2020/12/16 22:07
人材育成
ティーチングとコーチングの違いとは【社員教育/人材育成】
社員教育の手段は、スキルやノウハウを相手に「教える」ティーチングだけではありません。
答えを教えるのではなく、質問や問いかけによって相手から答えを引き出すのが、コーチングと呼ばれる教育方法です。
ティーチングとコーチングの違いを知り、状況に応じて適切に使い分けることが、効果的な社員教育を実施するポイントです。
この記事では、ティーチングとコーチングの違いや使い分けの考え方について解説していきます。
ティーチングとコーチングは「教える」と「引き出す」の違い
社員教育の代表的な方法として、ティーチングとコーチングの2種類があります。
ティーチングは相手に答えを教える、コーチングは相手から答えを引き出すのが特徴です。
ティーチングとコーチングの違いを解説します。
ティーチングは答えを教えるための方法
ティーチングとは、英語の「教える(teaching)」という言葉通り、自分が持つ知識・スキル・ノウハウを相手に教える方法です。
ティーチングの具体例として、たとえば次のようなものがあります。
- 新入社員研修の一環として、講師が基礎的なビジネスマナーを教える
- 上司が部下のそばにつき、正しい仕事のやり方を教える
- 仕事に使う機器やソフトウェアの使い方を教える
ティーチングは「教えたことをそのままやってもらう」のが基本です。
先生と生徒の関係性に近く、双方向なコミュニケーションではなく、一方的なコミュニケーションが生まれがちです。
ティーチングが向いているのは、社会人としての基本的な知識や、マニュアル化された仕事を学ぶ場合です。
ティーチングは新入社員研修や中途社員研修など、主に初期キャリアの教育課程に採用されます。
コーチングは答えを引き出すための方法
コーチングとは、相手に答えを教えるのではなく、質問や問いかけによって相手の答えを引き出す教育方法です。
コーチングの具体例として、たとえば次のようなものがあります。
- 新入社員のフォローアップ面談を行い、キャリアプランを描いてもらう
- 上司が部下と1on1のミーティングを開き、来季の目標を設定してもらう
- 仕事の課題や解決策について質問し、自由に意見をいってもらう
コーチングの目標は、部下のやる気や自主性を引き出し、自分の頭で考えて答えを見つけてもらうことです。
上下関係に左右されず、対等で双方向的な関係性が生まれるのが特徴です。
コーチングが有効なのは、約束事やマニュアルが存在しない仕事や、新しいプロジェクトを任せる場合です。
将来のキャリアプランの形成など、従業員の自発的な成長を促したい場合にも役立ちます。
ティーチングとコーチングの5つの違い
ティーチングとコーチングの違いを5つの観点で比較してみましょう。
コーチングでは自分の頭で答えを考えてもらうため、相手の自主性が育ちます。
一方、ティーチングでは答えをそのまま教えるため、一方的なコミュニケーションが生まれがちで、相手のモチベーションが低下するケースがあります。
コーチングとティーチングの特徴について知り、適切に使い分けることが大切です。
ティーチングとコーチングを使い分ける3つのポイント
ティーチングとコーチングの違いを理解したうえで、この2つをどのように使い分ければよいのでしょうか。
使い分けのポイントを3つ解説します。
1. 相手のスキルやノウハウが乏しい場合はまずティーチングから
入社したばかりの新入社員など、スキルやノウハウが乏しい相手の教育方法としては、コーチングよりもティーチングが有効です。
相手のスキルやノウハウが十分でなければ、コーチングによって答えを引き出すことはできません。
直属の上司やメンターがサポートにつき、正しい仕事のやり方を指導しましょう。
2. タスクの緊急性が高い場合もティーチングが有効
プロジェクトの期限が迫っているなど、タスクの緊急性が高い場合も、ティーチングの優先度が高まります。
ティーチングのメリットは、教えたことをそのままやってもらうため、教育スピードが早い点です。
プロジェクトの理解が深い人材が社内にいる場合は、教師役としてティーチングを依頼しましょう。
3. 目標設定やキャリア開発ならコーチングを
一方、新入社員のフォローアップ研修などで今後の目標設定を行う場合や、
若手社員のキャリア開発サポートを実施する場合は、ティーチングよりもコーチングが有効です。
新入社員一人ひとりが思い描く目標や、これから形成していくキャリアパスには、決まった答えがありません。
コーチングを通じて自主性を育み、自分自身の頭で考えてもらう必要があります。
双方向のコミュニケーションを心がけ、相手のやる気や成長意欲を刺激するようにコーチングしましょう。
社員教育において、ティーチングとコーチングの使い分けが重要
効果的な社内教育を実施するためには、ティーチングとコーチングの使い分けが大切です。
ティーチングとコーチングはどちらも優れた教育手段です。
従業員が持つスキルやノウハウ、従業員が取り組んでいるタスクの緊急性などを考慮し、ティーチングとコーチングを使い分けましょう。
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