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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2022/10/28 17:31

コミュニケーション

コミュニケーションコストとは?高い組織の問題点や削減方法などわかりやすく解説

読了まで約4分

組織でプロジェクトを成功させるには、チームをスムーズに機能させる必要があります。
そのためにはコミュニケーションの取り方がポイントです。

コミュニケーションには、意思疎通のための時間や労力などのコストを必要とするケースがあります。
コミュニケーションコストが高いと組織全体の生産性が低下する可能性があるため、問題点を把握し削減する必要があります。

本記事では、コミュニケーションコストの意味や問題点、コミュニケーションコストが高い人や組織の特徴などを解説していきます。
自社のコミュニケーションコスト改善のための参考にしてください。

コミュニケーションコストとは

まずはコミュニケーションコストの概要について解説します。

コミュニケーションコストの意味

コミュニケーションコストを言い換えると、意思疎通する際に必要な時間です。
例えば「上司が部下に仕事の進捗状況を尋ねる時間」や「部下が上司に仕事の不明点を相談する時間」などが該当します。

意思疎通にかかる時間が長ければコミュニケーションコストは高くなり、逆に短ければコミュニケーションコストは低くなります。

つまり、コミュニケーションコストが高ければ組織で行う仕事が遅延する可能性があり、逆にコミュニケーションコストが低ければスムーズに進みやすいということです。
具体的なケースについては次で紹介します。

コミュニケーションコストが高いとは

コミュニケーションコストが高いケースとして以下の状況があります。

  • 社内や部署内で相談すべき相手がわからず、手当たり次第に尋ねている
  • 伝達ツールの発信と受信に時間がかかっている
  • 正しい内容が相手に伝わらない、理解されない

仕事の不明点を誰に聞けば良いかわからず、手当たり次第に尋ね回っている状況はコミュニケーションコストが高い状態です。
特に新入社員や、部署を異動したばかりの従業員に多いといえますが、長年働いている従業員の場合も、組織改編や新規プロジェクトに携わったタイミングで起こり得ます。

電話がつながらなかったり、チャットの使い方を覚えるのに時間がかかったりと、情報発信と受信がスムーズに行かない場合もコミュニケーションコストが高い状態です。
その原因として、情報伝達手段の整備不足や、整備されていても従業員が扱えていないことが考えられます。
さらにコロナ禍によるテレワークの普及も、情報伝達に時間がかかる一因となっています。

また、相手に意図が伝わらない、伝えたのに理解してもらえない場合も同様です。
会話が噛み合わない場合に起こりやすい現象といえます。

その原因として、日常的に使っている用語や文章の内容が受け手にとってわかりづらいことや、受け手側の理解力不足が考えられます。
例えば、「ベテラン従業員が専門用語を多用しているため、知識の浅い社員が理解できていない」「業務報告メールの文章が冗長すぎるため、どこが重要なのかがわからない」といった例が考えられます。

 

コミュニケーションコストが高い組織の問題点


コミュニケーションコストが高い組織の主な問題点としては以下の4つです。

  • 業務効率の低下
  • 業務連携のロス
  • 意志決定のスピードの低下
  • 従業員の疲労

それぞれについて詳しく解説します。

業務効率の低下

社内のコミュニケーションコストが高いということは、上司が部下に指示を出す時間や、部下が上司に相談する時間が必要以上に長いと想定できます。
そうなると本来進めるべき作業に費やせる時間が減るため、業務効率が低下します。
いわゆる時間泥棒が社内にいる状態です。

また、コミュニケーションコストが高いと正しく情報が伝わらず、誤った情報を元に業務を進めることでミスが生じる可能性があります。
連鎖的にミスが起これば修正に膨大な時間がかかるため、業務効率は大きく低下します。

業務連携のロス

コミュニケーションコストが高いことで、部署やチーム間の連携に無駄な時間がかかり、業務連携をロスします。

例えば、「他部署が電子化した資料の保存場所がわからず、見つけるまでに膨大な時間がかかっている」という状況は、部署間のコミュニケーションコストが高いために発生します。

他にも、「すでに社内に業務効率化ツールを導入しているにもかかわらず、他部署が同様のツールの購入を考えている」という状態も組織の縦割りによって情報伝達が滞り、コミュニケーションコストが高いゆえに起こり得る出来事です。

意思決定のスピードを下げる

コミュニケーションコストが高ければ現状把握に時間がかかるため、部署内や部署間での意思疎通に無駄な時間を要することになり、意思決定のスピードが低下します。

例えば、「上司がチームメンバーに何度も同じことを伝えているため、プロジェクトがスムーズに進まない」という状況が考えられます。
意思疎通に問題があり、意志決定スピードが遅延している状態です。
就業時間は限られているため、必然的に意思決定数が制限され、プロジェクトの進捗に大きく影響します。

従業員が無駄に疲労する

コミュニケーションコストが高い組織は時間をロスするだけでなく、従業員の精神面にも悪い影響を与えます。
上司から「以前にも伝えた指示内容じゃないか?」と詰問されたり、その結果、取引先に迷惑をかけたりすれば、部下は精神的に追い込まれるでしょう。
上司側としては、何度も同じやり取りを繰り返すことで責任を感じ、精神的に疲労します。

結果的に組織全体のモチベーションと生産性が低下し、業績の悪化につながるだけではなく、離職者が増えるリスクも考えられます。

 

コミュニケーションコストが高い人とは


コミュニケーションコストが高い人には、自分の立場や役割を理解していない、情報に対する理解力が低い、無駄な話が多いという特徴があります。
それぞれ解説していきます。

組織内での自分の立場や役割に対する理解力が低い

自分の立場や役割を理解していない場合、話の前提部分から説明することになるため、コミュニケーションコストが高い人といえます。

例えば、組織の拡大化に伴って各部署の役割が複雑化すると、どの部署がどこまでの業務を担当するのかがわかりづらくなります。
役員クラスは業務の線引きを把握していても、現場で働く従業員は理解していないという事態が考えられるのです。
特に組織変更や部署間の異動が多い企業は課題になりやすいでしょう。

情報の理解に時間がかかる

情報に対する理解力が低い人はコミュニケーションコストが高い傾向があります。
個人によって理解力に差があるのは仕方がないため、組織としては一人ひとりの業務経験や知識を考慮したうえで、最適な説明を心がけることが大切です。

例えば、読んで理解することが得意な人もいれば、耳で聞いて理解できる人もいます。
読んで理解しやすいタイプには社内マニュアルを積極的に推奨したり、耳で聞いて理解できるタイプには口頭で説明する時間を増やしたりといった対策が考えられます。

無駄な話をしてしまう

相手の説明を遮って自分の話を始めたり、自分が一方的に伝えたいことだけ話したりなど、無駄話が多いタイプもコミュニケーションコストが高い人といえます。
業務上のコミュニケーションは双方向で行うことが大切です。

あまりにも業務上の課題と無関係な話が多い従業員に対しては、個別に注意する必要があるかもしれません。
または私語をしても注意されない緩い雰囲気が形成されている可能性もあるので、あらためてビジョン、ミッション、経営目標を社内全体に浸透させる努力が大切といえます。

 

コミュニケーションコストが高い組織とは

コミュニケーションコストが高い人について説明しましたが、次はコミュニケーションコストが高い組織について解説します。
具体的には社員教育の不足とナレッジマネジメントの不備が考えられます。

社員教育が不足している

従業員間のリテラシーに差があると、コミュニケーションコストが高くなる傾向があるため、社員教育の充実化を図る必要があります。
解消する具体的な方法には、社内研修、OJT、1on1ミーティングなどがあります。

社内研修とは、主に人事部が主導して行うスキルアップなどのための研修です。
OJTは上司などのトレーナーにより、職場での実務を通して指導する育成方法を指します。
1on1ミーティングは上司と部下が1対1で行う対話のことです。

このような方法を通して社員教育を重ねることで、仕事に関するリテラシーが身につき、スキルが向上するため、無駄なコミュニケーションを省ける可能性があります。
結果的にコミュニケーションコストを下げられるでしょう。

ナレッジマネジメントの仕組みの構築や運用ができていない

ナレッジマネジメントが構築できていなかったり、構築できていても運用に問題があったりする組織はコミュニケーションコストが高いといえます。

ナレッジマネジメントとは、経験豊富な従業員の知識を社内で共有し、変革を促しながら業務効率を高める管理手法のことです。
代表的な仕組みにFAQシステムがあります。

社内のFAQシステムとして、業務フローや社内申請ルール、共有ツールの使い方やアクセス情報を蓄積することで、従業員は困ったときにアクセスできるため、コミュニケーションコストを下げられる効果が期待できます。

 

組織のコミュニケーションコストを下げる方法とは


具体的に組織のコミュニケーションコストを下げる方法として、マニュアルの作成、チャットグループの活用、経営理念・経営方針の浸透があります。
それぞれについて詳しく解説します。

マニュアルを作成し質問を減らす

普段から質問が多い業務内容をマニュアルにまとめることで、従業員は疑問点をいつでも確認でき、質問や回答の手間を減らせます。
たとえば、新入社員に業務を一から教えるとコミュニケーションコストがかかりますが、事前に作成したマニュアルを確認してもらうことで、一から教える必要がなくなりコミュニケーションコストを削減できるでしょう。

ただし、作成したマニュアルは定期的に更新し、常に最新の情報を確認できるようにしておく必要があります。

チャットグループ作成などツールを活用し情報共有をする

コミュニケーションコストを削減するには、情報の偏りをなくし、誰でもすぐに確認できる状況を作ることが重要です。
ツールを使用してチャットグループを作り、それぞれの作業の進捗状況や作業内容などを確認・共有できると効率的です。

質問と回答をツール内に残し、スムーズに検索できる仕組みが構築されていれば、前述したFAQの効果も期待できます。
従業員は疑問点を聞いて回らずに済むため、コミュニケーションコストの低下が期待できます。

組織としての理念や経営方針を浸透させる

企業の方向性や理念、経営方針などを従業員に浸透させることは、経営者や経営幹部と共通した考え方の土台を築くという意味でも大切です。
土台という共通要素の有無により、同じ話をしても理解度が大きく異なります。

企業の方針が上手く伝わらない場合、従業員は間違った解釈をする懸念があり、結果的に業務がスムーズに進まない可能性があります。
コミュニケーションコストが高くなることを防ぐためにも、日頃から組織の理念や経営方針を周知しておくことが大切です。

 

コミュニケーションコストを削減し組織の生産性アップを目指そう


コミュニケーションコストとは、意思疎通に必要な時間のことです。
時間が長ければコミュニケーションコストは高くなり、逆に短ければコミュニケーションコストは低くなります。

コミュニケーションコストが高い人には、自分の立場や役割を理解していない、情報に対する理解力が低い、無駄な話が多いという特徴があります。
組織全体としては、社員教育の不足とナレッジマネジメントの不備が問題点として考えられています。

組織のコミュニケーションコストを下げる方法としては、マニュアルの作成やチャットグループの活用、経営理念や経営方針の浸透などが効果的です。

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