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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2024/03/01 16:00

経営

資金繰り

スタートアップ企業が抱える課題とは?課題を洗い出して解決策を導き出そう

読了まで約4分

企業の中には、スタートアップ企業やベンチャー企業などと呼ばれる企業があります。
創業して間もない新しい企業と思われることもありますが、革新的なビジネスモデルを持つ企業のことを指します。

本記事では、スタートアップ企業についてや、スタートアップ企業が抱える課題について解説します。

スタートアップ企業とは

スタートアップ企業とは、IT企業が集まるアメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉で、革新的な新しいビジネスモデルを考え新たな市場を提供することで、短期間で成長している企業や組織のことを指します。

ベンチャー企業という言葉もよく使われますが、意味合い的にはベンチャー企業とスタートアップ企業は同義語です。
スタートアップ企業は設立されたばかりの起業ですが、ベンチャー企業は設立して数年、小規模な会社を差すことが多いです。

 

多くの企業が直面する資金調達問題

スタートアップ企業の難点は、立ち上げからまもなく、実績もまだ無いために銀行から融資を受けたくても受けられないということが挙げられるでしょう。
初期費用がかかる事業を始める場合には、資金がなければ計画を実現することが難しいです。

銀行の審査に落ちてしまう原因は、ただ実績が無いというだけでなく、事業計画が明確でないという理由も多いです。

初めて会社を立ち上げる場合、事業計画書に取り扱っている事業内容を記載することとなりますが、自分では問題ないと思っていても、銀行の審査担当者からするとあまり内容が伝わってこないということは多々あります。

そのため、特に初めて会社を立ち上げる場合は行政書士など専門の人に相談しながら事業計画書を作成していくのが良いでしょう。

また、銀行による審査は最終的には人によって判断されています。
申し込みから審査の間でいかに銀行の審査担当者と良い関係を築けるかも審査結果に影響します。

実際に審査担当者との相性が悪く、あまり良い印象を与えられなかったせいで審査に落ちてしまったというケースも存在します。
そのため、融資を申し込む銀行の審査担当者がどんな人なのかについて情報収集をする必要もあります。

 

資金調達の種類とは

資金調達の種類について解説します。

デッドファイナンス

デットファイナンスとは、お金を借りて負債を増やす資金調達方法のことです。

例えば買掛金や支払手形などの仕入債務を増やす手法や、金融機関や公的機関から融資を受けたり社債を発行したりする方法で資金を確保するやり方が一般的です。

負債を増やすメリットは、自己資本の利益率を高められる「レバレッジ効果」などが挙げられます。
デメリットは、融資を受けるためには不動産などの担保や保証人が必要なほか、赤字経営であるかどうかに関わらず、期日が来れば返済しなくてはいけません。

返済期日までに支払いが滞ってしまうと倒産するリスクもあるため、自己資本と借り入れのバランスが重要です。

エクイティファイナンス

エクイティファイナンスとは、株式の発行によって資本を増やし、資金調達を行う方法です。第三者割当による増資やエンジェル投資家、ベンチャーキャピタルからの調達、クラウドファンディングなどがあります。詳しくは次項で解説します。

アセットファイナンス

アセットファイナンスとは、会社が保有している資産を売却して現金化する方法です。
使っていない資産を売却できれば、借入や増資よりもコストがかからず迅速に資金調達が可能になります。

しかし、現金化する資産を保有していないと資金調達ができない、資産を持っていても価値がない場合は売却できないというデメリットもあるので注意です。

 

資金調達の手段は銀行からだけじゃない!

銀行からの資金調達が上手く行かなくてもそれほど心配する必要はありません。
スタートアップ企業の場合、銀行などの公的機関以外にも資金調達先はたくさん存在します。代表的な資金調達方法は下記です。

ベンチャーキャピタル

銀行以外の資金調達方法としてまず挙げられるのが、ベンチャーキャピタルです。

ベンチャーキャピタルとは、ハイリターンを狙って成長が期待できるベンチャー企業の株を購入する投資会社のことを言います。

ベンチャーキャピタルから投資を受けるメリットは、返済義務がないという点です。
立ち上げて間もないベンチャー企業は資金に余裕がなく、また事業が失敗するリスクも大きいでしょう。

そこでベンチャーキャピタルなら返済義務がないので、心に余裕を持って事業に専念できるでしょう。それに、ベンチャーキャピタル側が経営に関するアドバイスをしてくれることも多いです。

ベンチャーキャピタルは経営に余裕のある会社の子会社であることが多く、すでに経営のノウハウが蓄積されている企業の意見を聞けるのもメリットとして大きいでしょう。

クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングを用いて資金調達をする企業も多いです。
この方法の場合、出資額に応じて株式を渡すなどのリターンを用意したうえでクラウドファンディングサイトにて出資を募ります。

メリットとしては、少額の投資ができることから、投資家だけでなく、投資に興味がある程度のサラリーマンなどからの出資も期待できる点が挙げられるでしょう。

しかし、出資者は企業で取り扱っている事業がイノベーションを起こすことを期待して出資するので、いかに自社で取り扱っている事業の魅力を出資者に伝えられるかがカギとなります。

補助金・助成金

審査に多少時間がかかっても良い場合は、日本政策金融公庫のベンチャー企業向けの制度を活用して資金調達をするという手段もあります。

具体的なベンチャー企業向けの制度としては「創業融資制度」「新事業活動促進資金」などが挙げられます。
銀行から資金調達をするときと同様、申請書類に記入する項目が多く、申請の際に細かく事業内容を記載する必要がありますが、銀行と比べると創業して間もない企業にターゲットを絞っているので審査に通りやすい傾向があり、この制度も活用していきましょう。

投資家からの出資

こちらに関しては出会えるかどうかは運次第の面が強いですが、エンジェル投資家からの出資を期待するのも一つの手です。
エンジェル投資家とは、企業の成長を期待して出資してくれる投資家のことを言います。企業ではなく個人なので審査も必要なく、スピーディーに資金を調達できるでしょう。

ちなみにエンジェル投資家に関しては、銀行や投資会社など、投資に関わる会社で働いていた経歴の持ち主が多い傾向があります。また、エンジェル投資家からリターンとして求められるものは株式が一般的です。
しかし、これに関しては人によって異なり、場合によってはリターンのことでトラブルになりかねないので注意しましょう。

このようにスタートアップ企業の資金調達の手段はたくさん存在します。

ただし資金調達をするにあたって手段を1つに絞るケースは少なく、色々な手段を組み合わせるのが一般的です。
それぞれの資金の調達方法のメリット・デメリットを比べ、自社に合った手段を組み合わせましょう。

 

資金調達を成功させるポイント

ビジネスプランを明確にする

資金調達において投資家や金融機関は、明確なビジネスプランを重視します。資金調達の結果、資金がどのように使われ、どのようなリターンが期待できるのかを評価します。

そのためビジネスプランは、目標の設定、市場分析、財務計画など、詳細な内容が求められます。

パートナーシップを構築する

資金調達は、ビジネスのパートナーを見つけ、長期的な信頼関係を築く過程でもあります。

例えばベンチャーキャピタルからの資金調達の場合、単なる資金提供者以上の存在となり得ます。彼らは経営に関する専門的なアドバイス、リソースを提供してくれる場合があるため、パートナーシップの構築は、ビジネスの長期的な成功に寄与します。

適切なタイミングを把握する

市場の状況が良く、自社のビジネスが成長軌道にある場合、資金調達の条件も有利になる傾向があります。

一方、市場環境が厳しい時期や企業の業績が低迷している時に資金調達を試みると、厳しい条件が提示される場合があるため、企業の状態と市場状況を同時に見極め、ベストなタイミングを捉えることが重要です。

 

パターン別のおすすめ資金調達手法

起業するとき

スタートアップ企業は、起業して法人化することを念頭に置いて、あらかじめ自己資金を集めておいたり、起業する業種によっては補助金や助成金を受給できる可能性があるので調べてみましょう。

すでに明確な商品やサービスがある場合や、事業計画が用意できているケースではクラウドファンディングの利用もおすすめです。

業績が悪化しているとき

業績が悪化しているときは、アセットファイナンスや補助金・助成金の受給、政府系金融機関からの融資などを検討しましょう。会社が保有している資産を売却すれば、業績に関係なく迅速に資金を調達できます。

また、政府や自治体から受給できる補助金や助成金を利用する方法も有効です。会社の業績に関係なく、補助金や助成金の支給条件を満たせば受給できます。

M&Aのとき

M&A(合併や買収)のときは、公募増資や金融機関からの融資など、多額の資金を調達しやすい手段を選択することがおすすめです。

公募増資は上場企業の場合、広範な株主への募集が可能であり、多くの資金を調達しやすい方法です。
また、金融機関からの融資には日本政策金融公庫の事業承継・集約・活性化支援資金があり、事業または株式の譲渡、合併などを目的とした融資でM&Aを実行するための資金調達に適しています。

 

資金調達をするときの問題点

リスクを最小限に抑え、効果的に資金調達を行うためには、慎重な計画と綿密な対策が必要となります。想定されるリスクとその対処法について3つご紹介します。

資金繰りが厳しくなる場合がある

資金調達によって、返済や利息の負担が増え、企業の資金繰りが厳しくなる場合があります。
資金繰り計画を定期的に見直し、現金の流れを予測しておくこと、 無理のない返済計画を立て、緊急時の資金確保策を設けましょう。

経営権が希薄化する可能性がある

自己資本調達の際に発行した新株式により、既存株主の所有割合が減少し、経営権が希薄化する可能性があります。
資金調達の方法やタイミングを慎重に選択したり、希薄化の影響をしっかりと理解して、株主とのコミュニケーションを密に取りましょう。

業績不振で返済が難しくなる場合がある

業績が思うように伸びず、資金調達で借り入れた資金の返済が難しくなる場合があります。
対処法としては、業績不振になった場合の返済計画の見直しを、前もって検討しておきましょう。

 

資金調達以外にもベンチャー企業は問題が多い

スタートアップ企業は、資金調達以外にも様々な問題を抱えています。

社員給与

まず挙げられるのが、社員の給与の問題です。

「ベンチャー企業は一般企業と比べて実力に見合ったポジションを任せてもらえ、実力さえあれば給与も上がりやすい」と言われることが多々あります。

しかし、資金力がない故に、実力に見合ったどころか給与も一般の中小企業より少なくなってしまうというケースは少なくありません。
会社を1から作り上げる一員となれるのは確かに魅力的ではありますが、残業代が払えないなどとなってしまうとただのやりがい搾取です。

特に立ち上げて間もない企業はやらなければいけない仕事も多いですが、労働時間・労働量に見合った給料が払えないなら残業させないなど、人材を確保するための対策も必須でしょう。

 人員配置

また、ポジションに関しても、スタートアップ企業は規模が小さく、創業メンバーも若い人が多いです。
そのため、早い段階で管理職ポジションが埋まってしまい、後から入ってきたメンバーが出世を期待できずに辞めてしまうことが多々あります。
しかし会社を存続させるためには、次世代をしっかり育て、定着させることが重要でしょう。

そのため、元からいるメンバーでも降格するシステムを作る、次世代のメンバーも経営決定に関わる機会を設けるなど、次世代がキャリアアップを目指せる環境かつ、創業時のメンバーがスキルアップを怠らない環境を作り上げていくことが大切です。

人間関係 

スタートアップ企業は、社長の考えに賛同する人が集まってしまいがちな傾向があります。そのため、万が一社長の考えと異なる意見があると、会社の輪の中から外れてしまうという人間関係の面での問題も抱えています。
しかも、スタートアップ企業は経営に社長の考えが大きく反映されるために、出世も社長の一声による部分が大きいです。

したがって、社長に気に入られさえすれば実力がなくても出世できる、実力はあるけれども社長に認められないために出世できないという事態が起こってしまうケースも少なくありません。

これによって優秀な人材離れが問題となっているベンチャー企業も実際に多く存在します。
そのため、企業内で評価制度を明確に決めたうえで、適材適所な人材配置を行うことも必要となります。

 

スタートアップ企業の経営は課題がたくさん!

本記事で紹介したように、創業して間もないスタートアップ企業やベンチャー企業はたくさんの問題を抱えています。
ベンチャー企業の9割は10年以内に倒産すると言われており、安定した経営のためにも、早い段階から資金調達や人材の定着などの問題に取り組むことが大切です。
自社が抱えている問題を洗い出して対策を練り、長く運営できる企業を目指しましょう。

企業を成功させる秘訣を知りたい方は、外部の専門家を活用するのをおすすめします。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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