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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/06/27 10:20

人材育成

人材定着率向上方法とは?若手社員の離職理由や業界別の現状を解説

読了まで約3分

経営者や人事担当者にとって、自社の離職率を下げることは経営上の大きな課題です。
離職率が高いと人材がうまく育たず、その企業の将来性を危ぶませることにもなるでしょう。

しかし、なぜ従業員はやめてしまうのかを踏まえてきちんと対策を取れば、早々に退職されるという事態を大きく減らすことができます。

今回は、人材定着率を高めるにはどうすればよいのか、という点について詳しく解説しましょう。

定着率とは

まず初めに、「定着率」とはどういう意味か、定義や計算方法をご説明します。

定着率とは、入社から一定期間を経ても、働き続けている従業員の割合を表す指標です。
数値が高ければ高いほど従業員の離職が少なく、働きやすい環境の職場と判断できます。

一方、数値が低い場合には、多くの従業員が離職しており、職場に何かしらの問題があると考えられます。

定着率の計算方法

定着率は、下記の計算式で算出できます。

社員定着率(%) = 現在の在籍人数÷ 〇年前の入社人数 × 100  

例えば、ある年に100名が入社し、3年間で20名が離職したとします。
その場合、この3年間の定着率は80%となります。

計算式)80÷100×100=80%

 

離職率とは

定着率と似た指標に「離職率」があります。
離職率は、入社から一定期間を経て離職した従業員の割合を表す指標です。

定着率と離職率は逆の指標で、離職率が高いほど定着率は低く、離職率が低いほど定着率は高いということです。

定着率と離職率を足せば100%になります。

 

【業界別】人材定着率の現状

厚生労働省の令和3年雇用動向調査結果の概況によると、令和3年1年間の国内における全産業の離職率は、平均で13.9%です。
つまり、定着率は平均で86.1%ということになります。

働いている人の1割強の人が、1年間で離職していることを表しています。
しかし、この13.9%という数字はあくまで産業全体の平均です。

産業ごとに離職率の現状をみると、令和3年の1年間で離職率が最も高かったのは「宿泊業、飲食サービス業」の25.6%となっています。
「生活関連サービス業・娯楽業」の22.3%、「サービス業」の18.7%、「教育・学習支援業」の15.4%なども高い数値です。
離職率は企業ごとに数値は異なりますが、これら産業に属する企業は特に人材定着が難しい傾向にあるといえます。

 

新卒者の定着率

新卒者における離職率は特に高い傾向があります。

厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」によると、平成31年3月に卒業した新規学卒就職者が就職してから3年以内の離職率は、新規高卒就職者で35.9%、新規大卒就職者で31.5%となっています。

高校を卒業して就職した人の4割近く、大学を卒業して就職した人の約3割が3年以内に退職しているのです。
企業が人材定着率の向上を考えるとき、新卒で就職した若者の離職率を下げることは大きな課題といえるでしょう。

 

離職の理由とは?

では、従業員が離職を決断する理由は何でしょうか。

厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、20~29歳の男女における離職理由は、個人的理由を除く1位が、「労働時間、休日等の条件の悪さ」(12.6%)で、2位が「給料等収入の少なさ」(10%)、3位が「職場の人間関係」(9.1%)となっています。

「他にやりたいことが見つかった」のような積極的な理由ではなく、
多くの若者が会社に対して強い不満を持って退職している実情が、この結果から読み取れるでしょう。

 

定着率向上のための施策

離職理由のデータから、従業員が企業にどのような不満を持っていたのかを読み取ることができます。
つまり、離職率を低下させて定着率を向上させるには、退職理由となりやすい事項に対して対策を考えることが有効です。

そこで以下では、「労働時間・休日の条件」、「給与条件」、「職場の人間関係」を理由とする離職者を減らす方法について、いくつかご紹介しましょう。

労働時間・休日の条件を改善するには

労働時間が長い、休日出勤が多いなどの理由で退職する人が多い場合、柔軟な働き方ができる制度を導入することが有効な対策として考えられます。
その方法の1つとして近年注目を集めているのが在宅勤務制度の導入です。

現在、ネット環境が整った場所であれば、企業内でなくとも業務を行えるという職種・仕事は増えています。
同じ仕事量であっても、リモート勤務、時短勤務を行えるのであれば、従業員のストレスは減らすことができるでしょう。

給与条件を改善するには

待遇が悪いという理由での退職を減らすには、給料をアップするのが最も直接的な方法です。
しかし、それ以外にも有効な対策があります。

その1つが、インセンティブ制度の導入です。
成果を挙げている従業員に対して、福利厚生面で厚遇するなど、家計面をサポートする優遇策を取ることにより、そのモチベーションを維持します。
自分の努力が目に見える形で本人に還元される仕組みを構築すれば、待遇に不満を持って退職する従業員の減少につながるでしょう。

人間関係を改善するには

職場の人間関係はデリケートで踏み込みにくい問題です。
しかし、企業の制度的対応により状況改善を図ることもできます。

例えば、従業員同士で普段の行動や仕事への貢献、サポートに対して報酬を与え合う「ピアボーナス制度」もその1つです。
従業員間で贈り物をし合うわけですから、相互の関係性向上にも役立ちます。
報酬の種類は多様で、金銭はもちろんのこと、社内ポイントや社内通貨などが用いられることも多いです。

近年、職場環境改善策として、このピアボーナス制度が注目されています。
かつては、従業員同士のコミュニケーションというと「飲み会」などが一般的でした。
しかし現在の若い世代はそのような方法は必ずしも有効とはいえません。

企業側には、ピアボーナスのような効果的・具体的な仕組みづくりの面で対応することも望まれます。

 

人材定着率を向上させるには、未然防止が大事

人材定着率の向上を目指し、人材育成を進める上では、従業員の離職理由となりやすい事項に対して、有効な対策を取ることが大事です。
厚生労働省の調査結果では、労働時間・休日条件、給与条件、人間関係が三大離職理由となっています。
これらを理由とする離職を減らす対策を進めることが、人材定着を図る企業には必要です。

また、人材の流出を防止するための施策であるリテンションを行うことで、既存の社員のうち特に優秀な社員を企業内に留めておくことができます。

リテンションに関して詳しくはこちらの記事をご覧ください。
リテンションとは【人事戦略/働き方】

今回紹介したような在宅勤務やインセンティブ制度、ピアボーナスなどの対策を日頃から適切に実施すれば、働き続けたいと考える従業員の増加につながり、退職希望者を減らすことができるのではないでしょうか。

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