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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/06/22 15:11

経営

バリューチェーン分析とは?意味や手法・メリット・事例をまとめて紹介

読了まで約4分

「自社の事業の状態を明らかにしたい」「自社の強み・弱みを把握して改善につなげたい」と考えている中小企業の経営者も多いのではないでしょうか。
そのような悩みは、バリューチェーン分析によって解決できる可能性があります。

本記事ではバリューチェーン分析の概要、構成要素、目的、メリットなどを解説していきます。
バリューチェーンに成功した企業の事例や、業界別のバリューチェーンについても紹介するので参考にしてください。

バリューチェーン分析とは

バリューチェーン(Value Chain)とは、原材料の調達、商品の生産、顧客に届くまでの企業活動の連鎖(チェーン)を、「モノの連鎖(サプライチェーン)」だけでなく「価値の連鎖(バリューチェーン)」として捉えたものです。

バリューチェーン分析とは、「価値の連鎖(バリューチェーン)」を各活動ごとに切り分けて分析するフレームワークであり、競争優位性の強化や業務効率化に役立ちます。

そもそもバリューチェーンという言葉は、アメリカの経済学者、マイケル・ポーター教授の著書「競争優位の戦略(Competitive Advantage)」の中で使用された用語です。

サプライチェーン分析との違い

サプライチェーン分析は、原材料の調達から始まり、顧客が商品を購入するまでのプロセスの「供給量」に注目します。
過剰在庫の減少や物流管理などに役立つ分析手法です。

一方のバリューチェーン分析は、上記のプロセスに加えて、「技術開発」や「企業インフラ」などにも注目します。
「企業活動のプロセスの連鎖によって価値が生まれる」という考え方に基づく分析手法です。

 

バリューチェーン分析の構成要素

バリューチェーン分析の構成要素は、企業の主活動と支援活動の2つの要素で成り立っています。
それぞれの概要について解説します。

主活動

バリューチェーン分析における主活動とは、原材料の調達から流通、販売までの一連の活動を指します。

主な主活動として、購買物流(商品の企画、原材料の入手・貯蔵・配分) 、製造(原材料の加工や品質管理)、出荷物流(梱包、補完、輸送、受注処理)、販売・マーケティング(営業活動、プロモーション、販売)、サービス(商品のメンテナンスやカスタマーサポート)などがあります。

支援活動

バリューチェーン分析における支援活動とは、主活動を支えるための活動を指します。

主な支援活動として、調達(原材料や物品・サービスの購入)、技術開発(製品開発、生産工程の効率化)、人事・労務管理(給与の支給、人材育成、社会保険・雇用保険の手続き)、企業インフラストラクチャー(通信機器、公共設備)などがあります。

 

バリューチェーン分析の目的

バリューチェーン分析は自社の事業を主活動と支援活動に分類します。
それによって事業工程を見える化し、どの工程で利益が出ているのか、どの工程がどのような付加価値をもっていて、反対にどこに課題があるのかを見極めるという目的があります。

付加価値とは、商品・サービスに何かしらの価値を加えることにより、顧客の満足度や実用性がアップするものを指します。
たとえば、商品の質の高さ、商品アイテム数の多さ、正確さ、精密さ、使いやすさなどが挙げられます。

バリューチェーン分析によって利益、付加価値、課題を知ることにより、コストカットや自社サービスの見直しなど、戦略の改善に役立つというメリットがあります。

 

バリューチェーン分析のメリット

バリューチェーン分析を行う主なメリットには以下があります。

  • コスト削減できる
  • 自社サービスの見直しができる
  • 競合他社の活動予測が可能
  • 経営資源の再分配ができる

それぞれ解説するので参考にしてください。

コスト削減できる

バリューチェーン分析により、商品に付加価値が付くまでの各工程の貢献度、およびコストの割合を把握できます。
その結果、貢献度が低い工程にコストを投下しすぎているかどうかや、逆に貢献度が高いにもかかわらずコストが足りない状況などが分かります。

経営リソースを投下しすぎている場合はコストがかかりすぎているので削減し、その分を後工程の経営リソースが足りない部分に回すという戦略が可能です。

自社サービスの見直しができる

バリューチェーン分析の目的にあるように、「どの工程で価値を発揮できているか」を把握できるため、サービス全般の見直しが可能です。

たとえば主活動のうち、製造の工程に強みがあれば現状維持を図る一方、販売・マーケティングの工程が弱ければ強化するなどの対策が考えられます。
支援活動に関しても、技術開発が強ければ現状維持、人事・労務管理が弱ければ社内システムの見直しなどを検討できます。
もしくは強みをさらに伸ばす一方、弱みに関しては現状維持にとどめるという考え方も可能です。

競合他社の活動予測が可能

バリューチェーン分析は自社だけでなく、競合の動きを把握できるというメリットがあります。
競合他社の課題や強みを知ることで、差別化戦略などが考えやすくなるでしょう。

たとえば、自社のメイン商品が競合と重なっている場合、「全く違う角度から新商品を開発する」といった対策が考えられます。
他にも、競合が狙っていない顧客ターゲットへの訴求や、消費者ニーズや市場の動向を踏まえた先回り戦略も立てやすくなります。

経営資源の再分配ができる

バリューチェーン分析によって、利益拡大に必要な工程のみに注力できます。
そもそも企業経営では、人、モノ、お金、情報といった経営資源の最適な配分が重要です。

前述したコスト以外の経営資源も適切に配分することにより、利益に貢献している工程を強化できるでしょう。

 

バリューチェーン分析の方法

バリューチェーン分析の主な流れは以下です。

  1. 主活動と支援活動に分類する
  2. 各活動のコストを計算
  3. 各活動の強みと弱みを整理

まずは商品・サービスに関する企業活動を「主活動」と「支援活動」に分類します。
その後、各活動のコストを算出しましょう。
たとえば、主活動である購買物流のうち、原材料の入手や出荷物流の梱包に関するコストなどを計算します。

次に、各活動の強みと弱みを整理します。
コストも参考にしながら、「自社の強みはどこにあるのか?」「自社の弱みには何があるのか?」を考えるステップです。

たとえば、自社の強みとして「メイン商品が競合他社と差別化されている」「競合他社よりもSNSマーケティングが強い」などがあるかもしれません。
一方の弱みには「商品の企画力が弱い」「物流拠点が少ない」などが考えられます。

上記のような強みと弱みを把握した後、あらためて「どの活動に経営資源を投下するか」を検討することになります。

 

バリューチェーン分析のIKEAの事例

スウェーデン発祥の世界的な家具量販店であるIKEAは、バリューチェーン分析によって経営改革を行った企業の1つです。

IKEAはバリューチェーンの「物流」に注目し、完成品の家具ではなく、顧客に組み立ててもらうことを前提に販売した結果、以下の成果を得ています。

  • 倉庫スペースの削減
  • 物流コストの削減

組み立てる前の家具なので倉庫スペースを削減できたうえに、完成品よりも荷物が小さいため物流コストのカットに成功しています。

なお、顧客が自分で組み立てて完成させるスタイルは「IKEA効果」と名付けられています。

 

業界別のバリューチェーン

最後に各業界のバリューチェーンとして、小売業、製造業、農業の例を紹介します。

小売業

商品を仕入れて消費者に販売する「小売業」のバリューチェーンは以下です。

  1. 企画
  2. 仕入れ
  3. 店舗運営
  4. 集客
  5. 販売

小売業は商品を製造しないため、企画、仕入れ、店舗運営、集客、販売、サービスが主活動に分類されます。

特に注目したい工程は企画、仕入れ、販売です。
企画によって「どの商品を仕入れるか」が決まりますし、納期の長短は仕入れに直結します。
また、販売時の接客態度が優れていれば、顧客のリピート購買につながるでしょう。

製造業

原材料などを加工して製品を生産する「製造業」のバリューチェーンは以下です。

  1. 購買
  2. 加工・製造
  3. 物流
  4. 販売

製造業は製品を生み出すビジネスモデルのため、購買、加工・製造がメインとなり、その後に物流と販売があります。

特に注目したい工程は購買と加工・製造です。
購買時に独自の仕入れルートがあればコストを抑えられる可能性がありますし、製造技術が高ければ質の高い製品を製造できます。

農業

土地で植物・動物を育てて生産物を得る「農業」のバリューチェーンは以下です。

  • 生産
  • 収穫
  • 加工製造
  • 流通
  • 販売

近年、農業においてもバリューチェーンが注目されています。
農産物の生産から販売までの各工程を付加価値としてつなげ、価値を生み出すフードバリューチェーンという考え方です。

つまりフードバリューチェーンとは、農産物が消費者に届くまでのつながりの中で、人や企業が協力して付加価値の高いものを生み出すという仕組みを指します。

 

バリューチェーンを把握しビジネスを最適化しよう

バリューチェーン分析とは「価値の連鎖」を各工程ごとに切り分けて分析するフレームワークです。
主なメリットとして、コスト削減、自社サービスの見直し、競合他社の活動予測、経営資源の再分配があります。

分析方法の流れは次のとおりです。

  1. 主活動と支援活動に分類する
  2. 各活動のコストを計算
  3. 各活動の強みと弱みを整理

なお、バリューチェーン分析のようなフレームワークは客観的な視点が大切です。
そのためには数多くの中小企業の経営を支援している外部コンサルサービスの利用がおすすめです。

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