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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

2022/10/28 17:31

労働環境とは?法律で定められている基準や日本企業の課題・改善策など詳しく解説

2019年より、政府が「働き方改革」の推進を開始したことで、昨今では労働環境の改善を目指す企業が増えています。
経営者や人事担当者にとっては悩ましい課題かもしれませんが、労働環境を整備すると、社員の生産性向上やエンゲージメント向上といったメリットが期待できるのです。

本記事では、労働環境に関する基礎知識や日本企業における一般的な課題や解決策などを解説します。

 

労働環境とは

労働環境とは、会社で働く社員を取り巻く環境のことです。
単にオフィス環境だけでなく、労働条件や労働時間、職場内の人間関係など、労働に関連するあらゆる環境を含みます。

労働安全衛生法3条の1では「事業者は、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、労働者の健康と安全を確保しなければならない」旨が定められています。
つまり、会社は労働環境を整え、社員が心身ともに安全・健康に働けるよう配慮する義務を持っているのです。

 

労働安全衛生法で定められている基準


労働安全衛生法では、社員の心身に悪影響を及ぼす環境要因として、3つの基準を定めています。

  1. 気候的条件
  2. 物理的条件
  3. 科学的条件

それぞれの項目について詳しく解説します。

気候的条件の基準

気候的条件とは、室温や湿度、気圧、風速、紫外線など、気候によって左右される要因です。
ほかにも、室温を上昇させるパソコンや複合機といった機械類の放射熱も含まれます。

たとえば、夏場はエアコンを使用しないと室温が高くなりすぎて仕事に集中できません。
温度調節をしない場合、社員が熱中症になる可能性も考えられます。

このように、気候要因に対する対策を行わないことで生産性を低下させるだけでなく社員の健康を害するリスクもあるのです。

物理的条件の基準

物理的条件としては、機械の出す振動や騒音、粉塵、超音波、放射線、オフィスの照明や色味、採光などが該当します。
これらの物理的な阻害要因が強い環境で長期間働いていると、体調不良が慢性化したり、職業病を引き起こしたりする可能性があります。

大きな機械を社内に設置していなくても、パソコン周辺機器や複合機、シュレッダー、キーボードのタイピング音が騒音や振動の原因になるケースも考えられます。
対策として、設置場所の変更や吸音パネルで覆うといった工夫が必要です。

科学的条件の基準

科学的条件としては、粉じんや有害物質、ガス、水蒸気、病原体、臭気などがあげられます。
これらの物質を吸い続けることで、肺の病気やめまい、意識障害などの体調不良を引き起こすリスクが高まるのです。

オフィス内であっても、化学物質による健康被害が起こる可能性があります。
例えば、日本では1990年代に建物の塗料や接着剤に含まれるホルムアルデヒドという物質が「シックハウス症候群」を引き起こすとして、全国的に社会問題となったことがありました。(※)

現在の建材ではホルムアルデヒドの使用は控えられていますが、定期的にオフィス内の空気を測定し、対策を講じることが必要です。

※出典:科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)|厚生労働省

 

日本における労働環境問題の課題

我が国では、実際にどのような労働環境問題が顕在化しているのでしょうか。
代表的な4つの課題を解説します。

低賃金が改善されない

賃金は、仕事に対するやりがいやモチベーションだけでなく、社員の精神状態を左右する重大な要素です。
仕事内容に対してあまりにも賃金が低すぎると、社員が強い不満やストレスを抱えてしまいます。
さらに、低賃金によって生活レベルが低下したり、十分な貯金ができなかったりすると、将来への不安が強まり精神状態が悪化することもあるのです。

厚生労働省が行っている「国民生活基礎調査」によれば、1世帯あたりの平均所得は1994年の664.2万円をピークに、2018年には約17%も減少しています。
労働者の給与低下は改善の兆しが見えず、社会的な課題となっています。(※)

※出典:グラフでみる世帯の状況|厚生労働省政策統括官

長時間労働の発生

慢性的な長時間労働も、社員の心身の健康に多大な影響を与えます。

長時間労働が続くと肉体的・精神的な負担が大きくなり、集中力が低下してミスや事故の原因となります。
場合によってはうつ病や過労死など、重大な事案を引き起こした例も少なくありません。

厚生労働省の調査では、労働時間に関する設問において「あと少し減らしたい」「もっと減らしたい」と答えた労働者が36.2%という結果になりました。
さらに、1週間の労働時間が長いほど労働時間に対する不満が大きく上昇することも明らかになっており、労働時間は社員のエンゲージメントに直結する問題であることがわかります。(※)

※出典:労使双方からみる働き方の現状と課題|厚生労働省

人手不足による個人への負担

過剰な人件費削減による人員不足も社員の負担を増加させます。

厚生労働省の調査では「人手不足が会社経営に影響を与えている」と答えた企業は全体の約72%に及んでいます。
具体的な影響としては「残業時間の増加、休暇取得数の減少」との回答が最も多く、次いで「能力開発機会の減少」「離職者の増加」「従業員の働きがいや意欲の低下」などがあがっています。

人手不足により社員個人の負担が増加すると離職者が増え、さらに人手が不足するという悪循環に陥ってしまうのです。
賃金や労働時間の見直しを図り、社員の離職を防ぐ対策が求められます。(※)

出典:令和元年版 労働経済の分析|厚生労働省

労働生産性の低下

労働生産性とは、従業員1人あたりまたは1時間あたりに生産できる成果を数値化した指標です。
労働の効率性を測る指標であり、生産性が高いほど労働力を効率的に活用できているといえます。

労働生産性(円)=労働による成果÷労働投入量(従業員数または時間当たりの労働量)×100

労働生産性の低い企業は賃金が低く、長時間労働が常態化しているという共通点があるとされています。
利益率が低いため人件費を削らざるを得ず、個人の負担が増加し、長時間労働が増えてしまうのです。

つまり、これまであげてきた労働環境における問題と労働生産性の低下は相互関係にあるといえます。
ひとつの問題を解決するためには、それ以外の労働問題もあわせて解決を図る必要があるのです。

 

労働環境問題の改善策


労働環境問題を改善するための具体的な施策を6つ紹介します。

社内アンケートを実施する

自社の労働環境に対して社員がどのような不満を抱えているのか、社内アンケートをとると効果的です。

経営者の視点のみで改善施策を考えても、社員が感じている意外な不満を汲み取れていないかもしれません。
とはいえ、直接顔を合わせる上司面談や会合などの場では、会社に対する不満を口に出しづらいものです。

秘匿性の高いアンケート方式であれば、社員の率直な意見を汲み取ることができます。
特定の項目について「良い〜悪い」までの5段階評価で答える形式にすると、結果を数値化して改善に役立てられます。
最後は自由記入欄を設けることで、より詳細な意見を募れるでしょう。

テレワークなど多様な働き方を導入する

多様な働き方を導入すると労働の自由度が高まり、社員の満足度向上が期待できます。

従来の働き方では社員は決められた就業時間までに出社し、所定の労働時間だけ働くワークスタイルが常識でした。
しかし、子育てや介護といったライフスタイルの変化に対応しづらいため、離職に繋がりやすい点が問題視されていたのです。

コロナ禍でテレワークが普及したこともあり、昨今では多様な働き方を認める企業が増えています。
フレックス制度や時短勤務など制度の充実を図ることは、職場に対する愛着を深めることにもつながります。

メンタルヘルス対策を行う

精神障害による労災認定は年々増加傾向にあることから、厚生労働省は企業に対して社員へのメンタルヘルスケアの実施を推進しています。
ケアの内容として、次の4つが提示されています。

  1. セルフケア
  2. ライン(職場の管理監督者)によるケア
  3. 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
  4. 事業場外資源によるケア

直属の上司などの管理監督者は、職場におけるストレスを取り除き、改善を行える立場です。
そのため、まずは管理監督者が部下の変化に気付き、声掛けやフォローをする姿勢が求められます。

より専門的なケアが必要な場合には、会社の産業医や外部のケアサービスとスピーディに繋がれる体制があると理想的です。(※)

※出典:職場における心の健康づくり|厚生労働省

相談窓口の活用を周知する

メンタルヘルスの専門家とスピーディにつながる施策としては、相談窓口を設置して社内周知を進めることも重要です。
社内に相談先があることも大切ですが、社内の人員には会社の不満を伝えづらく、正直に気持ちを打ち明けられないかもしれません。
また、ハラスメントについて相談したいときも、訴えたことが加害者に伝わってしまう懸念があり、安心して相談できない可能性があります。

社内相談先だけでなく、以下のような社外相談窓口があることも、同時に周知を進めると良いでしょう。(※)

※参考:相談機関紹介|厚生労働省

人材を多様化する

人手不足を解消するには、人材の多様化を目指す取り組みが効果的です。

従来の日本企業では「大学卒・日本国籍」を採用条件に掲げる企業が多数派でした。
しかし、労働力人口が減少の一途を辿る現代では、この条件にこだわっていては人手不足を解消できません。
社会のグローバル化に合わせて、自社の採用条件も変化させる必要があるのです。

中卒・高卒者やグローバル人材、高齢者雇用などを進めると、これまで社内になかった価値観や技能を取り入れられるかもしれません。
ダイバーシティ(多様性)を推進する企業として、求職者へのイメージアップにもつながります。

ITツールで業務の効率化を図る

業務効率を高めて労働生産性を向上させるには、ITツールの導入がおすすめです。

日本は他の先進国と比べるとテクノロジーの活用が遅れているといわれています。
ITツールによって業務効率を改善することで、労働生産性の向上が期待できるのです。

たとえば、社内チャットツール、Web会議システム、経費申請のクラウド化、人事評価システムの導入などが考えられます。
社員が使い方をマスターし、社内に浸透するまでは時間がかかるかもしれませんが生産性の向上には必須といえるでしょう。

 

労働環境の問題点を改善し生産性の向上につなげよう


社員が安心して働ける労働環境の整備は企業の義務です。
しかし、企業にとっても生産性や社員エンゲージメントの向上、離職の防止など、様々なメリットが得られます。

昨今では、働き方改革が推進されており、労働環境に関して社会が企業に向ける目は一層厳しくなっています。
自社の労働環境を改めて見直し、改善を進めていきましょう。

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