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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2022/09/05 11:09

経営

新規事業とは?定義や必要な理由・創出フェーズのポイントなど分かりやすく解説

読了まで約4分

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、売り上げ減少を招いている企業は少なくありません。
その半面、人々のライフスタイルが大きく変化したことをきっかけに新たな事業を創出し、成果を上げている企業も増えています。

新規事業の立ち上げは、リスクもありますがそれ以上に得られるものも多く、特に時代の変革期である今は新規事業立ち上げの大きなチャンスとも言えるでしょう。
本記事では、新規事業の立ち上げが必要とされる理由やタイミング、新規事業立ち上げに欠かせないポイントについて解説します。

新規事業とは

新規事業創出のポイントを解説する前に、まずは新規事業の概要、新規事業創出の必要性を確認した上で、立ち上げの最適なタイミングについて解説します。

新規事業の意味

企業にとって新規事業とはどのようなものを指すのでしょう。
食品加工業を例に説明します。

例えば、和食中心のおかずをつくっているメーカーが、イタリアンやフレンチテイストのおかずをつくった場合、新規事業ではなく新商品です。
次に、乳幼児向けの柔らかい食事をつくっているメーカーが、嚙む力が弱くなった高齢者向けにおかずをつくった場合、これは新規事業ではなく新たな市場の開拓になります。

新規事業とは、新商品と新市場の両方を狙ったものです。
例えば、食材を加工する段階で出た端切れを活用して無農薬の肥料をつくる場合などは、新規事業といえるでしょう。

新規事業創出が必要な理由

新規事業の創出が必要な理由としては、多くの業種で製品のライフサイクルが短くなっている点が挙げられます。
インターネットの普及により、新製品の情報は一瞬にして誰もが簡単に入手できるようになりました。

また、情報収集能力が上がったのは消費者だけではなく競合も同様です。
加えて技術の進化もあり、新製品を出してもすぐにそれ以上の質の高い商品を安価で提供できるようになりました。

消費者の情報収集能力、競合の技術力向上により、以前に比べ製品のライフサイクルの短縮化が進み、既存事業だけで利益を上げ続けるのは難しくなっています。

そこで、新たな事業を創出し続けることで、持続的に成長していける体制づくりが重要となっているのです。

新規事業立ち上げのタイミングとは

新規事業創出は企業が成長するために欠かせないものですが、やみくもに立ち上げようとすれば上手くいく可能性も低くなってしまうでしょう。
成功確率を高めるには、企業の成長段階に合わせて慎重にタイミングを計る必要があります。具体的には次のとおりです。

  • 創業期
  • 成長期
  • 成熟期
  • 衰退期

創業期
創業期は既存事業が成長軌道に乗っていないことも多く、足場固めの時期です。
リソースを新規事業の立ち上げに注ぐよりも、既存事業に仕向けることが望ましいと言えるでしょう。

成長期
既存事業が成長軌道に乗り出す成長期は、新規事業立ち上げの最初のタイミングです。
人的リソースや資金面にも余裕が出始めるようになり、新規事業の立ち上げに損失が発生したとしても、既存事業で得た利益でカバーできるでしょう。
既存事業が好調であれば従業員のモチベーションも高くなりやすいため、メンタル的にも新規事業が成功しやすいタイミングと言えます。

成熟期
既存事業が業界のなかでも認知される成熟期は、新規事業立ち上げに絶好のタイミングです。
既存事業のネームバリューを生かせれば、新たな事業でも最初から注目を集められる可能性があり、成功確率も高まるでしょう。

衰退期
衰退期では、人材や資金面でのリソースも十分でなくなることもあるため、新規事業を立ち上げるには難しいタイミングと言えます。

ただし、既存事業が市場から撤退するまでの短期間に新規事業を立ち上げる場合は、短期間で結果を出すことが大切です。
失敗を避けるため慎重になりすぎてしまうことに注意し、ビジネスチャンスを逃さないようにしましょう。

 

新規事業創出フェーズのポイント

新規事業を創出するには、一定の手順を踏んで進めていくことが重要です。
ここでは、それぞれの段階でのポイントについて解説します。

1:責任者をアサインする

新規事業を立ち上げるにはまず、責任者のアサインから始めます。
責任者には、先頭に立って周囲を引っ張っていくタイプの人材が望ましいでしょう。

また、社内調整や新規事業のための環境整備や市場動向リサーチなどに関して、客観的な判断ができるタイプが向いています。
企業文化や自社の人的リソースを考慮しながら適切に選択する必要があります。

2:マーケティングリサーチを行う

マーケティングリサーチとは、企画、実行、効果検証などマーケティング活動のなかで生じる課題に対するデータの収集、分析を行うことを指します。
新たな製品、市場で事業を起こすには、将来的なニーズを見つけるためのマーケティングリサーチが欠かせません。

実際にリサーチを進めていく際には、ネットリサーチや訪問・街頭調査などを行い、結果を数値で表す定量調査が必要と言えます。

そして、グループインタビューやエスノグラフィーなど数値では表しにくい、ターゲットの発言や行動、価値観などを収集して分析する定性調査などの活用が有効です。

3:アイデアを収集する

マーケティングリサーチの結果を基にし、新規事業のアイデアを収集します。
ポイントはできる限り多くのアイデアを出すことです。
この時点では、実現が可能か不可能かを意識する必要はありません。
とにかく多くのアイデアを出すことを優先して進めていきます。

アイデアを出すポイントとしては「既存事業を発展させたもの」「自分たちの強みを生かせるもの」「企業理念・文化に合ったもの」などを軸にすることがポイントです。

後になって複数のアイデアを組み合わせたり、一部分だけを使ったりなど、後々の可能性を広げるためにも、とにかく思いつく限りのアイデアを出す必要があります。

4:事業計画を作成する

新規事業のアイデアがまとまったら、実際に事業計画の作成を行います。
事業立ち上げまでの必要なプロセスを洗い出し、スケジュールの目安を決めてください。
スケジュールの目安が決まったら、作成した事業計画を基に事業企画書を完成させます。

なお、事業企画書作成のポイントは、次の3点を意識することです。

  • 優先順位をつけて重要な部分から書くこと
  • 説得力を強めるため、定量的なデータを入れること
  • 自社の強みをどう活かすかについて言及し、独自性を持たせること

5:プレゼン等で事業性を評価する

事業計画の作成後は、事業企画書を基に意思決定者である経営層に対してプレゼンを行います。
経営層からの評価を得るためには、事業性のアピールが欠かせません。
それだけ実現性の高い事業だとしても、結果として利益を上げられるかどうかがもっとも重視されます。

新規事業のため難しいところではありますが、1年でどれだけの利益が挙げられるのか、3年後、5年後にはどうなっているのかといった数値を明確化してください。
市場規模、ニーズの高さ、競合などを鑑みたうえで具体的な数値を出すことが重要です。

6:補助金の申請・予算の確保を行う

新規事業を立ち上げるには、補助金を上手く活用する必要があります。
予算確保はもちろん、人材雇用のためにも活用可能です。

2022年8月現在で申請を受け付けている主な補助金として、中小企業庁が主催する下記の補助金があります。
ただし、時期によっては申請時期を過ぎる可能性もあるため、随時ご確認ください。

【事業再構築補助金】
ポストコロナ・ウィズコロナ時代に新分野展開、業種転換などに挑戦する中小企業を支援するための補助金です。補助対象者や申請要件、申請方法等は、下記のホームページから確認できます。
出典元:事業再構築補助金|中小企業庁

7:商品開発・サービス化を行う

メンバー、予算の準備ができ、経営層からの評価を得られたら実際に商品開発を行い、サービス化を進めていきます。
事業計画に沿って研究開発やテストを繰り返し、アイデアを具現化していきます。

8:定期的な評価・軌道修正を行う

新規事業を成功させるには、定期的な評価・軌道修正が欠かせません。
アイデアを形にしたら、事業計画の進捗や目標の達成、トラブルの有無などの項目を定期的に評価しつつ、必要に応じて柔軟に軌道修正を行います。
計画どおりに進んでいる部分と思うようには進まない点を洗い出し、課題点を可視化させることがポイントです。

責任者が中心となり、適切な改善、アップデートを行いながら軌道修正を進めていきましょう。
なお、検証や改善はスピードが重要です。
市場からのフィードバックを迅速に検証し、改善のサイクルを早く回せる仕組みづくりを行います。

 

新規事業が失敗する主な要因とは?

事業計画に沿って進めたとしても、新規事業が必ず成功するとは限りません。
失敗してしまう主な要因として下記のようなことが考えられます。

ビジネスモデルの創出が不十分

市場規模の読み間違い、ターゲットの見誤りなどビジネスモデルの創出段階での検討が不十分では、失敗する可能性が高まります。

社内プレゼンをとおすことばかりを意識して、楽観的な需要予測をしてしまったり、ターゲットのニーズを見誤らないようにする必要があります。

また、市場へのリリースタイミングが遅くなることも失敗の要因です。
事業企画を入念に作成することも大事ですが、時間をかけすぎて競合に先を越されてしまっては意味がありません。

人材・スキルの問題

新規事業の立ち上げ時は成功の確率を上げるために、メンバーのリソースを新規事業に向ける必要があります。
ただし、既存事業との掛け持ちの場合、既存事業の負担が大きくなり、新規事業に集中できなくなる可能性があるため注意が必要です。

また、人材のスキル不足が問題になることもあります。
新規事業に必要なスキルは、リーダーシップ、要点をまとめて言語化し伝えられるスキル、情報収集スキル、交渉スキルなどです。

なお、新規事業をすぐに収益に繋げることは難しいため、社員が自己肯定感を満たせなくなると言ったメンタル面の問題も考えられます。

撤退の基準を定めていない

計画を立てる段階で撤退の基準を定めないのも失敗につながる可能性が高まります。
上手くいかないままズルズルと続けると既存事業にも悪い影響が出る場合もあるため、損益分岐点を明確にし、撤退の基準をしっかりと決めておくことが重要です。

 

新規事業を成功させるには?

新規事業を成功させる主なポイントは、仕組みづくりや人材育成、企業コンサルの導入などです。
それぞれについて簡単に解説します。

スタートアップの仕組みを構築する

新規事業を成功させる際には、スタートアップの仕組みの構築が重要です。
事業計画において、ステップごとに数値目標を設定します。
段階を踏んで確認をしながら進めていける仕組みをつくれば、成功の確率が高まるでしょう。

また、ターゲットやペルソナも明確に決めておくことが重要です。
上手くいかない場合は見直しも含め柔軟に改善をする必要もありますが、最初の段階で明確にしておけば余計なリソースを使わずに済みます。

人材育成・リクルートに力を入れる

新規事業を成功させるには、チームづくりも重要なポイントです。
多くのアイデアを持ち、ゴールの共有ができるメンバーを中心に最初は少人数で始めると良いでしょう。

また、同時に外部から新規事業の経験者を積極的に雇用し、知見を活かせるチーム編成にすることも欠かせません。
新規事業を成長軌道に乗せることで、メンバー自体も成長し、次の新規事業では責任者として活躍できる人材に育っていくようにサイクルを回していきます。

企業コンサルティングを受けてみる

新規事業を創出する際は、失敗するリスクも考えられます。
新規事業の成功確率を高める方法として、企業コンサルティングを受けるのもおすすめです。
社内ではわからない自社の強み、弱みや未知の市場について外部からアドバイスを得れば、成功の可能性は高まるでしょう。

また、新規事業立ち上げに欠かせない、社内環境の整備や経営計画書の書き方なども併せてアドバイスを受ければ、新規事業を始めるための準備に大いに役立ちます。

 

社会の変革期だからこそ新規事業創出がチャンス

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、社会は大きく変革しようとしています。
人々のライフスタイルも多様化し、これまでにはなかった新たな需要も生まれ始めている今は新規事業創出のまたとない機会といえるでしょう。

しかし、新規事業はやみくもに始めても上手くいきません。
スピード感は持ちつつも、マーケティングリサーチを徹底し、自社の強みをどう活かすべきかをしっかりと検討する必要があります。

 

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