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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

更新日:2022/10/18 14:40

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タックマンモデルとは?チームを成長させる5つのステージ

読了まで約3分

プロジェクトを進行させるためのチーム結成においては、メンバー同士のトラブルが当たり前のように起こります。
その課題をクリアするための概念が「タックマンモデル」です。

タックマンモデルとは、チームの成長段階を5つに分けて示したものを意味します。

本記事を読んでタックマンモデルを理解することにより、チームによるコミットメントが円滑に進むはずです。

タックマンモデルとは、チームの成長度合いを4段階で示したもの

タックマンモデルとは、チームの成長段階を4つに分けて示したものです。1965年に心理学者ブルース・W・タックマンが、このタックマンモデルを発表しました。
その後の1977年にもう1段階を追加し、チームの成長度合いを合計5段階で表します。

通常、新しくチームを結成するにあたっては各メンバーが自分の考えやアプローチを持っているため、プロジェクトをスムーズに進行させるのは容易ではありません。
意見のぶつかり合いやトラブルが起こる可能性も考えられます。

そこで、タックマンモデルを活用することにより、チーム結成からプロジェクト終了までの流れを明確化し、理想的なチームビルディングを実現することができます。

 

タックマンモデルにおける5つのステージ

ここまでお話したタックマンモデルは、すべてがうまくいく万能なフレームワークではありません。
チーム結成後は混乱・衝突を乗り越えて、最終的な達成へと導かれます。

チーム解散までの流れを明確にしたタックマンモデルにおける5つのステージは下記のとおりです。

ステージ1:形成期(Forming)

「形成期」はチーム結成後すぐのタイミングです。この段階では結成されたばかりであるため、お互いのことをよく知りません。
各メンバーは手探りでコミュニケーションを図ろうと試みます。

ステージ2:混乱期(Storming)

「混乱期」は、チームとしてある程度の期間が経つと、メンバーそれぞれが自分の意見を発信するため、チーム全体で衝突や混乱が起こります。
プロジェクトの役割や責任者の取り決め問題もあり、対立が起こりやすいタイミングです。

とはいえ、混乱期を意図的に避けてストレスを抱え込むメンバーがいますが、ストレスはのちにトラブルの原因となるため、混乱期で十分に衝突することがキーポイントとなります。

ステージ3:統一期(Norming)

メンバーの衝突を乗り越え「統一期」が訪れます。
メンバー同士で話し合い目標を明確にしてあるため、この段階まで来るとようやくチームとしての統一感が生まれます。また、意思疎通を図ることにより信頼関係が構築され始めます。

全体として意識が統一されていくのがこの時期の特徴であるため、チーム責任者は組織全体としての方向性を冷静に見つめ、ときには軌道修正を行うことも必要です。

ステージ4:機能期(Performing)

「機能期」では課題の解決やプロジェクトの進行が行われます。チーム全体のパフォーマンスがフルに発揮されるタイミングがこの機能期です。
メンバー全員が一致団結しており、相互サポートができる状態にあります。

チーム責任者には機能期をできる限り持続させるための役割が求められ、各メンバーが責任者に代わって役割を実行できるようになっているのも特徴です。

ステージ5:散会期(Adjourning)

目的の達成や期間の到達により、「散会期」を迎えます。チームとしてはここで解散され、メンバー各々は別のミッションに向けて活動を始めます。

タックマンモデルの一連の流れは以上です。

 

タックマンモデルを活用する2つの目的

タックマンモデルは、チームが結成されてメンバー同士がぶつかり、プロジェクトを達成したのち、いずれ解散を迎えます。
この一連の流れで終結するタックマンモデルの目的を2つみてきましょう。会社にタックマンモデルを取り入れる意味が、より明確に理解できるはずです。

メンバー各々の役割認識

タックマンモデルを活用する目的として、メンバー各々の役割認識があげられます。

現状がどの段階にあたるのかを各メンバーがしっかりと認識すれば、必要な立ち回りや役割が自ずと見えてきますし、反対に現状がどのような段階にあるのかが分からなければ、自分の役割や必要性を見失ってしまう可能性もあります。
プロジェクトを成功に導くためにはチーム全体による取り組みが必要不可欠であり、メンバー各々の役割をしっかり認識しておかなければなりません。

タックマンモデルによる5つのステージでメンバー同士が交流を図ることにより、メンバーの役割の共有・認識につながり、より生産性の高いコミットメントが行えるはずです。

チームの団結力向上

タックマンモデルを用いる目的2つ目は、チームの団結力向上です。
いくら優秀なメンバーを集めたところで、チームとして団結できるとは限りません。団結できなければ当然パフォーマンスは下がり、プロジェクトの成功が遠ざかってしまいます。

そこで、タックマンモデルの5ステップの各段階を通してメンバー同士がぶつかり合いながら交流を重ね、十分に話し合うことでチームとしての団結力が高まります。
チームの団結力が向上すれば結果として、プロジェクト全体の成功につながるはずです。

 

タックマンモデルを学習できるゲーム

マシュマロチャレンジゲーム

マシュマロチャレンジゲームは制限時間内に、スパゲッティの乾麺やテープ、マシュマロを使用してタワーを作っていくゲームです。

1チーム4人で高いタワーを立てることが目標であるため、いかにコミュニケーションを取ってバランスよく組み立てられるかがポイントです。
限られた材料を駆使して組み立てることでチームとしての一体感を感じられます。チームを組む前の社員研修として取り入れるのがおすすめです。

NASAゲーム

NASAゲームはチームの合意形成を行うゲームです。

月に不時着した宇宙飛行士という設定で、320km離れた母船に戻るため15個のアイテムに対して優先順位を付けていきます。
まずは自分で優先順位を付けて、その後グループでお互いに意見を交わしながら優先順位を付けていきます。

意見交換の際に自分の考え方を述べたり、相手の意見を聞いたりする機会があるため、コミュニケーション方法について学ぶことができます。
このゲームは模範解答が用意されていて、模範解答に近い優先順位を考える分析スキルの向上も期待できます。

ドミノ倒しゲーム

ドミノ倒しゲームは、チームを組んで200個程度のドミノを並べて倒し、一番長くドミノを倒し続けたチームの勝利というゲームです。

制限時間内に、チームの全員がドミノを配置する場所を決めて置いていく必要があるため、役割分担を学べます。
また、ドミノが続いて倒れるように配置しないと途中で止まってしまうため、1人ひとりにドミノを置く責任感も生じます。

このゲームを通して、タックマンモデルの役割分担と責任感を学習できます。

 

タックマンモデルの混乱期の乗り越え方

タックマンモデルの5つの段階において、一番重要なのが混乱期です。
混乱期を乗り越えるためには、以下のポイントを抑えてチームの混乱期を乗り越えましょう。

活用するためには適切なポイントを押さえて導入することが大切です。

タックマンモデルはあくまでもチームビルディングを客観的に分析した考え方であるため、活用するためには適切なポイントを押さえて導入することが大切です。ここでは、タックマンモデルによるチームビルディングを効果的に行うためのポイントを見ていきましょう。

チームの目的を明確にする

混乱期では、チームの目的やビジョンを明確にしていきましょう。
チーム内において、1人ひとりが違った目標を捉えてしまうと個々の能力が分散され、モチベーションも低下するため、成果を出すのが極めて難しくなります。
チームリーダーは、目標を達成できるよう、ひとつずつのプロセスに目標を定め、個々の役割分担を明確にすることが求められます。

適切な目標を設定する

チームとしての方向性が決まったら、そこに向けた適切な目標設定を行いましょう。
チームビルディングにおいては、成功体験がチーム力を向上させるきっかけとなるため、どれだけ適切な目標設定を行えるかが成功を左右するカギとなります。

無理な目標を掲げて成功できなかった場合に、チーム全体のモチベーションは低下してしまいます。また、過度なノルマが生じてしまうと、メンバーは目の前の課題に追われてしまい、周囲とのコミュニケーションを図るゆとりがなくなってしまいます。

一方、ハードルが低すぎる場合は、努力をせずとも課題を乗り越えられてしまうため、現状を変える必要性を感じにくくなります。そうなると、新しいことを取り入れたり、意見をぶつけ合ったりする機会が失われていくため、組織の成長にはつながりません。

チーム編成や業務の振り分けは慎重に行う

チームビルディングを成功させるためには、スタート地点にあたる「チーム編成」の段階から慎重に検討する必要があります。メンバーそれぞれによって強みと弱点が異なるため、個人の適性を見極めたチーム編成を行うことが、組織力を高める第一歩となるのです。

チームを編成したら、各メンバーの配置や業務範囲を工夫し、スキルを最大限に発揮できる環境を整えることも大切です。

個人の役割を明確にする

細かく個人の役割を明確にすることも大切です。個人個人の目標を設定してあげることで、そのメンバーにとって最大限の力を発揮しやすくなります。
また、どこからどこまでが個人の責任なのかをはっきりさせることもおすすめです。その結果、責任を持って行動し、集中力を高めて、良いパフォーマンスを出せるようになります。 

チームに課題を丸投げしない

チーム力を高めるためには、メンバーに対して単に課題を与えるだけでなく、適度にフィードバックを行うことが大切です。個人の能力や進捗状況を把握し、課題のレベルや量を調整しながら、きめ細やかなアプローチを続けていくのが理想といえるでしょう。

また、メンバーの取り組みが目標からそれている場合には、状況に応じて話し合いの場を設け、軌道修正することも重要です。

マインドセットを形成する

チームとして機能するためには、1人ひとりが目標達成を掲げ、モチベーションを高めてマインドセット形成することも重要です。
目標を定めてもモチベーションが上がらない場合、プロジェクトの進行の遅れや、開発のクオリティの低下につながる可能性があります。

メンバーのモチベーションを向上させるため、食事を一緒に取るなど、チームの一体感を生み出す取り組みも必要です。

お互いを尊重してフィードバックする

タックマンモデルを踏まえたチームビルディングでは、チーム内のコミュニケーションの質を高めることが重要です。チームとして仕事のフィードバックを行う際には、相手を尊重する意識を持つことも重要です。
そのためには、お互いが価値観を否定し合わず、尊重できるような環境づくりにも気を配らなければなりません。正しい内容を伝えているとしても、怒ったような口調で意見を言うと、受け入れるのが難しくなるほか、チームの雰囲気も悪化しがちです。

反対に、相手を尊重した丁寧な言い方を心がけると、意見も通りやすくなり、フィードバックもスムーズに行えると考えられます。

それには、リーダーがメンバーそれぞれに異なる意見のとらえ方を学ばせたり、安心して意見を主張できる環境を整えたりすることが大切です。

 

タックマンモデルの導入事例

タックマンモデルを導入するとどのような効果があるのか、以下の導入事例をご紹介します。

株式会社TonTon

株式会社TonTonは、他部署とのコミュニケーションが取りにくい状況のなか、それぞれの部署が独自に動いていたため、企業として全体を把握できていない混乱期の状態でした。
しかし、企業として規律の統一や、役割を再認識させるためのミーティングを行い、企業として一体感を出すように取り組みました。

この働きのおかげで、企業全体で目標を定め、一体感を生む出すことに成功しました。

株式会社オアシスライフスタイルグループ

株式会社オアシスライフスタイルグループでは、タックマンモデルを踏まえて、新しいコミュニケーションツールを導入しました。
社員や店舗数の増加にともない、コミュニケーションがうまく取れなくなっていたため、SNS形式のツールを導入し、お互いにネットから情報を共有できるような仕組みを作りました。
SNS形式のコミュニケーション方法にしたことで、社員同士の情報共有がスムーズになり、組織の発展に成功したケースといえます。

 

タックマンモデルを活用してプロジェクトを成功させよう

本記事では、タックマンモデルの基礎概要、重要な5つのステップを解説しました。
タックマンモデルにおける5つのステップでメンバー同士の交流を深め、意思疎通を行うことでチームに団結力が生まれます。

チーム結成後の役割分担やリーダーの取り決めなども、タックマンモデルを活用すればスムーズに行うことができます。
社内のチーム形成に少しでも不安がある人は、ぜひタックマンモデルを活用してプロジェクトを成功に導きましょう。

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執筆者情報

執筆者の写真

佐藤 義昭 / 株式会社武蔵野 常務取締役

1971年、東京都生まれ。
1990年、武蔵野にアルバイトとして入社、ダスキン事業から新規事業まで経験。
2007年、経営サポート事業本部の本部長を経て2015年11月取締役に就任。
2021年、6月常務取締役に就任。

経営者向けに年間100回以上の講演実績があり、企業文化を強化する経営計画書作成法を伝授。
年に一度行われる社内経営計画書アセスメントの方針作りや、小山昇の実践経営塾の合宿では、経営者向けに経営計画書作成や短期計画作成を支援している。
おもな講演テーマに『経営計画書を作るには』、『手書きによる短期計画作成方法』などがある。

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