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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/07/15 15:55

人材育成

働き方

怠け者を許す働きアリの法則とは?組織にあてはまる理由や活用法を解説

読了まで約4分

「働きアリの法則に興味がある」「働きアリの法則を社員教育に活かす方法を知りたい」そのように考えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、働きアリの法則の概要や人間社会との関係性、社員教育に活かす方法をわかりやすく解説していきます。
自社の人材教育の参考にしてください。

働きアリの法則とは?

まずは働きアリの法則の概要について説明します。
働きアリの法則の意味だけではなく、研究によって証明された理論であることを詳しく解説するため、基本事項の理解に繋げてください。

働きアリの法則の意味

働きアリの法則(別名2:6:2の法則)とは、集団を「よく働く・普通に働く・働かない」に分類したときに、よく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、働かないアリが2割に分かれる性質があるという理論です。
人間社会にも応用できる法則として知られています。

たとえば、会社内でハードに働く社員は全体の2割、それなりに働く社員が6割、働かない社員は2割に分かれる傾向があります。
仮に100人の社員がいた場合は、20人がよく働き、60人が普通に働き、20人が働かないということです。

ただし、働き者の社員を残しても法則は変わりません。
つまり、よく働く20人の社員のみで組織を構成したときに20人の2割にあたる4人は勤勉に働き、6割の12人は普通に働き、残りの4人はさぼりやすくなるということです。
逆に働かない社員のみで組織を構成しても同じ比率になるといわれています。

2割が働かなくなる原因として反応閾値(はんのういきち)が関連していると考えられています。
基本的なスキルに差はなくとも、行動スピードが早くフットワークが軽い上位2割と6割に仕事が集まるため、残り2割の社員の働きが悪くなるのです。

働きアリの法則は北海道大学の研究で証明

働きアリの法則は、長谷川英祐準教授(北海道大学大学院農学研究院)が2012年に『働くアリだけのグループにしても働かない個体が現われることを証明』の中で明らかにしたものです。

研究成果の概要は次のとおりです。
「シワクシケアリのコロニーにおいて、働きアリの働き度合いのバラツキは大きく、よく働くアリもいれば、働かないアリもいる。働くアリだけ、もしくは働かないアリだけのグループにしてもバラツキ度合いは変わらず、産卵能力や年齢とも関係がない」

また、研究手法と成果は次のとおりです。
「働くアリと働かないアリのバラツキ度合いは変わらないことから、偶然で生じるものよりもはるかに大きく、何らかの機構によって再現される。その原因は、仕事への刺激に対する反応強度に差があることだと考えられる」

研究の詳細に関しては、以下で確認してください。
出典:北海道大学 PRESS RELEASE「働くアリだけのグループにしても働かない個体が現われることを証明」

 

働きアリの法則と人間社会との関係性

働きアリの法則と人間社会の関係性として、働かない2割が生まれる原因、組織で働かない2割が必要な理由、個人の仕事量への活用、リーダーの役割にも必要な理由の4点を詳しく解説していきます。

働かない2割はなぜ生まれるのか

前述のように、働きアリの法則において働かない2割が生まれる理由には反応閾値が関係しています。
閾値とは、反応が起こる最低の刺激量を表す言葉です。
言い換えると、ある値を超えたときの反応の境目といえます。

反応閾値が低い社員は、ふとした刺激で素早く行動を開始しますが、反応閾値が高い社員は腰が重く、なかなか行動に移すことができません。
結果的に着手スピードに優れた社員に仕事が集中するため、働かない2割の社員が生まれると考えられています。
このように仕事に対する腰の軽さが成果に繋がるため、反応閾値による差は非常に大きいといえるでしょう。

組織に働かない2割が必要な理由

働きアリの法則では、2割の働かないアリが効率を下げているとも考えられますが、よく働くアリばかりの集団では、全体が疲労して動けなくなったときに組織を維持できません。
その場合に働かないアリが交代して働くことで、集団内の致命的なダメージを防止できます。

働きアリの法則と類似しているパレートの法則(別名80:20の法則)では、上位2割の要因が結果の8割を生み出すと考えられています。
たとえば「全商品の2割が全体の8割の売上をカバーしている」「全体の2割の顧客によって売上の8割が発生している」といった内容です。

働きアリの法則においてもハードに働く2割の社員が8割の成果を生み出していると想定した場合、その2割の社員が疲労して動けなくなれば、8割の成果が生じないことになります。
しかし交代して働ける2割の社員が常駐していることで成果を維持しやすくなるということです。

個人の仕事量にも活用できる

働きアリの法則は集団だけでなく、個人の仕事量にも活用できます。
全体の2割の時間は根を詰めて働く、6割の時間は普通に働く、残り2割の時間は余裕を持って働くといった区分けです。
わかりやすく1日10時間労働と考えると、最大限に集中して2時間、普通に集中して6時間、余裕を持って2時間といったペースになります。

人間の集中力には限界があるため、心身の健康を保って効率よく仕事を進めるには働きアリの法則を意識した配分が大切といえるでしょう。
決して、さぼってもいいというわけではなく、よりよい仕事を継続するために自分の中でペース配分を意識して働くということです。

働きアリの法則はリーダーの役割にも必要

リーダーシップを発揮してプロジェクトを成功に導くのはリーダー(上司)の大切な役割ですが、それだけでは十分ではありません。
プロジェクトが成功しても、メンバー(社員)が指示通り動くだけでは必ずしも卓越したリーダーとはいえないでしょう。

評価されるリーダーは、メンバーを成長させることができます。
働きアリの法則で考えると働かない2割のメンバーの自主性を促すことで働きアリに昇格させる力が必要です。
つまり、働きアリの上位2割を、3割、4割、5割と増やしていく力が求められるのです。

前述した個人のペース配分に関してもリーダーは気を配る必要があります。
根を詰めて働きすぎるメンバーがいれば、「もっとゆっくり働いてもいいよ」と適切なタイミングで声をかけ、逆にだらだら時間を過ごしすぎるメンバーに対しては、「そろそろペースを上げて働こう」と声をかける、などの対応です。

 

働きアリの法則を社員教育に活かす方法

働きアリの法則を社員教育に活かす方法としておさえたいのはアプローチの工夫です。
よく働く2割、普通に働く6割、働かない2割、それぞれに対して適切なアプローチを行う必要があります。

よく働く2割へのアプローチ

よく働く2割の社員に対しては、昇格させて権限を与えることで他の社員の手本となる優れたリーダーになる可能性があります。
もともと積極的に仕事に取り組む層であるため、普段から業務への理解度が深く、部下からの質問にも的確に答えられる傾向です。
そのようなマネジメントに携わるポジションに置くことで本人の更なる能力向上も期待できるため、積極的なキャリア育成が大切といえます。

他にも、自己成長に繋がる高い目標を与えることにより、能動的なスキルアップが期待できるでしょう。
全体の2割に入る優秀な社員であれば、多少難易度が高い目標であっても障害を克服しながら達成する可能性が高いものです

ただし、無謀すぎる課題は逆効果になりかねないため、実現の可能性が見込まれる目標設定が重要です。

普通に働く6割へのアプローチ

普通に働く6割の社員に対しては、モチベーションを高めるために学ぶ機会を与えることが大切です。
特に、よく働く2割との関わりを増やすことで理想像を形成する効果が期待できます。
そのため、上位2割の社員から研修を受けるなどの対策が効果的でしょう。

具体的にはメンター制度や1on1ミーティングの導入などが挙げられます。
メンター制度とは、上司とは別の先輩社員がサポートする制度であり、1on1ミーティングは上司と部下の個別ミーティングです。
そのような対策を積極的に行いながら適切な目標を与えることで、自主的に行動する社員が増える効果が期待できます。

働かない2割へのアプローチ

働かない2割の社員に対しては、まず成果が上がらない理由の振り返りが大切です。
仕事の進め方に問題があったり、本人の適性と仕事内容が大きくずれたりしている可能性もあります。

前者の場合、どのプロセスに問題があるのかを本人に自覚させたうえで克服方法を上司と共に考える必要があるでしょう。
後者の場合は社内状況が許すのであれば、別な部署・部門への配置転換によって解決する可能性があります。

いずれにしても重要なのは、仕事に積極的になれない理由を本人に聞くことです。
どれほど優秀でポテンシャルが高い社員でも、上司との相性が悪すぎる、もしくは上司側に問題があってスムーズに能力を発揮できないケースもあります。

他にも、仕事で手を抜いているにもかかわらず上司の懐に飛び込むのがうまい社員が高い評価を受けていれば、他の社員は消極的になるものです。
先入観を排した平等なアプローチが働かない2割に対しては重要といえます。

 

働きアリの法則の活用は継続的な企業成長を促す

働きアリの法則とは、よく働くアリが2割、普通に働くアリが6割、働かないアリが2割に分かれるという理論です。
人間社会の場合も、反応スピードが早い社員に仕事が集中することで、働かない2割の社員が生まれると考えられています。

働きアリの法則を社員教育に活かすには、よく働く2割の社員、普通に働く6割の社員、働かない2割の社員、それぞれに合ったアプローチが大切です。
特に、働かない2割の社員が成長することで継続的な企業成長が見込まれるでしょう。

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