中小企業の業績を最短距離で伸ばすなら株式会社武蔵野の経営コンサルティング

株式会社武蔵野経営サポート事業部

MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/01/11 14:24

人材育成

ヒューマンスキルとは?8つの構成要素や向上させるための施策などをわかりやすく解説

読了まで約4分

「ヒューマンスキルを理解したい」「社員のヒューマンスキルを高めたい」と思っている経営者の方も多いのではないでしょうか。
優秀な人材の定義や評価に関して、必要な能力は業種や職種によっても異なりますが、ヒューマンスキルは幅広く必要とされる能力です。

そこで本記事では、ヒューマンスキルの概要、注目されている背景、8つの構成要素、ヒューマンスキルが高いことのメリットなどを解説していきます。

ヒューマンスキル(人間力)が高い人とは

ヒューマンスキルとは、スムーズな対人関係を構築するためのスキルです。相手の心情を思いやり、物事を適切に伝達する技術も含まれます。

ビジネスシーンでは社員や顧客とのコミュニケーションが重要です。
ヒューマンスキルが高い場合、良好な人間関係を維持しながら業務を円滑に進められるため、トラブルを起こしにくいといった特徴があります。

 

ヒューマンスキルはカッツモデルの一つ

そもそもヒューマンスキルとは、ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏によって提唱された理論です。そのためカッツモデル(理論)と呼ばれることもあります。

カッツモデルの種類には、ヒューマンスキル以外にも、「テクニカルスキル」「コンセプチュアルスキル」の2つがあるので、それぞれ解説していきます。

テクニカルスキル

テクニカルスキル(業務遂行能力)とは、業務を進める際に必要な知識、ノウハウ、技術熟練度をいいます。
基本的なスキルである汎用的スキルと、業種・職種に応じて特化した専門的スキルに分類されます。

具体的な汎用的スキルとして、ビジネススキルやITスキルがあり、専門的スキルには以下があります。

  • 会計職:アカウンティング、ファイナンス
  • 営業職:マーケティング、セールス、プレゼンテーション
  • 教育関係職:コーチング、ティーチング
  • 士業職(弁護士、税理士など):法律、専門書類の作成力

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキル(概念化能力)とは、抽象的な要素から物事の本質を洞察して創造的に捉え、個人と組織の可能性を飛躍的にアップさせる能力をいいます。たとえば、次のようなスキルがコンセプチュアルスキルに該当します。

  • 物事を概念化してロジカルに扱うスキル
  • 曖昧な事柄に対してクリエイティブに取り組むスキル
  • 将来のビジョンを具体的に描くスキル

 

ヒューマンスキルが注目されている背景

ヒューマンスキルが注目されている背景として、ビジネス環境の変化と人材の多様性への対応が挙げられます。
それぞれ解説していきます。

ビジネス環境の変化

昨今、ビジネス環境は大きく変化しています。
たとえば、新型コロナウィルスの影響による働き方の変化や、リモートワークによるコミュニケーションの取り方の変化などが挙げられます。

今後さらに環境の変化は続くと予測されるため、円滑に対応できる社員の育成が大切です。
そのポイントの一つとして、どのような働き方や環境にもスムーズに適応できるヒューマンスキルの向上があります。

人材の多様性への対応

近年はワーク・ライフ・バランス重視の働き方やZ世代、海外労働者など、多様な考え方や立場、経歴の人が増えています。
その際に「自分の価値観と異なるから」と他者を否定している限り、スムーズな関係性を構築できません。企業としてのパフォーマンス低下も考えられます。

自社の社員一人ひとりがヒューマンスキルを高めることにより、お互いの意見を尊重し合える風通しの良いビジネス環境を築きやすくなります。

 

【一覧】ヒューマンスキルの8つの構成要素

ヒューマンスキルを構成する要素には次の8つがあります。

それぞれについて下記で詳しく解説します。

1.ネゴシエーション能力

ネゴシエーション能力とは、交渉や調整を円滑に進めることで信頼関係を築くスキルです。
ネゴシエーション能力を身につけることにより、自分だけではなく相手にとってもベストな方法に辿り着けるというメリットがあります。

2.リーダーシップ能力

リーダーシップ能力とは、一般的にチームを率いるための指導力や統率力を表すスキルです。
近年はリーダー以外の社員にも求められる能力であり、身につけることによって設定した目標を達成し、成果を残しやすくなるというメリットがあります。

3.コーチング能力

コーチング能力とは、個人やチームに対して気づきを促しながら、自主的に成功のステップを踏めるように指導・育成するスキルです。
コーチング能力を身につけることによって、指導・育成を受けた社員は知識を高め、自ら解決策を導き出したり、新たな考え方に基づいて仕事に取り組めたりするといったメリットがあります。

4.ヒアリング能力

共感しながら相手の話を聞き、理解を示すことができるスキルです。
会話の内容だけではなく、相手の表情や仕草にも注目することが大切です。
ヒアリング能力を身につけることによって、社員との信頼関係を築きやすくなったり、顧客満足度の向上につながったりするというメリットがあります。

5.プレゼンテーション能力

プレゼンテーション能力とは、自分が考えている内容や意思を正確に相手に伝えるスキルです。
広告業界においては「プレゼン」という言葉で浸透しています。
プレゼンテーション能力を身につけることによって、取引先に対して自社の商品・サービスを紹介しやすくなったり、社内で自分の企画を採用してもらいやすくなったりします。

6.ファシリテーション能力

ファシリテーション能力とは、会議やミーティングなどの場でスムーズに話し合いが進行するようにサポートするスキルです。
ファシリテーション能力を身につけることによって、参加メンバーに積極的な発言を促したり、さまざまな意見をスムーズに理解できたりします。

7.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、社内外の人間とスムーズに関係性を築き、意思疎通を行うスキルです。
ストレスのない人間関係の構築、および維持するために必要です。
コミュニケーション能力を身につけることによって業務を効率的に進められるうえに、目標を達成しやすくなるというメリットがあります。

8.向上心

向上心とは、目標に対して積極的に取り組む能力です。
努力する姿勢や成長しようとする思いも含まれます。
向上心を身につけることによって、目の前の困難を乗り越えやすくなったり、社内にポジティブな影響を与えたりするというメリットがあります。

 

社員のヒューマンスキルが高いことによるメリット

社員のヒューマンスキルが高いことによるメリットとして、顧客との良好な関係性と職場環境の改善が挙げられます。
それぞれ解説していきます。

顧客と良好な関係を築ける

ヒューマンスキルが高いことにより、社内の人間だけではなく、顧客とのスムーズなコミュニケーションが期待できます。
特に営業部門はコミュニケーションが業績に直結しますが、その他の部門でも日頃の顧客対応が円滑であれば、「印象が良い会社だな」と顧客に思われる機会が増えるため、間接的に業績アップしやすいでしょう。

このようにヒューマンスキルによって顧客と良好な関係を築き、企業の業績アップにつながることは会社の存続という意味合いでも大切です。

職場環境の改善につなげられる

社内の人間関係に不満を感じた結果、「もう退職しよう」と考える社員は少なくありません。
しかしヒューマンスキルが高い社員が多い場合、良好な人間関係が期待できるため、離職率の低下につながります。

現代のビジネス環境では、さまざまな価値観を持つ人材と上手く関わることが大切です。
つまり、ダイバーシティ(多様性)を受け入れたうえで、インクルージョン(一つにまとめること)の実現が重要です。

特に職場環境に課題を抱えている企業は、社員のヒューマンスキル向上を意識する必要があります。

 

社員のヒューマンスキルを向上させるための施策

社員のヒューマンスキルを向上させる施策として、研修やセミナーへの参加、人事評価項目の導入、フィードバックの機会の3つがあります。
それぞれ解説していきます。

研修やセミナーへの参加機会を設ける

社内外の研修やセミナーへの参加機会を設けることにより、ヒューマンスキル向上の重要性に気づけるようになります。
具体的には次のような研修プログラムが効果的です。

  • 適切にコミュニケーションを取る方法
  • リーダーシップを発揮する方法
  • 各種ハラスメントの知識
  • コーチングのロールプレイ

研修やセミナーでインプットした内容を社内でアウトプットすることにより、実践的なヒューマンスキルの形成が期待できます。

人事評価項目に取り入れる

人事評価項目にヒューマンスキルを加えることで、社員が能動的にスキルアップを目指す意識づけが可能になります。
「評価基準にヒューマンスキルを含めている」という企業側からのメッセージとしても機能するでしょう。

ただしヒューマンスキルは、正確な計測が難しいという課題があります。
運用方法として「ある程度まで主観的な評価になるのは仕方がない」と割り切ったうえで、社員や顧客にアンケート調査を実施するなど、客観的な評価と組み合わせることがポイントです。

フィードバックを与える機会を作る

ヒューマンスキルは評価される社員側の視点ではなく、評価する企業側の視点が必要です。
「最近ヒューマンスキルが身についた」と社員が自分だけで判断するのではなく、「ヒューマンスキルが向上している」と企業が客観的に評価する必要があるということです。

そのためには企業が社員に対してフィードバックを与えながら、具体的な目標や行動を設定し、改善を繰り返していくことが重要です。

 

社員のヒューマンスキル向上は企業の強みにつながる

ヒューマンスキルとは、スムーズな対人関係を築くためのスキルであり、カッツモデルのうちの一つです。
変化が激しいビジネス環境や、多様な人材への対応という時代背景によって注目されています。

ヒューマンスキルを構成する要素として、ネゴシエーション能力、リーダーシップ能力、コーチング能力などがあります。
主なメリットは、顧客との良好な関係性と職場環境の改善です。

具体的に社員のヒューマンスキルを向上させるには、研修やセミナーへの参加、人事評価項目の導入、フィードバックの機会を考えると良いでしょう。

株式会社武蔵野では、ヒューマンスキルの効果をアップするために大切な職場環境の整備に役立つ資料を無料で進呈しています。
また、経営計画書の書き方に関する資料も無料で配布していますので、ぜひお試しください。

武蔵野のサービスに
ご興味が出てきた方

CONTACT