2020/11/18 22:28
経営
人材育成による課題とは【人材育成/モチベーション】

企業の事業発展、生産性向上に欠かせない経営課題の1つに、人材育成があります。
「人材育成が上手く行かない」という企業の多くは、育成する側である上司が多忙で人材育成に時間が割けない、
育成担当者の指導意識や育成スキルが低い、育成される側の部下に自己研鑽の意識が低いとった課題を抱えています。
まずは課題となる問題点をしっかりと理解し、適切な解決策を講じましょう。
この記事では、人材育成における3つの課題と、その解決策についてご紹介いたします。
人材育成における3つの課題と解決策
人材育成は、企業にとって重要な経営課題の1つです。
人材育成を円滑に、効率的に進めるためには、企業が次の3つの課題を理解し、解決策を講じる必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。1. 業務が多忙なため育成に時間が割けない
団塊世代の定年退職や、少子化による新卒社員の減少が続くなか、多くの企業が人材不足の問題を抱えています。
人材育成の指導を担当するのは中間管理職や経験のある社員ですが、自身の業務が多忙を極め、
人材育成の時間を割けないケースは少なくありません。
特に現場で実務を通じて指導を行うOJTの場合、納期の進捗遅延、変則的なトラブルなどの発生などを理由に、
育成指導がストップしてしまうことがあります。
この課題を解決するには、育成指導を担当する上司が業務内容を見直すことが重要です。
自身の業務とは別に育成指導を行うのではなく、「育成指導も本来の業務のひとつ」であることを認識し、
業務中にOJTを組み込むことで対応します。
また、育成の対象者に「やるべき業務」「業務の目的・必要性」「業務を遂行することで得られる成果」を
十分に理解させるために、具体的な人材育成計画書を作成しておくことも重要です。
2. 担当者の指導意識や育成スキルの不足
業績優秀、またはスキルが高い人が、必ずしも指導意識や育成スキルが高い指導者なわけではありません。
厚生省の調べでは、近年管理職に不足している能力や資質について、
「部下や後継者の指導・育成力」を挙げる企業が61.7%と、全体の半数以上を占めました。[注1]
人材育成を行うにあたって必要な育成スキルとは、業務のやり方をわかりやすく指導することと、
教育する対象者のモチベーション管理です。
人に教えるという行為はとても難しく、指導する側にもある程度の経験が必要です。
育成指導に携わる管理職や先輩社員には、人材育成のための研修をうけてもらい、育成スキルの底上げをしましょう。
指導方針や育成担当者との意識の乖離などに悩んでいる社員がいる際は、組織全体で積極的にフォローすることが重要です。
また、はじめのうちは人材を育成する自覚や認識が除している場合も多く、
育成対象者とのコミュニケーション不足などで、信頼関係が構築できないケースがあります。
育成担当者は、人材育成は企業の生産性の向上に欠かせない業務であることを自覚し、指導意識を高めることが求められます。
[注1]厚生労働省:平成26年版 労働経済の分析「人材育成の現状と課題」
3. 従業員に意欲がない
育成担当者が熱心に教えても、育成される対象者の意識が低ければ、良い成果は生まれません。
特に新卒社員の中には、社会人としての自覚がまだ薄く、仕事に対する熱意が低い場合があります。
「指導が全く響いていない」「モチベーションが低い」といった理由で、人材育成が上手く行かず、
担当者が頭を抱えてしまうケースは少なくありません。
人材育成において指導者となる上司は、対象者の部下の意欲向上に働きかけ、
スキルアップへのモチベーションを高める必要があります。
仕事ぶりや努力を積極的に褒める、ある程度の仕事は任せながらも、行き詰まったときや困ったときはサポートする、
気軽に相談に乗れる雰囲気で接するなど、部下が上司を信頼し、働く意欲を出せるよう環境作りを心がけましょう。
育成対象者と年齢の先輩社員をメンターとして抜擢するのもおすすめです。
部下は、業務以外での悩みや不安点などを気軽に相談しやすくなり、先輩社員は将来自分が育成指導者になったとき、
メンターの経験が役に立つでしょう。
人材育成を円滑に進めるには課題の理解と適切な解決策が重要
企業にとって重要な戦略課題のひとつ、人材育成には、育成担当者が多忙で育成が後回しになる、
育成担当者の育成スキルの欠如、育成される側の意識の低さなど、さまざまな課題があります。
企業はそういった課題と向き合い、ひとつひとつに適切な対処を行う必要があります。
人材育成はお金や時間をかければよいというものではなく、教育担当者の熱意、そして育成スキルの底上げが大切です。
また、教育される側の意識や、モチベーションを向上させることも、人材育成を円滑に進めるためには欠かせないポイントでしょう。