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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/03/27 15:52

業務効率

仕事のマニュアル化は必要?標準化の効果や作成手順を紹介

読了まで約4分

業務管理や新人育成を担当している人事や管理職社員は「業務の成果にバラつきがある」「新人教育に時間がかかりすぎている」など、社内業務の非効率を課題に感じている方も多いことでしょう。
その場合、業務のマニュアル化を進めると無駄な手間やコストの削減になるだけでなく、組織全体の生産性や業績の向上につながるかもしれません。

この記事では、マニュアル化の目的やメリット・デメリット、マニュアルを作成する手順やポイントなどを詳しく解説します。

 

マニュアル化の意味

マニュアル化とは、最も効率的に仕事を運用できる方法を標準として定め、全社員に共有することです。
業務の方法だけでなく、遂行に必要な知識や品質基準などもマニュアルとして書類や動画などにまとめるため、どの社員でも一定のクオリティで業務をこなせるようになります。

マニュアル化は、誰が業務を担当しても同じ作業が発生する業務に向いています。
工場作業や窓口対応などが代表例です。反対に、クレーム対応や接客業など、ケースバイケースの対応が必要になる業務はマニュアル化に向いていないといえるでしょう。

 

マニュアル化のメリット

業務をマニュアル化すると、企業やチームにどのような変化があるのでしょうか。
まずは、マニュアル化のメリットから解説します。

新人教育やレクチャー内容の統一・仕組み化

一つ目のメリットとして、新人教育や業務レクチャーの内容を統一化・仕組み化し、教育コストを削減できる点があげられます。

上司や先輩社員がOJTで直接業務を教える場合、教育担当者の経験値やノウハウによって教育内容にバラつきが出るという問題があります。
担当者ごとに新人の理解度や成長スピードが異なっては、部署全体のスキル低下につながりかねません。
また、OJTは時間も手間もかかる方法であるため、教育担当者の通常業務を圧迫してしまう問題もあります。

業務マニュアルが確立されていると、教育内容を平準化できるだけでなく、新人が自分でマニュアルを参照しながら予習・復習ができるため、教育コストの削減につながります。

業務品質の均一化

マニュアルが確立していると業務品質にバラつきが出ることを防止でき、成果物のクオリティを均一化できます。

マニュアルがなく、作業プロセスが個人の手腕にゆだねられている状態だと、経験値やノウハウによって成果に差が出てしまいがちです。
ベテラン社員と新人社員の間でやり方が違ったり、チーム内で情報格差があったりすると、一定の品質を確保できません。

業務遂行に必要な前提知識やノウハウが文章化されていると、どの社員が対応しても同じ品質で仕事を進められるようになります。
単純なミスなどのトラブルも減り、顧客満足度の向上も期待できます。

属人化を解消

業務プロセスが明確になっていれば、業務の属人化も起こりづらくなります。

業務の進め方が各社員の手腕や経験に任されていると、一部の社員しか担当できない業務が出てきたり、業務負担に偏りが出てきたりします。
このように業務が属人化している状態だと「○○さんが病欠しているから、今日は業務を進められない」といった事態が発生し、チームの生産性を大きく落としかねません。

全ての社員がマニュアルによって統一された手順や知識で業務を遂行できるようになれば、このような属人化も未然に防ぐことができるでしょう。

業務時間の短縮・効率化

マニュアルには最も標準的な手順が記載されているため、業務時間の短縮やフロー全体の効率化にもつながります。

業務プロセスが明文化されていないと、社員によっては無駄な作業を行っていたり、効率が悪いやり方で行っていたりして、余計に時間がかかっている可能性があります。
さらに、誰かに質問したり正解のやり方を調べたりする手間も発生するため、さらに作業が滞ってしまいます。

マニュアルによって標準的な手順が明確になってると、全社員が同じ手順で作業を進めることができ、これらの手間の削減が期待できます。
作業成果をチェックする管理者の手間も削減できるため、チーム全体の生産性も向上するでしょう。

無駄を省いて売上向上

ここまで伝えてきた教育コストの削減や業務品質の均一化、属人化の解消、業務プロセスの効率化といったメリットが実現すれば、人件費などのコスト削減になり、最終的には企業全体の売上アップにもつながってくるでしょう。

教育コストの削減や属人化の解消は、特定の社員に業務負担が偏るのを防止できます。
すると、リソースをより重要な業務に割けるようになり、チーム全体の生産性が向上するのです。
また、業務品質の均一化や業務プロセスの効率化は、顧客への納品物のクオリティ向上につながります。

企業の競争力やブランド力の強化にもつながり、さらなる売上向上が期待できるでしょう。

 

マニュアル化のデメリット(問題点)

メリットの一方で、マニュアル化には一定のデメリットがあることも把握しておくべきです。
マニュアル化の代表的なデメリットを紹介します。

イレギュラー対応が難しい

あまりマニュアルに縛られすぎてしまうと「マニュアルにない事態には対応できない」といった社員が増え、イレギュラー対応が難しくなる可能性があります。
マニュアル通りに仕事を進めることに慣れてしまうと融通がきかなくなり、対応を依頼しても拒否する社員が出てくるかもしれません。

このような事態を防止するには、業務プロセスの全てをマニュアルで規定するのではなく、臨機応変な対応が必要になることを想定して作成するといいでしょう。

マニュアル作成・更新に手間がかかる

マニュアルを一から作成するには、作業担当者にフローをヒアリングし、それを基に文章化して階層構造に組み立てるなど、手間や時間がかかります。
通常業務と並行しながらマニュアル作りを行うと、担当者の業務を圧迫してしまうかもしれません。

また、マニュアルは1度作ったら終わりではなく、業務フローの変化や組織体制の変更に合わせて更新し続けなくてなりません。
更新が滞るとマニュアルが形骸化して使われなくなってしまう可能性も高まりますので、専用のツールなどを導入して更新漏れがないように注意しましょう。

自分の頭で考えなくなる可能性がある

臨機応変に対応する経験が不足すると、業務の進め方を自分で考えることが苦手な社員が増える可能性もあります。

普段の業務遂行をマニュアルに頼りきってしまい「マニュアルに書いてあることだけやっていればいい」と考える社員も出てくるかもしれません。
そうなると、業務に対する意欲や向上心も低下してしまいます。

マニュアルはあくまでも業務をスムーズに進めるためのものであり、内容は絶対ではなく自分たちで改善していくという意識を社員に共有していくといいでしょう。

 

マニュアルの作り方

ここでは、マニュアルの具体的な作り方を4つのステップに分けて解説していきます。

目的を決める

まずは、マニュアル作成の目的を決定します。
マニュアル作成では、読み手に何を伝えたいのか、どのように理解してほしいのかを明確にすることが重要です。
目的を明確にした上で、どのような構成やデザインが必要なのかを、逆算して考えていくといいでしょう。

業務整理をして文章化する

続いては、各業務フローを整理して文章化していきます。
業務フローの整理では、各工程の担当者にヒアリングし、業務のポイントを整理していくといいでしょう。
各行程の担当者が自らマニュアルを作成したほうが重要なポイントまで明文化できます。
他の担当者がマニュアルを作成した場合は、インタビューを受けた担当者に内容をチェックしてもらいます。

必要に応じて画像やイラストを挿入する

文章ばかりだと読みづらさを感じる人も多いため、必要に応じて画像やイラストを挿入して読みやすいマニュアルを目指しましょう。
画像やイラストがあると読み手の直感的な理解を促すことができ、業務の理解度も向上します。
理解度が低いとマニュアルに書いてあることを何度も質問されるケースもあるため、一目で理解できるよう構成を工夫することが大切です。

作成日・更新日を記載する

マニュアルが完成したら、必ず作成日を記載します。
マニュアルは完成したら終わりではなく、仮運用と使用者からのフィードバック、改善を繰り返して内容のブラッシュアップを図ります。
また、作業方法の変更などがあった場合にはマニュアルを修正する必要もありますので、どの時点の情報なのか把握できるよう、作成日や更新日は必ず記載するようにしてください。

 

マニュアル化のコツ

実際にマニュアルを作成する際には、どのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか。
マニュアル化のコツを3つ紹介します

マニュアル作成ツールを活用

マニュアル作成に特化したツールを使うと、マニュアルを効率的に作成・運用することが可能です。
操作性やデザイン性に優れたツールが多数リリースされており、ノウハウがない企業でも質の高いマニュアルを作成できるでしょう。

他にも、社員が自由に書き込みできるWikipediaのような「社内wiki」も人気です。
社員が参加して常にマニュアルをブラッシュアップできるため、更新性の高い運用が可能になります。
ただし、内容の正確性を担保する必要がありますので、管理者による制御も忘れないようにしましょう。

階層構造を意識する

マニュアルは、最初から読む手間を省くために階層構造を意識しましょう。

作業手順は「①の手順の次に②、それが終わったら③」のように、段階的に進めるのが一般的です。
これらの作業プロセスを階層構造に落とし込むと、参照したい作業手順を見つけやすくなり、使い勝手のいいマニュアルになります。

検索しやすくする

読みたい内容がどこにあるのかすぐに見つけられるよう、検索性の高いマニュアルを作ることも重要です。

マニュアルはページ数が膨大になるため、読みたい内容がすぐに検索できないと、作業時間を圧迫してしまいます。
先述で説明した階層構造を意識しつつ、タイトルや見出しに適切なキーワードを盛り込むといいでしょう。

 

業務改善のご相談は武蔵野へ

業務のマニュアル化を進めると、チームの生産性向上やコスト削減が期待できるだけでなく、結果的には企業全体の業績アップにもつながります。
社内でマニュアル化に向いている業務を見極めて、少しずつマニュアル作成を進めていきましょう。

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