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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2022/09/26 11:15

コミュニケーション

ラポール形成とは【信頼関係/コミュニケーション】

読了まで約3分

ビジネスシーンではさまざまな用語が用いられますが、はっきりとした意味が分からないものも少なくありません。
たとえば「ラポール形成」は時折用いられる言葉であるものの、意味の分かりにくいと感じる方もいるでしょう。

当記事では、ラポール形成の意味と実践するポイントについて解説します。

ラポール形成とは「信頼関係を築くこと」

ラポール形成の「ラポール」とは、フランス語で「架け橋」という意味です。自分と他者との間に橋を架けるように信頼関係を築き、良好な人間関係を保つことを指して用いられます。

ただしラポール形成は、自分が相手を信頼したり、よい関係が築けていると感じたりするだけでなく、相手も同様に感じていなければなりません。
ラポールはもともと精神医療の現場で用いられていた言葉で、「教官に基づく信頼関係」を意味していました。

したがってビジネスシーンにおけるラポール形成は、双方向の円滑なコミュニケーションなどによって良好な信頼関係を構築することといえるでしょう。

 

ラポール形成の原理(3原則)

ラポールには以下の3原則とされる要素があります。

相手を肯定・尊重する

良好な関係を築くにあたり、相手の他者には踏み込めない世界観を尊重することが最も大切です。
「相手をコントロールしたい」といった支配者的感情では、真のラポールを形成することはできません。

コミュニケーションを一過性のものにしないためにも、具体的な行動の1つとして挙げられるのが「傾聴」です。

傾聴とは、相手の話したいことに対して深く丁寧に耳を傾け、相手に肯定的な関心を寄せ、内容の真意をはっきりとさせながら、共感的理解を示すコミュニケーションの技法です。
話を聞いている時に頷いたり、微笑んだりする仕草でも「共感」を示すことができます。

類似性・行動の同調

ラポールにおける類似性・同調の法則は、二人の姿勢が似ていたり、身振りなどの行動が一致することです。
行動が同調すると一体感が生まれ、相手に安心感や好感を抱くようになります。

会話が弾むことで環境や生い立ち、好きなスポーツや趣味など、類似性を発見できるポイントはたくさんあります。
類似性を見つけることで心の壁も薄まり、ラポールが形成されていくのです。

ペーシングとリーディング

ペーシングとは、話し方や呼吸のペース、視線などを相手に合わせることです。
類似性にも通じるところですが、お互いの距離感を縮めたり、安心感や親しみやすさを与える効果があります。相手の言語や非言語に配慮することも含まれます。

ペーシングにより距離を縮めた後は、質問や提案を会話に含めて会話をリードする「リーディング」が有効になります。
ペーシングとリーディングをセットで行うことでコミュニケーションの目的が達成されていきます。

 

ラポール形成の重要性

ビジネスシーンにおいて取引先とのラポール形成は非常に重要です。
ラポール形成には多くのメリットがあるので、営業職のビジネスパーソンはその重要性についてよく理解しておく必要があるでしょう。

ラポール形成が重要といえる2つの理由を見ていきましょう。

1.場に安心感が生まれる

もし会社内や取引先との間にラポール形成ができていれば、話し合いの場に安心感が生まれます。
お互いを信頼しているため、「何を言っても大丈夫だ」と感じることができ、忌憚のないコミュニケーションが取れるでしょう。
結果として、さまざまなアイデアが生まれたり、お互いの長所をさらに伸ばしたりすることができるのです。

2.社内・社外を問わず結束が強まる

ラポール形成の別のメリットは、結束が強まる点です。
もし社内でラポール形成が行われていれば、上司や部下といった立場を超えて、お互いを協力する仲間とみられるようになります。
自然と密にコミュニケーションを取るようになり、会社全体のパフォーマンスが向上することでしょう。
ラポール形成によって取引先との相互の信頼関係が築ければ、個人や企業の業績の向上に貢献することが期待できます。

 

ラポール形成の方法4つ

ラポール形成を円滑に行うためには、いくつかのテクニックが必要です。
営業職のビジネスパーソンは顧客と短時間でラポール形成を行わなければならないため、これらのテクニックを身につけておく必要があります。

ラポール形成の方法を4つご紹介します。

1.ミラーリング

ラポール形成の一つの方法は、「ミラーリング」です。
ミラーリングとは、その名の通り相手の仕草や行動を鏡のように合わせていく手法です。相手と動作を合わせることで気持ちを通わせることができます。
好意や共感を示せるので、ミラーリングはとても効果的です。ポイントは、相手からやや遅らせながらまねすることです。

ミラーリングしていることを相手に気づかれてしまうと、逆に不快感を与えてしまうでしょう。

2.キャリブレーション

キャリブレーションは、相手をよく観察することです。とくに言葉に表れない相手の心理を察するよう努力します。

口では大丈夫と言っていても、言葉の端々に心配事がある様子がうかがえるかもしれません。
相手が示すわずかなサインに反応すると、信頼を勝ち得やすくなります。

ただし初対面の相手にキャリブレーションを行う際には、警戒心を抱かせないよう注意が必要です。

3.マッチング

マッチングは、とくに音に焦点をあてた方法で、相手の声の大きさ、トーン、テンポに合わせて会話を進めていくものです。
会話の中でのミスマッチを防ぐため、声の大きさや会話のテンポを調整します。
これにより会話が上手になり、信頼関係を築きやすくなるでしょう。

4.バックトラッキング

バックトラッキングは、オウム返しのことです。
オウム返しというとあまりよいイメージが湧きませんが、相手の発言をしっかり聞いていることを示すのには効果的です。

ポイントは、相手の発言をそのまま、同じ言葉を使って会話を進める点です。ニュアンスを変えて話してしまうとラポール形成は難しくなります。

 

ラポール形成の活用シーン

ラポール形成を活用できるシーンは、仕事はもちろんプライベートにおいても多数あります。

今回は営業・福祉・恋愛での活用シーンをご紹介します。

営業

営業では、顧客となりえる相手と短時間でラポールを築くことが望ましいです。

メリットとしてはまず、信頼してもらうことにより商品を買ってもらいやすくなります。
ラポール形成を高めれば、お客様がリピーターとなり、契約の更新や関連商品の購入もしていただけます。
しっかりとお客様とラポールを形成することで、気持ちよく営業の仕事に取り組めます。

福祉

福祉の現場でカウンセリングを行う場合もラポールが役立ちます。

カウンセリングの現場では、個人情報の保護や守秘義務が徹底されています。
カウンセラー自身や他のスタッフの個人情報を教えることもできないため、より高度なラポール形成テクニックが求められます。

カウンセリングによって目的を果たせるかどうかは、ラポール形成の度合いによるところが大きいでしょう。
ラポールがしっかりと築けていなければ、カウンセリング相手は安心して感情を吐露することができません。

恋愛

ラポール形成は恋愛関係の構築においても重要です。ラポールを意識した会話や振る舞いをすることで、相手との親密度が大きく変わってきます。
相手を観察することで、「何を考えているのか」「どんな気持ちでいるのか」といった点が見えて来るようになり、ラポールのテクニックを用いることで、会話が自然と弾むこともあります。

性別や年代が異なる場合、言葉遣いを相手に近づけることも大切です。
「知的だな」「言葉遣いが丁寧だな」といった、相手からの好感度を高めるためにも、会話では口調を意識するようにしましょう。

 

上手にラポールを築くためのコツ3つ

ラポールを築くための以下3つのコツを解説します。

相手の価値観を知る

相手が大切にしている価値観は、仕事、家庭、経済など、さまざまな場面で常に大切にしているものなので、それらを知ることにより深くラポールを築くことができます。
相手の価値観を知って認めることで相手は嬉しいので、心証を損なうリスクを防いだり、気が合うというような親近感が生まれたりします。
価値観を見いだせるような話になった時には、より相手を尊重しながらコミュニケーションをとり、その人の価値観を聞き出せるようにするのもコツの一つです。

相手のメタプログラムの傾向を理解する

メタプログラムとは、その人の考え方のクセのような本人の自覚がない無意識のプログラムのことです。
主体性、方向性、スコープに分類され、それぞれにまた2つのタイプがあります。

相手や自分がどのタイプかを知ることで、タイプごとにどういった言葉を話していくかを考えていくとラポールを上手にとれますが、
相手や自分のメタプログラムの傾向を理解していないと努力が水の泡になってしまいます。

相手のタイプに合わせてアプローチする

人は情報処理をする際には「視覚タイプ」「聴覚タイプ」「身体感覚タイプ」の3つの癖があるので、
正しくラポールを築くためには、相手のその3つのタイプに合わせてアプローチすることが大切です。

視覚タイプは、目で見たことを重視した言葉を早口で話すタイプです。そのため、リーディングする時は図や絵を使って説明すると効果的です。

聴覚タイプは、耳で聞いたことを意識して使うタイプです。
論理的、理論的に話そうとすることが多いので、腕組みをしたり、うんちくが好きだったり、権威に弱い傾向もあり、
コミュニケーションをとる時にはこちらも論理的に話を進める必要があります。

身体感覚タイプは、話していくスピードがゆっくりで、会話での居心地の良さをもとめるタイプです。
なのでコミュニケーションを上手にとるためには、順番に一つずつゆっくりと話していくのがポイントです。

 

ラポール形成によって円滑なコミュニケーションを取ろう

ラポール形成は良好な信頼関係と円滑なコミュニケーションを促進します。取引先との関係だけでなく、社内の上司や同僚との人間関係もよくなるでしょう。
ラポール形成によって、より円滑なコミュニケーションが取れるようになるのです。

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