更新日:2024/08/21 15:49
経営
ピアプレッシャーとは?組織に必要な理由や活用するポイントをご紹介
読了まで約3分
ピアプレッシャー(Peer Pressure)とは、日本語で「仲間からの圧力」という意味を持つ言葉のことです。
ピアプレッシャーが適度に働いている組織は、メンバー同士が協力しあうといったメリットがある一方で、過度に働いている組織では「上司に異を唱えるのが怖い」「周りに同調するしかない」といったように、メンバーの強いストレスになってしまいます。
このような状態を放置すると、業務の生産性が低下したり、メンバーの離職につながってしまうこともあります。
今回は、ピアプレッシャーが強い組織で起きることや、活用する際のポイントなどについてご紹介します。
目次
ピアプレッシャーとは
ピアプレッシャー(Peer Pressure)は、日本語に訳すと「Peer(仲間)」と「Pressure(圧力)」を組み合わせた言葉で、「同調圧力」を意味します。
同調圧力と聞くと、マイナス要素に受け取られがちですが、適度なピアプレッシャーは、メンバー間に助け合いが生まれたり、信頼関係が醸成されたりするメリットもあります。
一方で、ピアプレッシャーが強すぎると、「自分の業務は終わっているけど、上司はまだ仕事をしているから帰れない」「上司の機嫌が悪いのはもしかしたら自分のせいかもしれない」といった気持ちになってしまったり、周囲からの監視の目によって精神的な疲労が溜まりやすくなったりするデメリットがあります。
ピアプレッシャーを上手く活用することで、一定の緊張感によって組織のモラルや生産性が保たれる効果があるため、マネジメント側とメンバーの双方にメリットがある状態を作り上げていくことが求められているのです。
ピアプレッシャーが強い組織で起きること
先ほどご紹介したように、ピアプレッシャーは適度なものであれば、さまざまなメリットがありますが、強すぎると組織とメンバーに悪影響を及ぼしてしまうものです。
ここでは、ピアプレッシャーが強い組織で起きることについてご紹介します。
メンバー同士の相互監視によってストレスが増える
ピアプレッシャーは、周囲への同調を繰り返すことによって強くなっていきます。
組織においてお互いが行動を見張ることを「相互監視」といい、相互監視が強い組織では、個人の行動が制限されてしまうのです。
この状態が続くと、メンバー間に過剰な同調圧力が生まれ、過度な緊張状態からストレスを感じやすくなります。
自発的な行動や発言を控えるメンバーが増える
リーダーの我が強く、それに追随するメンバーが多い組織の場合、メンバーは無意識に思考を停止し、他のメンバーと同じようにリーダーの意見に同調しやすくなってしまう傾向があります。
リーダーの意見に異を唱える人がいなくなると、「自分もそうしなければいけない」といったピアプレッシャーを強く感じてしまうでしょう。
適度なピアプレッシャーが組織に必要な理由
ピアプレッシャーは強すぎるとメンバーの自主性を奪ってしまい、弱すぎると組織として統率を取るのが難しくなってしまいます。
適度なピアプレッシャーが組織に必要な理由には、一体どのようなことがあるのでしょうか。
切磋琢磨できる環境を作ることができる
適度なピアプレッシャーが働いている組織では、メンバー一人ひとりがプロ意識を持って仕事に取り組み、切磋琢磨する環境を作ることができます。
「〇〇さんが頑張っているから自分も頑張らなきゃ」と健全な危機感を持つことで、結果的に組織の生産性を高めることができるでしょう。
組織の団結力が向上する
組織全体に適度なピアプレッシャーが働くことによって、相手に迷惑をかけないよう、ミスをしないように心掛けたり、問題が発生したら助け合ったりするなど、組織の団結力が向上します。
同僚に対してだけではなく、顧客からのニーズに応えるために、仕事に対するモチベーションを高めることも。
ピアプレッシャーを活用する際のポイント
ピアプレッシャーを活用するために必要なのは、周囲のメンバーと良好な関係を保ちながら、仕事の意義や価値づけ、目的といった「仕事観」を確立すること。
ここでは、ピアプレッシャーを活用する際のポイントをご紹介します。
定期的に1on1を実施する
ピアプレッシャーを活用するためには、ボトムアップの仕組みや文化を定着させることが求められます。
ボトムアップの文化を醸成するためには、メンバーの人となりや仕事に対する考え方、スキルなどを把握することが必要です。
定期的に1on1を実施することで、会話を通してメンバーとの相互理解を深めたり、仕事の進捗や悩んでいることを共有でき、
適度なピアプレッシャーを生み出すことができます。
メンバー同士がフォローし合える組織体制を作る
メンバー同士がフォローし合える組織体制にするための一策として、「360°評価」が挙げられます。
360°評価とは、上司・同僚・部下から評価を受ける仕組みで、周囲にどのように見られているのかが、組織における自分の存在価値に大きな影響を与えることになります。
このような仕組みを導入することで、独りよがりになることなく、メンバー同士が助け合いながら仕事を進めていく環境を作ることができるでしょう。
360°評価について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。
【例文あり】360度評価とは?意味や目的・メリットデメリットなど詳しく解説
適度なピアプレッシャーを利用して組織の生産性を向上させよう
今回は、ピアプレッシャーが組織に必要な理由や、ピアプレッシャーを活用する際のポイントなどについてご紹介しました。
ピアプレッシャーは、「上司が言ったことには逆らえない」「周りに合わせて自分も残業しよう」といった同調圧力のことをいい、過度に働く場合はメンバーにとって大きなストレスになってしまいます。
一方で、ピアプレッシャーが全くない組織は、業務に対する責任感がなく、成果を出そうとする向上心があまりないといったことも。
このような背景から、適度なピアプレッシャーはメンバーのやる気を引き出し、生産性を上げるために欠かせないのです。
「メンバーからの自発的な意見があまりない」と心当たりがある場合は、ピアプレッシャーが関係しているかもしれません。
適度なピアプレッシャーを利用して組織の生産性の向上を目指してみるのはいかがでしょうか
株式会社武蔵野では、組織力向上のために「環境整備」に取り組んでいます。
毎朝の環境整備を通してコミュニケーションを図り、従業員がストレスなく働ける風通しの良い職場づくりを目指しています。
日頃からコミュニケーションが円滑に取れていれば、適度なピアプレッシャーはメンバー同士の絆を深め、団結力向上に役立つでしょう。
組織力向上を目指す方は、ぜひ武蔵野流環境整備を取り入れてみませんか?
自社の環境整備レベルがわかるチェックリストと資料を無料でプレゼントしています。
ぜひ、こちらからダウンロードしてください。
無料お試し資料&環境整備チェックリスト
執筆者情報
佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役
1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。
経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。
この記事を読んでいただいている方におススメのセミナー