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MUSASHINO COLUMN

武蔵野コラム

2020/12/03 22:54

経営

アンダーマイニング効果とは

高いやる気を持って業務に取り組んでいた従業員が、急にモチベーションを失い、

まるで別人のように仕事への情熱を失ってしまうケースがあります。

その原因の1つが、「アンダーマイニング効果」です。

アンダーマイニング効果を防ぎ、逆にやる気やモチベーションを高める「エンハンシング効果」を引き出すには、

人材マネジメントにおける工夫が必要です。本記事ではアンダーマイニング現象が発生する原因や、その対処法について解説します。

 

アンダーマイニング効果とは?物質的な報酬が逆にやる気を低下させる

アンダーマイニング効果(Undermining Effect)とは、金銭やご褒美などの物質的な報酬を与えた結果、

かえって相手のやる気やモチベーションを削いでしまう現象を意味します。

心理学の用語で「抑制効果」「過正当化効果」といいます。

アンダーマイニング現象が起きるのは、「目標を達成したい」「人のための役に立ちたい」といった

内発的な動機づけによって、本人がすでにやる気やモチベーションを感じているケースです。

本人の行動が成果や業績につながっていれば、金品やボーナスなどの金銭的報酬を与えて、

さらにやる気やモチベーションを引き出そうと考えるかもしれません。

 

しかし、心理学の研究では、内発的動機づけによる行動に対して新たに外発的動機づけを行うと、

やる気やモチベーションが減少するケースがあることがわかっています。

内発的動機づけが無意識のうちに外発的動機づけにすり替わり、やりがいや世のため人のために自ら行っていた行動が、

いつのまにか金品やボーナス目当ての行動になってしまうからです。

今までは金品やボーナスがなくても充実していた仕事が、急に味気なく感じられ、

金銭的な報酬なしではやる気がでなくなってしまいます。

マネジメント能力やリーダーシップを高めるため、アンダーマイニング現象の理解は必要不可欠です。

人間に備わった2種類のモチベーション

アンダーマイニング効果についての理解を深めるため、人を動かす2種類のモチベーションについて知っておきましょう。

まず、物質的な報酬を与えたり、罰則を与えたり、外的な要因から生まれる受動的なモチベーションを「外発的動機づけ」

といいます。外発的動機づけには、次のようなものがあります。

・罰金を避けるため、無遅刻無欠席を継続しよう
・ボーナスアップのため、前月よりも営業成績を改善しよう
・上司の評価を上げるため、もっと熱心に仕事へ取り組もう

一方、外的な要因によらず、自分の内側から自然と沸き起こるモチベーションを「内発的動機づけ」と呼びます。

内発的動機づけの具体例は次の通りです。

・仕事にやりがいを感じるから、もっと頑張りたい
・もっと自分のスキルを高め、営業成績を向上させたい
・来月から仕事の姿勢を変えて、上司に認めてもらいたい

こうした内発的動機づけがある状態にもかかわらず、外発的動機づけを行ってしまうのが、

アンダーマイニング現象が起きる主な原因です。

エンハンシング効果との違いは?やる気を生み出す心理効果

アンダーマイニング効果とは対照的に、人のやる気やモチベーションを高める心理効果のことを

「エンハンシング効果(Enhancing Effect)」といいます。

エンハンシング効果とは、外発的な働きかけ(=外発的動機づけ)により、本人の姿勢や考え方を変化させ、

内発的動機づけを生み出すことを意味します。

人材のマネジメントや、リーダーシップを発揮するうえで、アンダーマイニング効果ではなく、

エンハンシング効果を引き出すよう心がける必要があります。

 

アンダーマイニング効果を防ぐ2つの対策

アンダーマイニング現象が起きるのを防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。次の2つのポイントを心がけましょう。

相手のモチベーションの種類を見極める

アンダーマイニング現象は、すでに十分な内発的動機づけがあるにもかかわらず、余分な外発的動機づけを行うことで発生します。

従業員のやる気やモチベーションを評価し、内発的動機づけ、外発的動機づけのどちらに基づいて行動しているかどうか、

あらかじめ見極めることが大切です。すでに十分な内発的動機づけがある場合は、無理に物質的な報酬を与えるよりも、

声掛けやコミュニケーションによる「言語的な報酬」を与えましょう。

期待の言葉や褒め言葉は、本人の有能感や自己決定感を損ないにくく、

相手のやる気やモチベーションを高めるエンハンシング効果や、心理的な思い込みによりパフォーマンスを向上させる

「ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)」も期待できます。

正しい「褒め方」が内発的動機づけにつながる

部下や後輩を褒める際は、正しい「褒め方」を実践しましょう。

心理学の研究では、相手を褒める際は「結果・能力」ではなく、「過程・姿勢」を褒めることで、

内発的動機づけにつながることが示されています。

従業員の結果・能力を褒めると、これ以上の結果が出ないことへの恐れや自分の能力への慢心が生じ、

かえってやる気やモチベーションが損なわれるケースがあります。

一方、従業員の業務プロセスや仕事への取り組み方を褒めることで、成果や業績にかかわらず、

さらなる努力を引き出すことが可能です。

アンダーマイニング効果ではなく、エンハンシング効果を引き出すため、「褒め方」にも気を配りましょう。

 

アンダーマイニング効果を防いでやる気やモチベーションを引き出す工夫を

金品やボーナスを始めとした物質的報酬を与えた結果、かえって従業員のやる気やモチベーションが削がれてしまう現象を

「アンダーマイニング効果」と呼びます。

アンダーマイニング現象を防ぎ、従業員のやる気を引き出すには、

「内発的動機づけ」「外発的動機づけ」のどちらに基づいて行動しているかの見極めが大切です。

また、部下や後輩を褒める際は、「褒め方」にも注意しましょう。

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