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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2023/03/27 15:50

業務効率

仕組み化とは?意味やメリット・やり方や成功のコツをわかりやすく解説

読了まで約4分

「自社の業務を仕組み化する方法について知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。

人材不足や優秀な社員の退職などのリスクを背景に、業務効率化の重要性が高まっています。
業務効率化のためには、業務に関するムダを省く必要があり、そのためには仕組み化が重要です。

本記事では、仕組み化の意味やメリット、やり方やコツなどについて詳しく解説するので参考にしてください。

 

ムダを知るための3つの観点

仕事のムダは以下3つの観点によって整理できます。

  • 目的(なぜやるのか)
  • 施策(何をやるのか)
  • 手段(どうやるのか)

「なぜやるのか」の目的意識が正しいとしても、施策や手段が誤っていればムダが生じます。

たとえば、「全社員分の給料計算をスムーズに行いたい」という目的がある場合、「1名ずつ卓上電卓を使って計算する」という手段を選択するとムダになりかねません。
基本的に卓上電卓による計算は時間がかかるからです。

この場合は「専用の給与計算ソフトを使用する」という選択肢が目的に沿った最適な手段と考えられます。

上記のような仕事のムダを解消するには仕組み化が重要です。

 

ビジネスにおける仕組み化とは

ビジネスにおける仕組み化とは、特定の社員に依存するのではなく、いつ、どこで、誰が行っても、同じ結果を再現できる状態を構築することです。
属人性が低く、再現性が高い状況ともいえます。

仕組み化前と仕組み化後で比較すると、仕組み化後は業務フローが明確にマニュアル化されているため、運用の仕方や作業内容がクリアです。
意思決定に曖昧さがないため、誰が同じ業務を行ってもスムーズに遂行できます。

一方の仕組み化前は、さまざまな業務を手動で行う必要があります。
業務フローも共有されていないため、一部の社員に依存している状況といえるでしょう。

 

仕事を仕組み化するメリット

仕事を仕組み化するメリットには以下があります。

  • メリット1.業務改善につながる
  • メリット2.スキルに依存せず業務の遂行が可能
  • メリット3.会社の成長につながる

それぞれ詳しく解説します。

メリット1.業務改善につながる

仕組み化をしていなければ、ミスが発生した理由や原因はわかりづらいものですが、仕組み化によって、いつ、どの段階で、なぜ、どのようにミスが起きたのかを可視化できます。
原因がわかれば業務改善も容易ですし、徐々にミスを減らしてゼロにできる可能性もあります。

業務改善によって各社員の正確性やスピードが向上するため、仕事の質に差が出にくくなるというメリットもあります。

メリット2.スキルに依存せず業務の遂行が可能

スキルが高い社員に依存することで、短期的には業務が円滑に回るかもしれません。
しかし属人化している業務は担当者以外に進めることが難しいため、長期的な組織の成長は見込めないでしょう。優秀な社員が休んだり、退職したりすれば、業務が急停止するリスクがあるためです。

仕組み化によってマニュアルを整備し、誰でも、どこでも、いつでも同じ成果を出せる体制を整えることにより、個人に依存しない業務の遂行が可能になります。
一部の社員だけに業務が偏ることを防げるため、強い組織の形成につながります。

メリット3.会社の成長につながる

マニュアルを活用し、業務を仕組み化することで、簡単な仕事は経験が浅い社員に任せ、ベテラン社員は高度な仕事に時間を使うことが可能です。
このサイクルがスムーズに機能すれば、社員のキャリアアップや個々の成長が見込まれるため、会社全体の成長につながります。

また、仕組み化によって停滞していた業務フローが改善されれば、会社の売上増加が期待できます。
売上や利益が増えることにより、会社自体の成長も加速するでしょう。

 

仕組み化のデメリット

仕組み化にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。
考えられるデメリットとしては、仕組み化によって社員が自主的に思考できなくなることです。
その結果、イノベーションが起こりにくくなるでしょう。

たとえば、あらゆる業務にマニュアルが完備されていれば「これを読めば安心」という意識が強くなり、いつまでもマニュアルを手放せなくなるかもしれません。

マニュアルに頼り続けた結果、価値観の多様性がなくなり、硬直した組織になるリスクがあります。
そうなれば新しいチャレンジへの意欲が削がれ、技術革新も難しくなるでしょう。

他にも、仕組み化によってルーティンワークが増えれば、社員のモチベーションが低下する懸念もあります。

そのため、全ての業務を仕組み化するのではなく、仕組み化する業務としない業務を明らかにすることが大切です。
具体的な仕組み化の方法は次章で解説します。

 

仕組み化のやり方

一般的な仕組み化のステップは以下です。

  • ステップ1.業務を見える化する
  • ステップ2.課題を把握する
  • ステップ3.マニュアル化する

それぞれ解説するので参考にしてください。

ステップ1.業務を見える化する

仕組み化を進めるには、最初に業務の見える化を行います。
専門知識がない人でも、業務の流れが明確に理解できることが大切です。
たとえば、業務内容を感覚型、選択型、単純型などに分けると良いでしょう。

感覚型は経験や知識による判断が必要な業務、選択型は一定のパターンを元に選択する業務、単純型は誰が行っても同様の結果になる業務です。

たとえば「顧客データの入力業務」において、シンプルなデータのみ入力する場合は単純型に該当します。
データにプラスして顧客の印象を入力する場合は感覚型になるでしょう。
ただし感覚型に関しては「本当に経験や知識が必要な業務なのか」を考えることが大切です。

具体的な分類方法は企業によって異なりますが、一定の基準をベースに随時、見える化を進めることが重要です。

ステップ2.課題を把握する

ステップ1で見える化した感覚型、選択型、単純型のどこにムダがあるのか、何を仕組み化すれば良いのかの課題を抽出します。

主に仕組み化に向いているのは選択型と単純型です。
報告書やレポート提出のような不定期業務が考えられるでしょう。
このような不定期業務は、思い出すのに時間がかかったり、周囲の人間に聞く必要があったりと非効率的なため、仕組み化によって高い効果を期待できます。

「業務の大半が選択型と単純型に分類できる」という見解もあるため、日常業務のプロセスの多くを改善できるかもしれません。

なお、感覚型に関しては仕組み化が難しい側面もありますが、ステップ2の段階で「本当に仕組み化が困難なのか」を考えることが大切です。

ステップ3.マニュアル化する

ステップ1とステップ2を進めた後、実際の仕組み化に入ります。
抽出した課題をどのように仕組み化すれば良いかを考えたうえで、業務プロセスを決定する段階です。
その際はマニュアル化がポイントになります。

社内にマニュアルが整備されていれば、誰がいつ、どの業務に取り組んでも効率的に再現できます。
そもそも仕組み化とは、個人の知識やスキルに頼らない業務プロセスの構築であるため、マニュアルというツールに集約することがポイントです。

たとえば、前述した「顧客データの入力業務」のマニュアルの場合、最初にどのITツールを開くのか、次にどの場所に保管してある顧客データを参照するのかなどを確認し、ITツールのどの項目に何を入力をするのかをマニュアルに細かく記載します。
テキスト情報だけでわかりにくい場合は、図やイラストを挿入すると良いでしょう。

マニュアル作成の詳しいポイントは次章で解説します。

 

仕組み化の要素とマニュアル作成のポイント

マニュアルを作成するには、6つの要素に沿って進めることが大切です。

1.何(どんな業務)をするのか
2.誰がするのか
3.いつするのか
4.どうやってするのか
5.完了した確認はどうするのか
6.何のためにするのか

上記の要素を明文化したものがマニュアルです。

マニュアル作成後は「マニュアルがわかりやすいかどうか」のフィードバックをもらい、わかりづらい場合は修正を重ねる必要があります。

ある程度マニュアルが機能するようになったら、実際に現場で導入しつつ足りない部分を追記したり、わかりやすく改善させたりと、内容をブラッシュアップしていきます。

 

仕組み化を成功させるコツ

仕組み化を成功させるコツは以下の2つです。

  • 業務の特性を把握して仕組み化につなげる
  • 定期的に仕組みを振り返りメンテナンスする

それぞれ説明します。

業務の特性を把握して仕組み化につなげる

仕組み化を成功させるには、業務の特性を正確に把握することが大切です。
前述したように仕組み化に向いている業務は、一定のパターンから選択して進められる業務や、誰が実施しても同じ成果を出せる業務です。
たとえば単純な事務作業であれば、マニュアルとITツールの導入で自動化が容易でしょう。

一方の仕組み化に向いていない業務は、経験や知識をベースに高度な判断力・技術力が求められる業務です。
このような属人的な業務はマニュアルやITへの落とし込みが難しいと判断できます。
たとえば専門的な経験に基づくコンサルティング業務は仕組み化が難しいといえるでしょう。

定期的に仕組みを振り返りメンテナンスする

仕組み化を開始した後、そのまま放置することは避けてください。
仕組みは運用しながら改良を重ねることにより、効果的に機能し始めるからです。
初期段階から完璧な仕組み化を構築することは難しいでしょう。

メンテナンスの例として、仕組み化の運用から一定期間が経過したタイミングで振り返る方法があります。
具体的な期間は企業によっても異なりますが「マニュアル化した業務を5名が利用した段階」など、事前に決めておくと良いでしょう。

ある程度のスパンで分析することで仕組みの良い点や機能していない点を明確に理解できるようになるため、メンテナンスで改善し続けることが大切です。

 

業務に仕組み化を取り入れて企業の成長につなげよう

仕事のムダを円滑に解決するには仕組み化が重要です。
ビジネスにおける仕組み化とは、一部の社員に依存するのではなく、いつ誰が行っても同じ結果を再現できる状態を指します。

仕組み化によって業務改善につながり、スキルに依存しない業務の遂行が可能となり、会社の成長にもつながるというメリットがあります。
具体的には、最初に業務を見える化し、課題を把握したうえでマニュアルを作成する流れとなります。
また、定期的な振り返りとメンテナンスも重要です。

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