのがコンピテンシー評価です。
企業が求める人材のロールモデルが示されるため、採用や人材開発にも活用されます。
求める人材の特性は部署や職種によっても異なるため、企業内で複数のコンピテンシーを作成するのが一般的です。

 

コンピテンシーモデルとは

コンピテンシーにおけるロールモデルのことを「コンピテンシーモデル」といいます。
企業でコンピテンシー評価を活用するには、評価の基準となるコンピテンシーモデルの設計が欠かせません。

ここでは、コンピテンシーモデルの3つのタイプについて解説します。

理想型モデル

理想型モデルは、企業の「理想的な社員像」に基づいて策定するモデルです。
採用において企業が掲げる「求める人物像」を具現化したようなイメージです。

もちろん、理想を全て満たすような人材は実在しませんが、できるだけ要件の高い人材を採用したい場合に理想型モデルを策定します。
あまりに高すぎる理想を掲げては達成が困難になりますので、経験のある採用コンサルタントを頼りながら、現実的なモデルを作成することが大切です。

実在型モデル

実在型モデルは、企業内のハイパフォーマー社員を参考にして設計するもので、多くの企業はこのモデルを活用しています。
実在する社員がモデルとなるため、他の社員もどのような人物を目指せばいいのかイメージしやすいのがメリットです。

ただし、ハイパフォーマーの行動特性に再現性がない場合もあります。
他の社員にとって参考にしづらい場合は、他のタイプを検討したほうがいいでしょう。

ハイブリッド型モデル

ハイブリッド型モデルは、一度実在型モデルでコンピテンシーを作成し、そこに理想型の特性をプラスして設計します。
理想に近づけながらも、実現性の高いコンピテンシーモデルを作成できます。
また、組織内にロールモデルとなる人材がいない場合でも、実用的なモデルを作成できる手法です。

 

コンピテンシー評価のメリット・デメリット

コンピテンシー評価を取り入れると、企業にはどのようなメリット・デメリットがもたらされるのでしょうか。
一般的な例を紹介します。

メリット

コンピテンシー評価のメリットは、次の通りです。

  • 効率的な人材育成や能力開発が可能になる
  • 業績や生産性の向上につなげられる
  • 公平な人事評価を実現できる
  • 企業理念や方向性が浸透する
  • 入社後ミスマッチの事前防止になる

コンピテンシーモデルが設定されると、企業が社員に何を求めているのかが明確になるため、経営層の考えを現場に共有でき、業績や生産性向上などの効果が期待できます。
人事評価の基準もはっきりするため、査定結果に対する納得感も高まるでしょう。

また、コンピテンシーモデルは採用や人材育成にも活用できます。
精度の高い採用によるミスマッチや早期離職の防止、より的確な人材配置の実現にもつながります。

デメリット

一方で、コンピテンシー評価の導入には次のようなデメリットが考えられます。

  • コンピテンシーモデルは繰り返し改善する必要があり、運用に手間がかかる
  • 導入から安定運用まで時間がかかり、現場負担が大きい
  • コンピテンシーモデルへの納得が得られない可能性がある
  • 環境変化に対応しにくい

コンピテンシーモデルの設定には、ハイパフォーマーの選定やインタビュー、洗い出した特性の分析と落とし込み、評価に使えるように改善する工程などが必要です。
したがって、安定運用までに膨大な手間と時間がかかります。
安定導入までに最低1年程度かかるといわれており、経営層や人事部だけでなく、現場社員の負担になることも考慮する必要があります。

さらに、経営方針や市場環境が変われば、コンピテンシーモデルも一から作成し直すことになるでしょう。
あまり頻繁に見直すと社員から納得を得られない可能性もあるため、注意が必要です。

 

コンピテンシー評価を導入する方法

ここでは、コンピテンシー評価の導入方法を5つのステップに分けて解説します。

1.モデル対象となる人材を分析する

まずは、部署ごとにハイパフォーマーを選出して、行動観察やインタビューなどをもとに行動特性を分析します。
売上や契約件数などの定量的な成果だけにとらわれず、その根源となる定性的な特性に目を向けることが重要です。
「成果を出すために何をしたのか」といった結果だけでなく、「どうしてその行動を選択したのか」といった理由の部分も重点的にヒアリングしてください。

分析が間違っていると作成したモデルが見当違いになってしまう可能性があるため、時間をかけて丁寧に分析しましょう。

2.コンピテンシー項目を洗い出す

コンピテンシーモデルを策定する段階で、評価の対象となる項目を洗い出しておきます。
コンピテンシーは業態や職種に合わせて作成するものですので、決まった項目があるわけではありません。
既成概念にとらわれず、自社にとって重要な項目を作成することが重要です。

一からの作成が難しい場合は「コンピテンシー・ディクショナリー」という項目集がありますので、こちらから自社に必要なものを取捨選択してもいいでしょう。

3.コンピテンシーモデルを作成する

前述で紹介した「理想型」「実在型」「ハイブリッド型」の3つのタイプを参考に、モデルを作成していきます。

モデルの作成では、前段で落とし込んだ各項目の具体性を高めることに注意しましょう。
例えば、分析において「リーダーシップがある」といった共通点があった場合、「自分の成果だけでなく、チーム全体の成果を高めるためにメンバーの手助けができる」といったレベルまで行動を具体化します。

4.経営戦略とすり合わせる

作成したコンピテンシーモデルは、経営戦略や事業目標と連携されていることが重要です。
ステップ2で洗い出した項目を精査し、経営戦略や目標の達成につながるかどうかを確認しましょう。

経営戦略にマッチしない項目が含まれていると、実際にコンピテンシーを運用したときにうまく機能しない可能性が高まります。
戦略にそぐわない項目は除外し、ブラッシュアップしながらモデルの完成を目指してください。

5.評価シートにまとめる

コンピテンシーモデルと項目が定まったら「コンピテンシー評価シート」を作成します。
コンピテンシーの各項目や具体的な定義、評価基準をシートにまとめて、社員に背景や意義を説明するための資料です。

評価シートは、運用しながら現場社員の意見を適宜取り入れて改善していくことが大切です。
運用を始めたら売上が落ちたり、育成が滞ったりなどの問題が発生することもあります。
ズレを修正し、項目や評価基準の見直しを行いましょう。

 

コンピテンシー評価を失敗させないためのポイント

最後に、コンピテンシー評価の効果を高めるポイントを紹介します。

完璧を求めない

コンピテンシーモデルは、あくまでも企業が理想とする社員像です。
全ての条件を満たす人材はいないということを忘れず、完璧な運用を求めないようにしましょう。

採用においてモデルと完璧に合致する人材を求めたり、社員にモデル通りの行動を求めたりしては、現場の混乱を招くかもしれません。
新しい人材がなかなか採用できず、社員のモチベーション低下を招いて、組織のパフォーマンスを下げてしまう可能性もあります。
コンピテンシーはあくまでも努力の目安として活用し、会社の理念を無理やり社員に押し付けないよう気を付けましょう。

現場で働く社員に理解してもらう

コンピテンシー評価を新たに導入する際は、現場で働く社員の理解を得ることが重要です。
企業側が一方的にコンピテンシーモデルを策定して現場社員に押し付けると、不満を招いてしまい、モチベーション低下や早期退職につながるリスクがあります。

また、経営層と現場の考える理想の人材に食い違いがある可能性も考えられます。
一方的にコンピテンシーを押し付けるのではなく、現場の意見とすり合わせて、納得感のあるモデルの作成を目指しましょう。

経営目標に合わせて更新する

コンピテンシーモデルは、企業の経営方針や成長フェーズ、市場動向などによっても変化します。
企業の置かれている状況によって必要な人材の要件や発揮してほしい能力は異なるため、コンピテンシーも変化するのです。
一度策定したら終わりではなく、経営目標や理念とすり合わせながら、改善し続ける必要があります。

半年~1年に1回程度は見直しのタイミングを設けて、恒常的に更新や改善する体制を構築しましょう。

 

コンピテンシー評価を理解して導入を検討しよう

コンピテンシー評価を導入すると、部署や職種ごとに成果を発揮できる人物像が明確になり、組織全体のパフォーマンスを高められます。
育成や採用にも活用できるため、人材マネジメントの効率化にも有効です。

ただし、コンピテンシーの導入や運用には手間と時間がかかります。
ハイパフォーマーの選出や分析、現場とのすり合わせなどが必要であるため、安定運用には年単位の時間をかける覚悟が必要です。
自社の抱える課題を考慮しながら、自社にとって最適なコンピテンシー評価の運用方法を検討しましょう。

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